先日、処分予定だったMicro SDカードを最後の点検ついでにあさっていたところ、完全に記憶からも消えていた未公開音声を見つけてしまいました。
ただの天王寺行きではありません。大阪市営地下鉄時代の天王寺行きの車内自動放送です。
まだ「Osaka Metro」という会社名すらも公表されていなかった時代の放送です。
今回はこの懐かしい放送の聞き所をご紹介します。
懐かしいあのフレーズがいっぱい
「次は梅田、梅田。谷町線、四つ橋線、JR線、阪急線、阪神線は乗り換えです」
「Please change here for the Tanimachi, Yotsubashi, JR, Hankyu, and Hanshin lines.」
「本日は大阪市営地下鉄をご利用くださいまして、ありがとうございます」
「交通局では迷惑行為や犯罪の防止に取り組んでいます」
まだMetroのかけらも感じられない交通局感がなつかしいですね。行政的な合理性を突き詰めた放送となっています。
始発放送のマナー啓発
大阪市営地下鉄の小さな車内放送に対するこだわりはまさに沼で、例えば始発放送ではこんな違いも。
終点駅始発
「この電車は○○行きです。発車までしばらくお待ちください。This train is bound for ○○.」
途中駅始発
「この電車は○○行きです。This train is bound for ○○.」
途中駅始発の電車はふつう長時間停車しないことから、同じ始発案内でも「発車までしばらくお待ちください」が流れないという違いがありました。
現行の放送では途中駅始発でも「発車までしばらくお待ちください」が流れるようになっています。
この途中駅始発の放送では通常、上記の文面のみが流れておりましたが、市営地下鉄末期の本当に一時期だけ始発放送の最後にマナー啓発を続けて流していた時期がありました。
この放送はたまたまその限られた時期に収録していたようでマナー啓発が付帯しています。
なんば到着時の放送
*追記:NAMBAなんなん前となんばウォーク前の違いは時期によるものではなく、編成によるもの(偶数か奇数かで異なる)とのことでした。
「なんば、なんば。ekimoなんば、NAMBAなんなん前です」
これが現行の放送の文面です。1回の放送で「なん」を何回いうんだと小中学生くらいには受けそうな放送をしていますが、それはさておき。
当時はこの案内が少し違ったようです。
最寄り案内される地下街が現在と異なっています。ただこの放送少し癖がありまして、
・2016年9月の時点では「ekimoなんば、NAMBAなんなん前」だったのが
・2017年4月に録音した今回の放送では「ekimoなんば、なんばウォーク前」となっており、
・2018年8月時点でまた「ekimoなんば、NAMBAなんなん前」になっている
のです。地下街の案内が更新されていたとは聞いたこともなく、一時的な変更だったのでしょうか。
ところで、心斎橋→なんば間は当時の放送でも若干早口だったんですね。そんな区間にとんでもない情報量の放送を入れてしまった現在のOsaka Metroさん、なかなかの無茶ぶりです。
大国町 → 動物園前間
「お客様にお願いします。歩きながらの位置情報サービスを利用したスマートフォンゲームなどは大変危険です。おやめください」
位置情報サービスを利用したスマホアプリの啓蒙放送が流れます。
マナー啓発からわかる当時の風俗というものもあるんですね。2017年当時、某ポケットに入るモンスターを歩きながら集めるアプリが大流行しており、位置情報ゲームをしながらの歩きスマホが社会問題となっていました。
さすがに名指しで止めさせるわけにもいかないのでぼかして放送しているこの放送。こういった努力は非常にツボです。
動物園前 → 天王寺間
ふつう英語放送は「次は~」の放送に続いて流れますが、終着駅到着時のみ到着放送に続けて "This is the final stop 駅名"(ここは終点、○○です)の順で流れるんでした。覚えていらっしゃいますでしょうか。
現行の放送にもぜひ見習ってほしい簡潔な表現です。
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処分する前の点検はしっかりするものですね。こんな発見があるとは思いませんでした。
また新しい未公開音声があればご紹介いたします。