藤井寺駅 駅自動放送概要(2020, 01, 26)

近鉄南大阪線 藤井寺駅の自動放送についてまとめておきます。

 

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駅情報

2面4線の地上駅。藤井寺市の中心駅であり、イオンモールや市役所が徒歩圏内にあります。

 

かつては近鉄バファローズの本拠地、藤井寺球場の最寄駅として試合開催日には急行の臨時停車や、当駅止まりの準急・快速急行が設定されるなど賑わいましたが、球場も球団もなき今、その賑わいはパタパタ発車標のコマとして静かに残るのみです。

 

 

▼パタパタのコマとして静かに残る往年の臨時列車


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各駅停車は大半がこの駅で折り返して大阪阿部野橋へ引き返します。また準急はこの駅以遠各駅に停まります。

 

平成30年度の乗降客数はおよそ35,800人。南大阪線沿線で大阪阿部野橋に続き2番目の多さです。

 

駅構造の問題と変わる通過線

藤井寺駅は9割の各駅停車が折り返す駅ながら、駅構造に大きな問題を抱えています。

 

 

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折り返しのための引上線が上下線の間ではなく下り線の外にあるため、折り返しのたびに上下線を塞ぎます。

下り準急の入線とタイミングが重なることがあり準急を待たせてしまうこともしばしば。そしてこれが毎時6本あるから困り物です。

 

そして折り返して入線するのは上りの本線なのです。

ダイヤの都合で、急行や特急が本線を通過してから入線させていると折り返しに間に合わないため、本線を折り返しの普通が塞いで通過電車が待避線をゆっくり通過するという本末転倒な運転が行われています。

 

この欠陥を補うため、日中は毎時2本だけ古市行き/古市発の各駅停車が設定されており、特急がスムーズに通過線を通過できるよう工夫が図られています。

 

駅放送について

過去に収録した音声との相違点

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実は藤井寺駅の放送を録音するのは2回目です。前回録音したのは2015年、実に5年前に片手間に録音した不十分な動画であったため、今回録りなおしを行いました。

では当時の放送と現在の放送で変更された点を見ていきましょう。

 

2015年に録音した当時はまだ近鉄でも「白線」と流す放送が数多く残っており、藤井寺駅も多分に漏れず白線の言い回しを残していました。「白線」の言い回しが残っていたころは、通過や非営業列車の接近では「白線までお下がりください」、乗車できる電車では「白線まで下がってお待ちください」のように表現を変えており、当時感心したのを覚えています。

 

その後、2017年ごろに「白線」から「黄色い線」への更新が行われました。「黄色い線」に変わってからはそういった細かい拘りは無くなっていずれの場合も「黄色い線までお下がりください」と流れるようになっています。

ちなみに津田氏の「黄色い線までお下がりください」は大阪阿部野橋駅の旧放送と同じパーツが使われています。ぜひ聞き比べてみてください。

 

またかつては待避線に各駅停車が入線する前に

「当駅改札内喫煙コーナーを除き終日禁煙となっています。喫煙コーナー以外ではタバコをお吸いにならないようご協力をお願いします」

という横田敦子氏の声で録音された啓発放送が挿入されていましたが、2019年夏に実施された駅構内の全面禁煙化に伴い現在は流れません。

 

担当声優

今は無き大阪阿部野橋駅の旧放送と同じく横田敦子氏、津田英治氏が起用されています。この2枚がペアで担当している詳細型放送はこの駅にしか残存していません。(簡易接近放送であれば吉野線葛駅などに残存)

 

上りホームが横田敦子氏(女声)、下りホームが津田英治氏(男声)になっています。

 

流すことができる案内

上りホーム

停車駅

先着案内(普通があべの橋に先着するか、あとの準急が先着するか)

 

準急が河内松原で普通に連絡する旨の案内はありません。

 

下りホーム

停車駅(といっても全列車各駅停車です)

古市での連絡案内

古市での切り離し案内

 

全列車が各駅に停まるため種別は流れません。また先着案内もありません。

 

南大阪線と言えば古市で切り離して化ける列車ですよね。ただ残念ながら藤井寺駅の駅放送は切り離して化けるような案内には対応していません

 

なので切り離し化ける列車では切り離しの案内と連絡の案内を併用して放送します。

 

例;後ろ3両が古市から御所行きに変わる場合

×「後ろ3両は途中の古市で切り離し、御所行きに変わります」
○「この電車は古市で御所行きに連絡いたします。この電車は古市で後ろ3両切り離しいたします」

 

その他

到着放送(駅名連呼含む)よりも出発放送が優先される設定です。このため停車時間が1分未満の列車では到着放送がカットされます。

 

上り、下りとも当駅で通過待ちをする電車がありますので、確実に録りたいならそれを狙いましょう。ちなみに通過待ちの案内も上下線で用意されています。

 

気まぐれ連絡案内

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近鉄ホームページ>駅掲出時刻表より引用)

 

平日用の時刻表を見てみましょう。特に朝ラッシュ時間帯、古市での連絡案内が数多く掲載されていますよね。2本連絡する場合もあってより取り見取りです。

 

でもこれ、忠実に全部流れるわけではありません。

 

 

たとえば06:19発の河内長野行き。古市では橿原神宮前行き急行と御所行きに連絡するとなっていますが、放送で案内されるのは橿原神宮前行き急行のみ

06:46発の古市行きは橿原神宮前行きと富田林行きに連絡するとなっていますが、こちらも富田林行きしか案内されません

 

傾向としては「△△行き急行と、○○行きに連絡(片方が優等種別)」のような場合には両者とも流れますが、「△△行きと○○行きに連絡(両方が各駅停車)」のような場合には片方が切り捨てられます。

 

時刻表通りに連絡が行われるとしても、その通りに放送で案内が流れるわけではないのでご注意を。

 

早朝・深夜の回送

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あべの橋ゆき終電が発車したあとに藤井寺に着く藤井寺行き各駅停車は、藤井寺で停泊せず河内天美に回送されます

 

また平日6時半ごろまでの藤井寺始発あべの橋行き各駅停車は、河内天美から回送されてきた車両で運転されます。

 

このため始発、終電の前後に回送列車がかなりの本数運転されています。昼間に偶然見かけた回送を追いかけなくても特定の時間に録音できますので安心して録音に臨みましょう。

 

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何に関しても「一点もの」というのは保守管理が大変ですから淘汰される傾向にあります。南大阪線で一点ものの放送を持つ藤井寺駅。いつまで今の放送が残るでしょうか。

 

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