近鉄から津田英治さんの声が消える日

JR東日本の「ATOS」連動放送などで著名な津田英治氏。

関西ではSUNTRAS型放送の環状・大和路線システムを担当されてきたほか、近鉄の各主要駅放送でも特徴的な渋いお声を聞くことができました。

 

でももう、近鉄でそのお声を聞ける日はそう長くはないかもしれません。

肉声を使用している自動放送は更新を避けられません。言わずもがな、人の声には限界があるのです。その時がついに来たようですね。

 

 

相次ぐ津田ボイスの放送更新

今年に入ってからというもの、近鉄の放送更新は留まるところを知りません。1月には尺土と古市で南大阪線の2駅が、2月に入ってからは河内松原、学園前、八尾、伊賀神戸と本線の駅でも更新が始まり、2月26日には大阪難波駅、生駒の放送が更新されていることが確認されました。

 

確かにダイヤ変更に備え、この時期に放送更新が行われることはよくあります。特に次のダイヤからは新型特急「ひのとり」が運転を開始しますから、そろそろ対応させる“ついで”で更新される駅が出てきてもおかしくありません。

 

ただ注目したいのが学園前、八尾、大阪難波、生駒の駅放送更新です。これら4駅ではもとむらみちこ氏が務める女声はそのまま、津田英治氏が担当する男声だけ更新される形で放送更新が行われました。

 

八尾駅の更新後の放送

 

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女声も含めて更新されていたのなら危険度はまだ低いのです。あの近鉄ですから、一気に全駅更新するはずがありませんからね。

しかし男声だけ更新されてきた、しかも「ひのとり」と関係がない八尾駅でも更新が行われてきたとなると話は別です。何らかの都合で津田英治さんの声を使い続けることが出来なり、急遽樹リューリさんの声で録りなおして突っ込んだ。そんなところでしょうか。

 

近鉄でまだ津田英治さんの声が残っている駅 and ぜひ録り納めたい案内まとめ

記憶にある限りで津田英治さんの声が聞くことができる駅をリストアップしました。

 

およそ4日ごとに更新の波が来て2駅ずつ更新されています。ダイヤ変更まであと16日ですから、このまま平均して4日おきに更新が来るとしたら4回×2駅、あとだいたい8駅で放送更新が行われることになります。

特急停車駅、特に「ひのとり」が停車する駅はあと大和西大寺、鶴橋、大阪上本町の3駅しか残ってません。この3駅はほぼ更新が確実と言えるでしょう。

 

プラスの考え方をすると、現在津田英治さんの声が使われている駅数は24駅(うち簡易放送2駅)。半分以上の駅はダイヤ改正を乗り越えることができると考えられます。

 

 

更新される駅の検討を出すにあたって注目したいのが特急の英語案内放送です。現在近鉄では英語放送の改善を行っており、特急では特急券が必要である旨の案内が次のように順次変わっています。

 

元 "To board a limited express train, a limited express ticket is needed in addition to a regular ticket."

    ↓

新 "To board a limited express, a limited express ticket is needed in addition to a basic fare ticket."

 

更新が確認されたのは

奈良駅のようにもともと女声放送のみで男声の更新が必要ない駅

・大和八木、名張などすでに放送更新を終えていて、同じく男声を更新する必要がない駅

・生駒や大阪難波のように男声の更新が済んだ駅

から順次新しい英語案内に変わっていることから、逆に現在英語放送が旧文言のままになっている駅は今後更新が見込まれます。ちなみに大和西大寺、鶴橋、大阪上本町はいずれも変更が加えられていません。

 

京都線

京都、竹田、丹波橋、大久保、新田辺、三山木新祝園大和西大寺

 

・東寺、向島は女声(もとむらみちこ氏)のみ。

 

録り納めポイント

丹波橋、大久保は案内復唱が残る旧型放送。どちらも放送できる内容や文言は同じなので、特急も停まる丹波橋で録るのが吉。

 

橿原線

大和西大寺のみ。

 

・平端は女声(もとむらみちこ氏)のみ。

 

奈良線

新大宮、石切、瓢箪山、東花園、八戸ノ里、河内小阪、布施、鶴橋、日本橋

 

大和西大寺、学園前、生駒、大阪上本町大阪難波は樹リューリさんの声に変更済み。

・奈良は女声(もとむらみちこ氏)のみ。

・新大宮は奈良行きのみ男声なので注意。

 

録り納めポイント

・平日限定、尼崎行き最終に連絡する東花園行き各駅停車は、大和西大寺でのみ男声で録音できます。その他の駅は女声放送です。

大阪上本町地下のりば限定の「地上ホームから出発する特急の予告放送」は録り逃したくないところです。

 

大阪線

高安、恩智(簡易)、西青山(簡易)

 

・鶴橋、八尾、伊賀神戸、桜井は更新済み。

・榛原は女声(もとむらみちこ氏)のみ。

 

録り納めポイント

・高安は案内復唱が残り、かつ両数後付けの貴重な旧型放送。わざわざ大和朝倉行きの新設に合わせて、当駅でしか使わない「朝倉行きの」の音声パーツも追加されました。

 

南大阪線

藤井寺のみ。

 

録り納めポイント

南大阪線の案内を津田ボイスで録音できる唯一の駅。更新されなくても録る価値あり。

 

けいはんな線

車内自動放送。津田英治氏が担当する最後の車内自動放送です。

 

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ぜひ心残りがないよう、しっかりと津田英治さんが担当されていたころの近鉄を記録しておきましょう。

 

駅放送更新の履歴

2/20 学園前の駅放送が男声のみ更新されていることが確認される。片方の声のみに手を加える放送更新は近鉄では初の事例。

2/22 八尾、伊賀神戸が続けて更新。伊賀神戸は全面的に放送が更新されたが、八尾は男声のみの更新に留まる。

2/26 大阪難波、生駒の2駅が男声のみ更新される。

2/28 布施駅の大阪線ホームが更新され下り列車は樹リューリ氏の声に。なお、大阪線ホームはもともともとむらみちこ氏のみが担当しており、津田英治の声は使われていなかった。

3/4 大阪上本町駅、地下ホームの津田ボイスが更新。

3/6 桜井駅の放送が更新。

3/10 大和西大寺駅の男声放送が津田英治氏から樹リューリ氏に。

3/14 ダイヤ変更当日。鶴橋駅の放送が男声のみ更新されました。

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