丹波橋駅 自動放送概要(2016,11,02)


昨年の9月26日に投稿した動画から一年と少しが経過。

この長かったような、短かったような1年と2ヶ月の間に、近鉄では案内設備を始めとしていろいろな「常識」が変わりました。

車内放送の自動放送化、駅ナンバリングの導入、車両塗装の変更、、、今まででは考えられないことばかり。

その一環として行われたのが、もうみなさまご存知であろう駅案内放送の多言語化でございます。



「駅案内放送の多言語化」という小難しい書き方は止めて簡単に説明しますと、各路線の特に利用者の多い主要駅に粗末というか、簡単というか、そんな感じの短い英語での案内放送を追加するというものです。

近鉄京都線では京都、大和西大寺に次ぐ三位の乗降客数を誇る丹波橋駅も例外ではありません。

かつこちらは、またこれも観光客の多い京阪線との連絡駅でもありますから、その重要性から多言語案内が当然必要であると見做され、昨年末に英語案内が実装されました。


となると当然、噂になるのが「放送更新か」ーーと。

この駅の放送は案内復唱ありの旧型放送と呼ぶにふさわしい貴重なもので、同じ形式で作られた大阪上本町大阪阿部野橋駅では英語放送の導入に伴って放送を更新。

とすれば同様、ここにも更新の波が来た…


…かと思いきや、今まで通りの放送に英語が付いただけだったのです。


さらに最近になって駅名連呼も追加されましたが、同じくこれも後録りのパーツが載っかっただけ。

二度に渡る危機を乗り越えて、そして収録を迎えました。


なんとか放送の更新は免れましたが、油断は許されない状況です。

今回は記録という意味も込めて、朝ラッシュを中心に前回の2倍増しくらいで放送を収録しました。

前回よりも大幅に進化した放送集をどうぞお楽しみください!



放送は普通、準急、急行、特急の順に、京都方面に続いて大和西大寺方面のものが流れます。

基本的に手前の行き先から遠方へと向かって並んでいますが、天理行きなどの支線は後に回しています。


また「伊勢志摩ライナー」など列車名がある電車も同じく後に回しています。

今回も「しまかぜ」は収録していませんので、予めご了承くださいませ。
(※録音しに行った日が水曜日だったので、しまかぜさんは定期運休だったのです…悲しい(´・ω・`))


ここから下ではガンガンネタばらしをしていきますので、動画を純粋に楽しみたい方は後からのご覧をお勧めします。

絶滅危惧種の切り離し案内

まず前回の動画から進化した点その一が「普通の切り離し」を収録した点。

これは以前にTwitterのフォロワーさんから「新田辺切り離しの時に流れる放送が少し特殊」と聞いて、かなり待ち望んだ物だけに喜びがかなり大きかったものです(*´ω`*)


現在奈良線などで聞ける新放送では、奈良行きの大和西大寺での切り離し(※)を除いて

「この電車は◯◯で後ろ◯両を切り離します。先へお越しのお客様は前◯両にご乗車ください」

と共通で使えるようになっていますが、一部の旧型放送では切り離した次の駅を読み上げて「△△より先へ」と案内するものがございます。
※奈良行きの大和西大寺切り離しの場合には「新大宮、奈良へお越しのお客様は」となります。

丹波橋はちょうどそのパターンでして、新田辺で切り離す場合はその次の興戸駅を持ち出して

「この電車は新田辺で後ろ2両を切り離します。興戸から先へお出でのお客様は前4両にご乗車ください」

と流すのです。

この案内方式は放送更新の度に数が減っておりまして、絶滅危惧種とも言えるほど。

…興味のない方には「だからなんだ」で片付く話なのでしょうけど、我々はこういうところにしか興味が持てないのです。

準急の案内も収録

京都線ではあまり表立って出てこない準急。

今回はこちらの放送もきちんと収録しております( ・ω・)b


京都線では名古屋線と同じく準急の運転区間が固定されており、全列車が京都ー新田辺駅間固定で設定されます。

新田辺以南へ行く場合は新田辺から別の電車に変わります。大和西大寺方面からの新田辺行き各駅停車があるのはそれが原因だったり。



準急が日中を含めて中距離輸送の担い手として毎時4本以上運転されるような路線、たとえば奈良線大阪線南大阪線などでは、準急が各駅停車の区間に入った先の駅では種別を省略して「◯◯行きがまいります。◯◯まで各駅に停まります。」と流しますが、

京都線のように準急がラッシュ時の脇役としてしか設定されていない路線、もしくはされてこなかった路線では、不思議と準急は各駅停車の区間に入っても種別が省略されずに流されることがあり、丹波橋駅も同様に今まで変わらずにその形式を貫いています。

なお新田辺から普通に化ける場合でも自動放送は「新田辺行き準急」で、かつ化ける案内は丹波橋駅ではありません。

bound for キョウトコクサイカイカン

近鉄の簡単すぎた英語放送はかえって混乱を招く恐れがあると「個人的に」考えてまして、その最もたる例がこやつでございます。

何が問題かと言いますとその駅名、「京都国際会館」をそのまま読み上げてしまうのが問題なのです。

A local train bound for Kyoto-Kokusaikaikan is arriving at track 2.

近鉄京都へは行かない」ことを強調しないといけないはずの英語放送が、種別と行き先以外の何も述べない現状で、ついに「Kyoto」と言っちゃいますか、みたいな。

KyotoとKyoto-Kokusaikaikanの違いがわからない方にはほぼ同じところと勘違いされ、地下鉄に誤乗してしまう可能性がなきにしも。

まさか地下鉄に乗ったら別料金かどうかなんて判断できる方も少ないでしょうし…
Kyotoを省いて「Kokusaikaikan」とするとか、「近鉄線の京都にはまいりません」と流すとか…対策が必要だと思います。

伊勢志摩ライナー

少なからず賢島行きの特急が乗り入れる京都線では、ダイヤに関わらず1日に1本のみ賢島行きの伊勢志摩ライナーが、さらに平日ダイヤでは朝に1本奈良行きの伊勢志摩ライナーが設定されています。

きっちりこちらも案内復唱の形式を守っており、かつ英語での案内も流れます。



その他で言いますと日本語では「吉野行き連絡」の案内があるものの、英語では省略されます。

というのも京都駅では、きちんと「and connecting to a train for Yoshino」というパーツがありますので、丹波橋駅も持っているはず…なのです。

ですので「パーツは持っているが設定されていない」パターンと思われますが、何にせよあるならあるで流して欲しいところです。


それでは〜!


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