Fantastic signal (大阪線編)

 「信号におもしろさを求める」、ついに最終回です。
 
今回は近鉄の大動脈、大阪線から取り上げます。
最後にはおまけパートもございます。ごゆっくりご覧ください。
 

大阪上本町駅

上り 第二・第三場内信号

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◆第二場内
主信号 2基
 (内訳) 4灯式 2基
 
◆第三場内
主信号 6基
 (内訳) 2灯式 6基
誘導信号 2基(7,8,9番線のみ)
入換信号 1基
 
 
 - COMMENT -
大阪線を陰から支える大ターミナル駅大阪上本町駅の場内信号。
近鉄の櫛形ホームを持つターミナル駅では2灯式の場内信号が並ぶことがあり、この駅でもその方式を用いている。(ほかに大阪阿部野橋駅で同様の場内信号が見れる)
 
布施─上本町間では標識は横に長い長方形を用いた小さなものとなっているため、非常に視認性は悪い。
 
なお、第二場内と第三場内間に設置されている入換信号機は留置用のものである。
 

榛原駅

下り 場内信号

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主信号 3基
 (内訳) 3灯式 1基・2灯式 2基
誘導信号 1基
手信号代用 1基
 
 
 - COMMENT -
本線通過線側から順々にきれいに並んでいる。
誘導信号機は1番線にむけて設置されているが、榛原駅1番線で連結を行う電車は存在しない。
 
標識はかなり古いタイプのものが設置されており、フォントは新丸ゴが使われておらず、さらに3線分小さくまとめられている。
 

名張

3番線 上り 第二場内信号

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主信号 1基
 (内訳) 3灯式 1基
誘導信号 1基
 
 
 - COMMENT -
ホームの中ほどに設置されており最低限の設備のみ備えているが、設置位置の都合上背面板は設置されていない。
連結を行う電車もあるため誘導信号機が設置されている。
 
 
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 - DATE -
◆1線分あたり
入換信号 1基 (番線表示・誘導信号付随)
入換標識 1基 (番線表示付随)
 
 
 - COMMENT -
近鉄の車庫からの入出庫線には、本線へ入線する際に引込線で折り返すことが必要な場合、必ず並列して入換信号が2台設置される。ここ名張駅でも設置されており、それぞれ「9号線」「8号線」と番線も与えられている。
 

伊勢中川駅/中川短絡線

大阪方→下り 第一入場信号/短絡線場内

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 - DATE -
主信号 2基
 (内訳) 3灯式 2基
進路表示機 1対(中川方)
 
手信号代用 1基
 
 - COMMENT -
伊勢中川駅及び中川短絡線への場内信号。
 
短絡線内は単線で駅は当然ないが、なぜか「場内」として表記上は扱われている。
 
大阪方から来た電車は伊勢中川で4本の線路に入線できるが、設置されている進路表示機は3線分しか現示できない。

大阪方→下り 第二入場信号

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主信号 4基
 (内訳) 2灯式 1基・3灯式 2基・4灯式 1基
手信号代用 1基
 
 
 - COMMENT -
伊勢中川で最も多くの箇所に信号が集まっている場内信号ではあるが、これでも古市駅の2番線 出発信号機より少ないのは特筆すべき点だろう。
 
大阪側では大和西大寺でしか見れない設置方式ではあるが、三重地区では非常に多くの設置例が見られる。架線柱から枠を本線側へ向けて設置し、そこへ設置する方法で多数の信号を一か所にまとめている。
 
1番線から3番線に関しては、通過電車にも対応できるように青の灯火も備え付けられている。
 

伊勢方→上り 第一場内信号(6番に限り第二場内は無し)

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 - DATE -
主信号 3基
 (内訳) 3灯式 2基・4灯式 1基
 
 
 - COMMENT -
同じく三重地区独特の設置方法で設置されている。6番線に関してはこれ以降、場内信号が存在しないため「6号線場内」と表記されている。
誘導信号や手信号代用などは設置されておらず、非常にあっさりとしている。
 

伊勢方→上り 第一出発信号

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 - DATE -
◆5番線の場合 
主信号 2基
 (内訳) 3灯式 2基
手信号代用 1基
 
 
 - COMMENT -
3~6番線に関しては両方面への出発信号が設置されているが、一部番線からは発着する電車がないため、通常ダイヤでは使用されることのない信号機もある。
手信号代用は、設置されている番線にしても1基しか設置されておらず、異常時にはどちらかの方面へ乗り場ごとに固定になるようだ。
(同様に分岐駅である南大阪線:古市駅では、吉野方・長野方の両方面分の手信号代用灯が設置されている)
 
第一出発信号は駅の出発信号として、第二出発信号は短絡線手前に設置されている。
 

宇治山田駅

下り 場内信号

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 - DATE -
主信号 3基
 (内訳) 3灯式 1基・2灯式 2基
誘導信号 1基
 
 
 - COMMENT -
伊勢中川駅と同じく、三重地区特有の設置法を用いている。
 
宇治山田駅の場内信号では、近鉄では珍しい「下り」の表記がなされている。
 
出発信号において「上り」「下り」が使われる例は二上山駅、六田駅などが挙げられるが、場内信号においてはこの駅以外では見たことがない。
 


おまけ ちょっとした信号の違い

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
 
近鉄のちょっと変わった、非常に効率の悪そうな信号の大群、お楽しみいただけましたでしょうか?
 
 
本編も終わったことですので、ここで一つ小ネタを挟ませていただきましょう。
 
実はこの数々投稿してきました信号なのですが、各地区により背面板の設置について若干の違いがあったのですが、お気づきになられたでしょうか?
(これに関してコメントを頂いてたら申し訳ありません! 予約投稿なもので、そこまで柔軟には対応できませんでした…)
 
イメージ 11ざっとタイプ別に分けると次のように3種類に分かれます。
(灰色箇所は未調査もしくは未設置、若しくは独自のタイプです)
 
 
まず赤色の路線のものを見ていきましょう。
 


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赤色の路線の信号機では、基本的に誘導信号機・手信号代用補助灯のどちらも背面板が設置されず単体で設けられています。
 
 
視認性は大丈夫なのか…と心配な気もしますが、さすがに近鉄も「これはヤバイ」と感じたのか、誘導信号機のみLEDを用いています。
…が、榛原駅1番線の誘導信号を使う機会はあるのか。謎です(汗)
 
*画像内字幕が「名張駅」と誤ってますが、これで保存しちゃったので許してください(((( 正しくは「榛原駅」です。


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続いて青色の路線。
 
こちらは「南大阪線系統」独自の基準で設置しているのか、それともそれほど必要なほど多種多様な運用があるのか…まではわかりませんが、他線区と比べ異様なまでに1か所に信号が固まって設置されます。
 
 
こちらでは大阪線とは異なり両方に背面板が設置されており、さらに背面板を設置すると大きさが同じため、一見どちらがどちらかわからないほど似ています。


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最後に黄色の名古屋・三重地区ですが…こちらはどうも統一されてないっぽいです(汗)
 
駅によってまちまちですが、基本的には手信号代用補助灯には設置せず、誘導信号には背面板を設置する…が主流のようです。
 
1枚にどちらも収まってる画像はあいにく持ち合わせておらず、2枚に分けて掲載いたしました。
 
どうも保安設備として非常に重要な信号に関しては非常に消極的なようで、LED信号の数が最も少なかった印象があります…(汗)
 


…とこんな感じで非常に違いがあるみたいです。
 
これだけは言っておきます。
理由はわからん(ドヤァ
 
輸送を統括してるところが違う…だけだと「じゃあ南大阪線系統とそれ以外の路線で真逆なのはなぜだ」みたいな問題が出てきそうですし、理解できないです(((
 
 
こういうところ、もっとついていくと面白いことがわかりそうですね。
ただ私にはもう無理です。撮り鉄乗り鉄、音鉄、収集鉄…そこに「信号鉄」なる、前代未聞の分野まで研究しだしたらお金足りませんし…誰かお願いします(ぇ
 
 
以上、突発特別企画「Fantastic signal」でした。
 
それでは~
 
 
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