行き先や経由地、直通路線を表す表現

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この記事では、行き先や経由地、直通路線を表す英語表現をまとめています。

 

 

表現一覧

bound for「〜行き」「~方面行き」

最も王道な表現がこれです。アジア圏の鉄道路線で見てみると日本ではもちろん主流ですし、そのほか台湾高速鉄道、韓国の各鉄道会社、中国の地下鉄路線などでも聞くことができます。まさに“迷ったらこれ”です。

 

This train is bound for Tennoji.

この電車は天王寺行きです。(御堂筋線 車内放送)

 

bound forは方面を表す際にも使えます。

 

This is the Yamanote Line train bound for Ueno and Ikebukuro.

山手線の上野・池袋方面行きです。

 

heading for, headed for「~へ向かう」

あまり列車の行き先案内には使わないが、類似する表現なので紹介。人が「~へ向かっている」などの場合に使うことが多い。

 

Passengers heading for Kyoto should change trains at the next station.

京都へお越しのお客様は次の駅でお乗り換えください。

 

to「〜行きの」

こちらも王道の表現です。海外の鉄道ではよく使われています。

 

Platform 10 for the 15:28 Great Western Railway service to London Paddington.

10番線は、15:28発のグレート・ウェスタン鉄道、ロンドンパディントン行きです。(イギリス国内の駅放送)

 

This is the Osaka Loop Line train to Tsuruhashi, Kyobashi, and Osaka.

大阪環状線の鶴橋、京橋、大阪行き電車です。(大阪環状線323系 車内放送)

 

上記のように、種別は言わず「〇〇線どこそこ行きの電車」という時に適していると言えます。

 

for「〜行き」「~方面行き」

"bound for"でも出てきた"for"。これ単体でも「~行き」や「~方面行き」と表すことができます。

ただし使い方には注意

 

○正しい使い方1

This is the Tokaido Line train for Tokyo.

東海道線の東京行きです。

 

○正しい使い方2

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For Fukui, Kanazawa, Toyama

福井、金沢、富山方面

 

×誤った使い方

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227系側面表示のこれ。

日本語の「○○方面△△行き」のような「○○方面」で使う単語ではありません。後述しますが、そういう場合には "via" という単語を用いるのがふつうです。

 

toward / towards「~方面行き」

toとは違い行き先ではなく、方面を表すのに特化した表現。"s"が有るかないかで意味の違いはありません。好きな方を使ってください。

 

This is the Osaka Loop Line counterclockwise service towards Tsuruhashi, Kyobashi, and Osaka.

大阪環状線内回り(反時計回り)、鶴橋、京橋、大阪方面行きです。

 

For passengers heading toward Nakamozu, please wait on the platform.

なかもず方面へお越しのお客様は、ホームでお待ちください。(御堂筋線 車内放送)

 

(行き先)-bound「~行きの」「~方面の」

アメリカのニューヨーク地下鉄などで使われている表現。日本では聞きなれない表現ですね。JR西日本が2018年以降に導入した一部の駅放送、車内自動放送でこの表現が使われています。(稲荷駅宇治駅奈良線車内放送など)

 

An Uji-bound local train is about to arrive at platfrom 2.

宇治行き普通電車が、2番のりばに到着します。(稲荷駅 自動放送)

 

This is a Manhattan-bound D train.

マンハッタン行きD列車です。(ニューヨーク市営地下鉄 車内放送)

 

次のように、「○○方面○○行き」を組み合わせて使うことができます。ただし、この表現で「○○方面」を表してしまうと、行き先の部分で "bound for" が使えなくなる(一文中に "bound" が2つも含まれる不自然な文章になる)ので注意。

There is a Manhattan-bound Express 5 train to Bowling Green approaching the station.(ニューヨーク市営地下鉄 駅放送)

マンハッタン方面ボウリンググリーン行き、5系統の急行電車がまいります。

(直訳 →当駅に到着しようとしているマンハッタン方面、ボウリンググリーン行き5号線、急行電車がございます)

 

This is a Nagoya-and-Inuyama-bound Limited Express train to Gifu.

名古屋、犬山方面の岐阜行き特急です。

 

via「~経由」「~方面」

地名、路線名どちらの「○○経由」でも用いることができます。日本語の「○○方面△△行き」の「○○方面」にあたる表現もこれです。

 

The train arriving at track 7 is the Special Rapid Service departing at 13:15 bound for Tsuruga via Kosei Line.

7番線にまいります電車は、13:15発の新快速、湖西線経由敦賀行きです。(JR西日本 駅放送)

 

This train is the Rapid Express bound for Kobe-Sannomiya via Osaka-Namba.

大阪難波方面、神戸三宮行き快速急行です。(近鉄 車内放送)

 

and「~方面」

基本的に併結列車の行き先案内に用いられることが多い"and"ですが、方面を表す場合にも使えます。

 

The local train departing at 13:05 bound for Takarazuka and Shin-Sanda will be leaving from track 1.

13:05発の普通・宝塚と新三田行き(=宝塚方面新三田行き)は1番線から発車します。

 

on the (路線名) line「○○線の」

直通先路線を表す表現の1つ。「○○線のどこそこ行きです」と流す場合に使う表現。

 

This is a Semi-Express train bound for Kyoto-Kawaramachi on the Hankyu Line.

阪急線の京都河原町行き準急です。

 

先述の"(行き先)-bound"と合わせて使うと、直通先と経由地をスマートにあらわすことができます。

 

This is an Osaka-Namba-bound Rapid Express train to Kobe-Sannomiya on the Hanshin Line.

大阪難波方面阪神線の神戸三宮行き快速急行です。

 

through to, through service to「〜直通の」

もっとダイレクトに直通することを表現したいときの表現。

 

This is a local train bound for Shin-Sanda through to the JR Takarazuka Line.

JR宝塚線直通の普通、新三田行きです。

 

次のような表現もできます。

 

This is a local train bound for Shin-Sanda, through service to the JR Takarazuka Line.

JR宝塚線直通列車である、普通、新三田行きです。

 

コンマで区切って並列することで、「○○な△△」「○○である△△」と修飾することができます。

 

direct service to (行き先).「どこそこ行き直通」

直通運転を表すことができる表現です。種別を流すことはできませんが、行き先のみを流す場合に非常に効果的な表現となります。

先述のon the (路線名) lineと組み合わせればよりわかりやすい案内になるでしょう。

 

This is a direct service to Sakurajima on the JR Yumesaki Line.

JRゆめ咲線桜島行き直通列車です。

 

組み合わせ例:(路線名)-line-bound through service

「○○方面の」を表す"(行き先)-bound"と"through service to"を使うことで、次のようにあらわすこともできます。

 

This is a JR-Takarazuka-Line-bound through service to Shin-Sanda.

JR宝塚線直通列車の新三田行きです。

 

スマートにまとめることはできますが、この表現では種別は案内できません。

 

2つ以上の行き先の列車を併結している場合

A and B

The Kansai-Airport Rapid Service and Kishuji Rapid Service departing at 13:15 bound for Kansai Airport and Wakayama will be leaving from track 2.

13:15発の関空紀州路快速関西空港と和歌山行きは、2番線から発車します。

 

中学校でも習う"and"を使って並べる。最も王道の表現がこれです。

 

combine

↓の記事を参照

 

良い訳例

227系車内放送 普通・奈良行き

This is a Wakayama Line service bound for Kokawa, Hashimoto, and Gojo. We will travel to the Nara terminal via the Wakayama Line.

この電車は和歌山線粉河、橋本、五条方面行きです。終点の奈良まで、和歌山線経由でまいります。

 

学ぶ表現

☑"(路線名) line service"という表現。「○○線の電車」

☑bound forを行き先で早く方面を表すのに用いている。

☑終点を案内するときに"travel to ○○"「○○まで行く」を用いている。

☑終点(travel to ○○)と方面(bound for)を簡単に区別できるように、奈良には"terminal"をつけている。

 

悪い訳例

環状線の駅英語放送

The Kansai-Airport Rapid Service and Kishuji Rapid Service departing at 12:44 bound for Kansai-Airport will be leaving from track 1. This train will also go to Wakayama.

12:44発の関空紀州路快速関西空港行きは1番線から発車します。この電車は和歌山へも行きます。

 

兼ねてから関空紀州路快速で誤乗が相次いでいることは問題視されていますが、その一端を担っているのは確実にこの駅自動放送です。自動放送だけを聞くと「和歌山へも行く関西空港行き」になってしまい、関西空港行きと和歌山行きの併結列車だとは明言されていません。

 

改善例1

The Kansai-Airport Rapid Service and Kishuji Rapid Service departing at 12:44 bound for Kansai-Airport and Wakayama will be leaving from track 1. 

12:44発の関空紀州路快速関西空港と和歌山行きは1番線から発車します。

 

行き先をandで並列します。一番ありがちな放送文ですね。

 

改善例2

The Kansai-Airport Rapid Service departing at 12:44 bound for Kansai-Airport combined with the Kishuji Rapid Service bound for Wakayama will be leaving from track 1. 

12:44発の、紀州路快速・和歌山行きが繋がれている関空快速関西空港行きは1番線から発車します。

 

併結列車の項目でご紹介した"combine"を使う事例です。

より自然な日本語に訳せば、「関空快速関西空港行きと、紀州路快速・和歌山行きがつながって発車します」みたいな文章になっています。

 

異なる行き先の列車が併結されていることが分かりやすく表現されており、おすすめの表現です。

 

新快速 車内放送 湖西線経由敦賀行き

This is the Special Rapid Service bound for Tsuruga on the Kosei Line via Kyoto.

この電車は新快速、京都経由、湖西線敦賀行きです。

 

敦賀駅湖西線の駅になってしまっています。このような場合には、「京都方面」をviaで表すのにこだわらず、andで並べるようにすると解決します。

 

改善例

This is the Special Rapid Service bound for Kyoto and Tsuruga via the Kosei Line.

この電車は新快速、湖西線経由、京都と敦賀行きです。

 

東急の車内放送

参考

This train will merge and continue traveling as an Express on the Hanzomon Line and the Tobu Skytree Line to Minami-Kurihashi.

この電車は急行として半蔵門線東武スカイツリーラインに直通し、南栗橋まで運転を続けます。

 

参考

This train will merge and continue traveling as an Express on the Fukutoshin Line to Wakoshi. This train will operate as a local train on the Fukutoshin Line.

この電車は急行として副都心線に直通し、和光市まで運転を続けます。副都心線内では各駅停車となります。

 

東急さんが好んで使う"will merge and continue traveling"と言う表現。上で紹介していないということは、もちろんですがあまりよろしくない例なんです。

 

・行き先がどこなのかわからない

・今の種別もわからない

特に2つ目の例では「急行として副都心線に直通し和光市まで運転を続ける」と言っているのに、直後に「でも副都心線内は各停になるで」と流していて余計に種別が分かりません。

 

改善例1

This is an Express train bound for Wakoshi on the Fukutoshin Line. This train will operate as a local train on the Fukutoshin Line.

副都心線和光市行き急行です。副都心線内は各駅停車となります。

 

This is an Express train bound for Minami-Kurihashi on the Tobu Skytree Line via the Hanzomon Line.

半蔵門線経由、東武スカイツリーライン南栗橋行き急行です。

 

王道の表現だけで表現した例。

 

改善例2

This is a Fukutoshin-Line-bound Express train to Wakoshi. This train will operate as a local train on the Fukutoshin Line.

副都心線直通の急行、和光市行きです。副都心線内は各停となります。

 

This is a Tobu-Skytree-Line-bound Express train to Minami-Kurihashi via the Hanzomon Line.

東武スカイツリーライン直通の、半蔵門線経由、急行・南栗橋行きです。

 

「○○線直通の」で紹介した表現を使用した例です。

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