旧、大阪市営地下鉄が駅放送を設計するうえで、特に力を注いでいたのが最終電車の予告案内放送です。阪急線が絡む堺筋線は特にその傾向が顕著で、阪急線内の最終列車の案内はもちろん、阪急線の最終電車と接続を行う案内なども用意されています。
①始発駅での最終電車案内放送を収録するため
(途中駅と始発駅ではわずかに内容が異なります。詳細は後述)
②北行き電車を女声で案内するため
また、最終電車の案内放送は、改札階・コンコースで流れるものと、ホーム階で流れるもので2種類存在します。改札階のものは3回流れ、英語放送も用意されていますが、改札階のものは2回しか流れない、かつ日本語のみの案内であるなど、内容は似通っていますが微妙に異なるのです。今回は2日に分けて収録することで、両方とも収集してまいりました。
収録内容
各列車とも、ホームで流れる5つの放送と、改札階で流れる出発予告放送を収録しています。
【ホーム階】
・接近放送「2番線に○○が到着します」
・到着放送「2番線に到着の電車は~」
・停車中放送「2番線に停車中の電車は~」
【改札階】
終電関係の出発予告放送は最初に改札階で流れ始め、そのおよそ1分後にホームでも流れるようになっていますが、今回の動画では順番を入れ替えて、ホーム階の最終予告放送を最初に収録しています。
本来は流れる順にご紹介するところですが、収録した列車のうち
上記の2列車は、電車が到着してから折り返すまでの時間が2分と短くなっており、しかもその間に4つの放送を流さなければいけない関係から、放送がひっきりなしに流れます。
途中でカットしてしまうと音声が不自然になってしまう恐れがあることから、あえて順番を入れ替えて収録しております。ご了承くださいませ。
途中駅と終点駅での案内の違い
最初のトピックからマニア向けの沼要素でございます。先述の通り、途中駅と始発駅では最終案内に微妙な差があり、次のポイントが異なります。
・途中駅
まもなく○○行きの最終電車が“到着します”。
・始発駅
まもなく○○行きの最終電車が“発車します”。
わずか1パーツのみの違いです。最終電車は、途中駅では「到着する」、始発駅では「発車する」ものと案内されます。
始発駅では折り返しとなるため、発車時間よりだいぶ早く到着するわけですから、到着時に最終の予告をしても意味がありません。冷静に考えると当たり前の違いです。
ただそれで流すタイミングを変えるだけではなく、放送文面を変えてきているというところが何かくすぐるものがあります。
ちなみに途中駅と始発駅では、放送が流れ始めるタイミングも異なります。
途中駅では、最終列車が前の駅に到着すると改札階での予告放送が、前の駅を発車するとホームでも予告放送が流れるようになっています。
これに対し、始発駅となる天下茶屋駅では、出発3分前に改札階での放送が始まり、出発2分前になるとホームでの最終出発予告放送が流れるようになっていました。
最終案内と付帯案内
各列車で流れる最終案内、最終接続の案内は次の通りでした。なお確認したのは平日ダイヤです。
23:26 北千里行き
23:36 北千里行き
北千里行き最終
淡路で、桂行き最終接続の高槻市行きに接続
23:56 淡路行き
淡路で高槻市行き最終に連絡
00:18 正雀行き
正雀行き最終
過去の動画 で収録した際と案内に変更はありません。
なお放送は「淡路駅で高槻市行きに、(連絡の高槻市行きは)高槻市駅で桂行きに接続」という形で放送しますが、実はこの桂行き最終は梅田始発の準急を指していますので、淡路で直接乗り換えることができます。高槻市行きを案内する必要はありません。変にややこしくしている点が残念です。
また23:56の淡路行きですが、なぜか接近放送では高槻市行き最終連絡である旨が放送されず、一般列車と同じ放送となっていました。