「到着まで」表示試験

JR西日本が関西圏の路線を中心に導入している旅客案内システム、「SUNTRAS」が制御している駅の発車標はこのような表示も出すことができます。


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列車が到着するまでの時間を表示するものです。正式な名称はわかりませんが自分は勝手に「到着まで表示」と呼んでいます。


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平成30年7月豪雨の初日、大幅にダイヤが乱れていた大阪環状線で「到着まで表示」を確認できましたので約1時間にわたって観察したところ、これが表示される条件として以下の3点が分かりました。

・30分以上遅れている列車にしか出ないこと

・実際に到着するまでの予想時間を表示しているわけではなく、現在の走行位置からダイヤ通りに走った場合の予想到着時刻を基に計算されていること

・表示時分は3分から59分までで、到着まで60分以上かかると判断された場合には到着まで表示は出ないこと


余談を付け加えると、

・一周回ってもう一回大阪駅に来るまでの表示時間も表示できること

もわかりました。

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30分以上遅れている場合にしか表示されず、かつ30分以上遅れていたとしても絶対に表示されるものではないため、狙って見ることは難しい代物です。

これを約1時間近くにわたって観察した結果、
「いつも表示してくれていたらとっても便利になるのでは」
と感じましたので、さっそく架空鉄道の表示に組み込んでみました。



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初期案、遅れ表示を同時に表示するパターンです。遅れがない場合は「定刻通り」と出すようにしました。

ご覧になればわかる通り参考にしたのは広電の発車標です。国内で到着までの時間表示を常に行っている会社が広電しか存在しなかったため、広電以外を参考にできなかったというのもあります。

到着時分は20分前から「あと○○分」でカウントをはじめ、2分を切ると「まもなく到着」に切り替えます。


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本格的に組み込むとなった際、乗車位置表示との干渉を避けるため、定刻の場合は何も表示しないようにしました。

これを表示すれば在線位置表示(前々駅→全駅→当駅)を表示せずとも到着までの目安が表示できるため、表示の作成も楽になりますね…(*´ω`*)



列車があとどれくらいで到着するか、視覚的な情報で提供するのは非常に大切なことです。

その手段の1つとして在線位置表示が広く使われているわけですが、こちらは駅間にどれほどの距離があり、通常はどれくらいの時間がかかるか…を知っていないと使いづらいという欠点があります。


とはいえ到着時間を表示する方法にもデメリットがありまして、遅延時には正確な情報を提供できない可能性が高くなります。

電車間隔が詰まっている場合に到着までの時間が推測できず、通常は3分で到着できるの所にいるから「あと3分」と出したら実際には10分もかかった…となると実用的ではありません。

この点では電車の走行位置しか表示しない在線位置表示のほうが混乱を招きづらく、優れているともいえます。


ただ乱れている時間よりも通常運行をしている時間の方が圧倒的に長いのも事実です。

ぜひとも数字で端的に到着までの時間を表示してくれる表示も広まってほしいところです。


それではー。
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