227系和歌山線 4ヶ国語放送開始

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重い腰を上げて和歌山線・桜井線の車内自動放送を録音してきました。

 

導入から半年も経って急に録音に出た理由というのが

 

4ヶ国語放送導入

なんと区間全駅で日英に続き中韓の案内が導入されたというのです。

 

JR西日本では関空紀州路快速奈良線の列車をはじめ、一部の主要駅発着時に4ヶ国語放送を実施している例はありましたが、

全駅で流れるというのはJR西日本では初めての事例、日本国内でも近鉄に続き2例目です。これは録るっきゃねえってことで思い立ったが吉日、行ってまいりました。

 

 

youtu.be

 

放送の詳細

放送文の文字起こしは次の記事でご覧いただけます。

 

yatatetsu.hatenablog.com

 

 

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各言語で流れる放送は次の通りでした。

 

日本語

・列車の行き先案内(途中駅で長時間停車する場合も含む)

・次駅案内

・到着案内

・後部車両のドアの案内

・各駅到着時の後部車両のドアが開くかどうかの案内

・マナー啓発放送(始発放送に付帯)

 

英語

・列車の行き先案内(始発放送のみ)

・次駅案内

・到着案内

・後部車両のドアの案内(始発放送のみ)

 

中国語・韓国語

・列車の行き先案内(始発放送のみ)

・次駅案内

・到着案内

 

始発駅停車中に流れる放送を除いては、日本語以外の言語では次の駅名しか流さないといった感じです。

 

全文全訳ではなく、日本語で流す内容を10とすれば英語は6、中韓では3程度と流すべき情報を取捨選択して設計されています。

 

 

英語放送がけっこうおもしろいんです。

 

和歌山停車中の始発放送では

 

This is a Wakayama Line service bound for Kokawa, Hashimoto, and Gojo. We will travel to the Nara terminal via the Wakayama Line.

This train has no conductor. The doors of the rear car can only be used at some times of the day. Please use the front door of the front car.

When exiting the train, press the door beside the door to open the door.

We will depart shortly.

この電車は粉河、橋本、五条行き和歌山線列車です。和歌山線経由で奈良までまいります。

この電車には車掌が居りません。後ろの車両のドアは限られた時間帯しか利用できません。先頭車両一番前のドアをご利用ください。

降りる際には、ドア横のボタンを押してドアを開けてください。

まもなく発車します。

 

高田停車中の始発放送は

 

This is a Man-yo Mahoroba Line service bound for Sakurai, Miwa, Tenri, and the Nara terminal.

This train has no conductor. The doors of the rear car can not be used at unstaffed stations. Please use the front door of the front car.

When exiting the train, press the door beside the door to open the door.

We will depart shortly.

この電車は桜井、三輪、天理、終点奈良行き万葉まほろば線列車です。

この電車には車掌が居りません。後ろの車両のドアは無人駅では開きません。先頭車両一番前のドアをご利用ください。

降りる際には、ドア横のボタンを押してドアを開けてください。

まもなく発車します。

 

粉河、橋本、五条行き和歌山線列車」、「桜井、三輪、天理、終点奈良行き万葉まほろば線列車」のように、「○○行き○○線列車」のような案内になっているんです。

"service"を"train"と同義で使っている例は国内では非常に珍しいですよね。

 

また"This train has no conductor."のあとも、和歌山停車中と高田停車中で異なるのが面白いところです。105系時代の放送も和歌山支社と大阪支社が管轄する線区で違いがありましたが、どうやら227系にも違いがあるようですね。

 

駅名を二回読み上げる

次は大和二見、大和二見です。

 

The next stop is Yamato-Futami, Yamato-Futami.

(次の停車駅は大和二見、大和二見です)

 

下一站 大和二見, 大和二見。

(次の駅は大和二見、大和二見です)

 

다음 역은 야마토후타미, 야마토후타미입니다

(次の駅は大和二見、大和二見です)

 

日本語のほか英語、中国語、韓国語でも駅名を二回読み上げるようになっています。文法に縛られがちな日本ではたいがい型にはめて一回しか流さないことが多いため、これが意外と画期的なのです。

 

改善点

4ヶ国語放送が全駅で流れる時点で言語数は充実しており、その点はまったく問題ありません。さすが多言語放送に長けているJR西日本といえます。

 

ただ内容面では1つだけ改善してほしいと感じる場面があります。「前の車両の前のドアから降りる」という旨を各駅で流さない点です。

 

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始発駅停車中しか流さない場合、途中駅で乗って無人の途中駅で降りる旅客には情報が届きません。実際に「天理で乗って三輪で降りる」外国の方が焦っている場面も見受けられました。

 

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車内表示には

"To exit please use the front door of the front car"

「出るには先頭車一番前のドアを使ってください」

というスクロール文は流れるものの、なんとこれが駅に着いてからしか流れないためほぼ無意味な案内です。

 

"Go to the front door on the front car to exit the train."

「降りるには先頭車一番前のドアへ行ってください」

 

だけでも放送で流せないものかと思います。

 

韓国語の気になる誤訳

「次は〇〇」を表す放送について、韓国語の放送で

 

다음 역은(タウンヨグン)

 

という表現が用いられていますが、これは誤りで本来は

 

이번 역은(イボンニョグン)

 

直訳して「今度の駅は」と表すこちらの表現を用いないと、通じなくはないが違和感がある放送となるとのことです。

 

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まもなく105系をすべて置き換える予定の227系。

快速運用についた場合はどのような放送が流れるのかなど興味は尽きません。

 

また近いうちに。

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