富田林駅 自動放送概要(2016,11,04)

富田林駅は、南大阪線古市駅から分かれて河内長野までを結ぶ「長野線」の駅で、古市から2つ目に位置します。

名前の通り富田林市の中心に位置し、乗降客数も万越えと著しい利用率で、且つこの駅から河内長野方面は単線のため、ラッシュ時にはこの駅止まりやこの駅仕立ての電車も1時間に複数本見られます。

2012年ごろまでは富田林駅で増解結を行う電車も設定されていましたが、「橿原神宮前と富田林行き準急」が無くなるのと同時期に増解結は古市駅に統一。

面白い放送がことごとく消えた今になってようやく録音に至りました( ˘ω˘ )

それではお聞きくださいませ。



放送は河内長野行きホームに続いて古市、あべの橋方面行きの放送が流れます。

以前は河内長野行きホームから出発するあべの橋行きが存在しましたが、現在は方面ごとに統一されています。

放送は丁寧語絶対、旧国名未対応の旧放送で、かつ「白線」の言い回しが色濃く残っています。

先着案内はございません。

偏りがちな連絡案内

富田林駅から乗車する方のほとんどがあべの橋へ向かいます。

このため連絡案内は古市駅での阿部野橋行きのみ流され、古市駅で橿原神宮前放送行きに連絡する場合も放送は流れません。(パタパタには表示されます)

近年になってから長野線からの通勤客を獲得するため、吉野方面からの特急が古市駅にも停まるようになり、それに伴って「特急に連絡します」という案内も追加されていますが、特急が全席指定という旨は流されず少し不親切な気も…。

なお古市で区間急行に連絡する場合も停車駅は変わりませんから、「急行に連絡します」と案内がなされます。

普通の途中停車駅

近鉄でも青山町寄り西側エリアでは、基本的に普通を「各駅停車」と呼称するため停車駅を読み上げることはありません。

ところが一部の線区では種別を省略することがありまして、それでいて終着駅が2つとなりだった場合にのみ聴けるのがこの特殊な例です。

これも近鉄の放送はかなり気まぐれなため、2つ先だからと言って必ずしも聞けるものではありません。
たとえば大和西大寺駅での奈良行きは「奈良まで各駅に停まります」ですし、この辺りは地道に調査するしかないのです…。


この駅では2つ先の古市までの電車に限り、「途中、喜志に停まります」という停車駅案内が流れます。

非常にまれな例ですので、他の事例をご存知でしたらぜひご一報いただけるとありがたいです。
(噂によると鵜方駅でも、賢島行きで同様の放送が流れる…とか。)

かつての名残り、乗り換え案内

先述の通り富田林駅ではかつて1番のりば、河内長野行きホームに到着し、そのまま折り返す電車が存在しました。

このため考えられる折り返しは…

①古市方のクロスから直接あべの橋行きホームに入る

河内長野行きホームに入り逆出発

河内長野行きホームに到着後、引上げ線で折り返してあべの橋行きホームに入る

の3通り。

しかし変に②を廃めてしまったものですから、少しおかしなことになってしまいまして。


富田林駅では1番のりばで使用されている男声に限り、「河内長野方面へお越しの方は降りたホームでしばらくお待ちください」と促す乗り換え案内が整備されているものの、2番のりば、女声ではパーツがないのか流せず仕舞い。

そこに本来1番のりばで折り返す電車も2番のりばで折り返しをさせるようになったため、乗り換え案内を流すに流せない状況が生まれてしまったのです…嗚呼、悲しかな(´・ω・`)

そもそも相対式ホームの駅には不向きな運転ですから、仕方ないといえば仕方ないのですが…。

「電車到着の際」

南大阪線の旧放送は高田市駅を除いて全て、「危険ですから白線の内側へお下がりください」、もしくは「黄色い線までお下がりください」を雑案内の後に流すようになっています。

ですから案内が複雑な場合、

「まもなく3番のりばにあべの橋行き準急が6両編成でまいります。
途中の停車駅は河内松原でございます。
この電車は河内松原であべの橋行き各駅停車に連絡します。
危険ですから白線の内側へお下がりください。」

と入ってしまい、純粋に読むと「河内松原で各駅停車に連絡するのが危険なので」白線まで下がれと聞こえる…というクレームがあったかはさて置き、確かに意味は通っても脈絡の無い文章なのは確かです。


これを改善したかったのか、この駅では当該の放送が「電車到着の際、危険ですから白線の内側へお下がりください」という一文で登録されています。

ただし駅から見えている引上げ線からの入線の場合は、その長くなった文章も相まって見事に「電車が止まる頃に白線まで下がれと流している」少し悲しい結果に…。


以上、富田林駅の放送についてでした。

南大阪線にはパーツだけ入れ替えて使い続けられている放送が多数ありますが、こちらは導入当初から追加された以外ほとんど変わっていない、珍しい例です。

過去を想うのにぜひ、富田林駅放送に浸ってみてはいかがでしょうか。


それでは〜!


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