「22:39発普通は4番のりば。22:39発普通は運転を取りやめております」

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2020年12月5日。複線化工事に伴い、奈良線城陽~木津駅間で22時より運転を見合わせました。

 

奈良~木津駅間では、運休に関係ない大和路線の列車に加え、奈良線の定期列車も同区間で折り返し運転され、定期列車では存在しない大和路線システムの木津行きの放送も流れました。

 

 

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奈良駅で見る木津行き。新鮮ですね。

 

 

発車標では、奈良線の列車は京都へ直通で行く最終列車の22:08発の普通 京都行きが最終となっており、22:39発の木津行きは大和路線の列車として案内されています。

奈良線大和路線では列車番号の末尾1桁が違うため、本来木津行きの列車は奈良線の欄に表示されるはずなのですが、なぜか大和路線の列車として案内されています。

 

まさか奈良線は「宇治・稲荷・京都方面」、大和路線は「木津・加茂・伊賀上野・亀山方面」と書いてあるし、全区間大和路線を走っているので、大和路線の方の発車標に表示しよう…なんて機械が勝手に表示を移すわけはありませんし。謎です。

 

 

まあそれは置いときまして。問題の木津行きの列車の放送を聞いてみましょう。少し疑問符が浮かぶ放送に仕上がっていますよ。

 

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22時39分発、普通・木津行きは4番のりばから発車します。電車は6両で到着します」

(中略)

「お知らせします。22時39分発 普通は、運転を取りやめております。お急ぎのところ大変ご迷惑をおかけします」

 

自動放送によると、22時39分発の普通・木津行きが4番のりばから発車する代わりに、22時39分発の普通は運転を取りやめているとのこと。……意味わかりませんよね。

 

これは、運行管理システム上では定期列車の普通は運転が取りやめられ、同時刻に別の普通・木津行きが設定されていることを表しています。

 

同じ時刻に発車するのであれば、なぜ定期列車をいったん取り消して、同じ時刻の列車を設定しているのでしょうか。

過去に工事のため運休を行った際の放送に、その答えがありました。

 

 

 

おおさか東線の延伸開業工事に伴い、京橋~放出間が運休された折に、北新地駅で実際に流れた放送です。

 

「22:50発 区間快速京橋行きは1番のりばから発車します。木津行きの最終電車です。お乗り遅れの無いようにご注意ください」

 

木津行きの最終となる京橋行き。なかなかインパクトが強い誤放送です。

 

 

この誤放送がどのようにしてできたかと言うと、

まず22:50発の区間快速、5856C列車は、通常ダイヤでは確かに木津行き最終となる列車でした。行き先変更がかからなければ木津行き最終で間違いありません。

 

で、当日は運休に伴い京橋行きに変更されたわけですが、厄介なことにSUNTRAS型放送の最終案内は、駅で逐一設定しないといけない仕組みなのです。

その列車が京橋行きに短縮されても、自動で案内が変更されるわけではなく、列車番号が変わらず「5856C」列車であれば最終案内が流れてしまうんです。

 

この放送が流れた北新地駅では、行き先変更後も最終案内を設定したままにしており、

かつシステム上で列車番号が変更されず、定期列車の行き先変更のみで対応してしまったため、京橋止まりの木津行き最終ができてしまったという流れです。

 

 

これが原因か、その後おおさか東線の延伸開業工事が終わるまで、しばらく北新地駅は最終案内を消す事態になったわけですが、それはさておき。

 

こういった誤放送が流れる事態を防ぐため、最近JR西日本では、工事などにより定期列車の運転区間を短縮する場合、定期列車をいったん取り消して、同時刻に別の臨時列車を仕立てることがあります。

 

今回がまさにそのケースでした。運休案内も流れてくれたのでわかりやすかったですね。謎が解ってめでたし、めでたし。

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