祝:南大阪線の放送開始から1か月

みなさまいかがお過ごしでしょうか。

本日21日は何の日か。そう、南大阪線に自動放送が導入されてからちょうど1か月が経過する記念すべき日なんですね。

この1か月で自動放送は生活の一部と化し、車掌さんによって使い方の癖も出始めたころでしょう。


いまだわからないマナー啓発放送の収容量、なぜ入れられたのか分からない「名古屋」地区用のリュックサックの案内等々、まだ謎は多く残りますが大まかな全貌は解明されてきました。

自動放送はもともと存在した放送用のマニュアルに沿って用意されていること、同時に南大阪線の放送マニュアルがいかに緻密であったか。

この路線にしか存在しない放送パーツも様々あっていち沿線民として非常に楽しませていただいております。
非常に素晴らしい案内設備を導入していただき本当にありがとうございます。



さて、ここらでいったんデータベース的な何かを作ってまとめておきましょう。

今までに分かっていることをすべて書き記しておきます。ご参考までに。

副駅名

・河内天美:「阪南大学前」
・滝谷不動:「大阪大谷大学前」

それぞれ近隣の教育施設が副駅名として設定されています。


最寄駅案内


奈良線大和西大寺大阪上本町で最寄り駅案内が流れにくいと話題ですが、こちらはほぼ100%の確率で英語付きの案内が流れます。
上下線それぞれで確認しました。

こちらは旧来の放送マニュアルでも「四天王寺大学へは次で/この駅でお降りください」と流すようになっていたため、それを自動放送に引き継ぐ際、律儀に英語までついてきたパターンかと思われます。

通過駅案内

南大阪線でのみ確認できる不審物。

それぞれ通過する駅と、そこへ行くには次で乗り換えるようにとの旨が流れます。


上り列車
藤井寺:準急「高鷲、恵我ノ荘」
・古市:急行「道明寺から先、河堀口までの各駅」
・尺土:急行「磐城から先、駒ヶ谷までの各駅」
橿原神宮前:急行「橿原神宮西口、坊城、浮孔までの各駅」

下り列車
・河内松原:準急「恵我ノ荘、高鷲」
・古市:急行「駒ヶ谷から先、磐城までの各駅」
・高田市:下り急行「浮孔、坊城、橿原神宮西口の各駅」

…など。これだけでかなりの種類が存在します。他線区では一切存在しない案内にも関わらず

河内松原到着時、上り準急での案内はありません。

吉野口での乗換案内

吉野口ではJR和歌山線へ乗り換えができますが、和歌山線ICカード非対応ですのでその旨を流す放送があります。


次の吉野口駅でJR線にお乗り換えのお客様にご案内いたします。
吉野口駅からJR線内ではICカードはご利用いただけません。なお、ICカード簡易改札機は改札口にございます。

For passengers changing to the JR line at Yoshinoguchi station: the IC cards cannot be used in the JR line beyond Yoshinoguchi station.
The simplified ticket gates supporting IC cards are at ticket barrier.


…といった具合です。

停車中案内

確認できた使用駅は次の通りです。

普通:今川、河内天美、河内松原、古市、橿原神宮前
準急:古市、富田林
急行:古市、尺土、橿原神宮前

次の停車駅も関連して流されるため、使用駅は限られていると思います…が、こちらは使われることが少ないため全貌はわかっていません。

特徴としましては「この電車は吉野行き急行です。次は尺土に停まります」といった風に、始発駅案内とは異なり「近鉄を~」といった下り抜きでいきなり案内から始まる点です。
また案内される停車駅も次の駅までにとどまります。
(上り準急の場合は「途中藤井寺までの各駅と河内松原に停まります」で固定)

こちらも英語放送まで確認しています。

コラム

開扉方向が統一されていないとみなされている駅は次の通りです。

大阪阿部野橋、河内松原、藤井寺、古市、尺土、橿原神宮前、吉野口、下市口、六田、富田林
(富田林は河内長野方面のみ、下市口は吉野方面のみ)

以上の駅では列車によってドアの開く方向が左右するため、開扉方向を選択する必要があります。

まず意外だったのが壺阪山駅。深夜帯にこの駅折り返しの電車も設定されていますが、こちらが3番線固定ということもあってか「左側」が絶対に流れるようになっています。

そして同じく吉野線から下市口駅。いったいどの列車が右側の扉を開けるのかと調べてみると、平日夕方の六田行きだけが1番線に入るようで。

…六田行き以外、左側に固定してもいいのでは…(;´・ω・)


なお大阪阿部野橋ではのりばを流す必要があるため、基本的に自動放送で開扉方向の案内はしません。日英の案内が流れたのち、「到着は◯番線で両側の扉が開きます。なお左/右側の扉が先に開きます。ご注意ください」と肉声放送が入ります。

また足元の注意喚起を促す「電車とホームの間が広比べると開いています」という放送は、車掌さんが特別に設定しない限り汐ノ宮、薬水と大和上市でしか流れません。

種別が消える?!

この南大阪流の独自仕様はこれだけではなく、準急の車内放送にも色濃く出ている部分があります。藤井寺を出てからの放送が最も特徴的で、

近鉄をご利用いただき、ありがとうございます。
この電車は“河内長野行き”です。河内長野まで各駅に停まります。」

と、種別を言わずに行き先だけ言う放送が備わっているのです。


またこれが大阪線区間準急などでも見られれば「あ、駅放送に合わせはったんやなぁ」で終わるのですが、このように途中で種別が消えるという運転が見られるのは南大阪線のみと、なんとも摩訶不思議な設定でいらっしゃる。

今のところ確認できたのは次の通りです。種別なしの案内に変わる駅を発車すると、「近鉄をご利用いただき~」から始まる詳細な案内が必ず流れます。


下り準急:藤井寺以遠(全列車)

下り急行:橿原神宮前以遠(長野線の急行では古市以遠)

区間急行では同様の案内形態が見られないことも付記しておきます。



このように、南大阪線の車内放送は非常に謎の好待遇を受けているんですね。

残念ながら音質の悪い車両ばかりで収録には向いていないのですが…。
非常にもどかしい残念仕様です。


先述の通りこれらの放送は、肉声放送用のマニュアルを基に製作されたものです。特に通過駅の案内はその真骨頂でしょう。

日ごろから南大阪線の駅放送は詳しいと繰り返し発言してきましたが、どうやら詳しかったのは駅放送だけではなかったようです。

無くなってわかるありがたみ…。十分他線区と比べると詳しい案内だったんですね。


…ただ停車中の案内は他線区でも実施されていないわけではありません。

日常的に乗車していないためそれがマニュアル通り七日は不明瞭ですが、実際に収録した奈良線京都線の車内放送を聞いてみても、停車中の放送を行ってらっしゃる車掌さんはかなりの数が存在します。

気軽に流せる停車中放送、ぜひとも他線区への拡大をお願いしたいところです…!


それでは~!


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