河内松原駅 自動放送概要(2017,03,05)

今回は河内松原駅の放送をご紹介いたします。

まずは河内松原駅についてから。

河内松原駅大阪府松原市の中心街に位置する乗降客数も比較的多い駅で、普通に加え準急が停車します。

1日を通して準急と普通の緩急接続が行われますので、この駅でそれぞれが連絡する旨を案内する駅放送は存在しません。

また遠近分離が徹底されている南大阪線では、この駅から先の10駅にはすべて各駅停車しか停まりません。準急はこの駅を出ると次はあべの橋です。

このことから南大阪線の利用者で知らない人はいないといっても過言ではない知名度を誇ります。


今回は地元民に愛されて止まない、超有名な松原駅の放送をお聞きいただきましょう。




一言でまとめると
The 昭和。

本当に関西私鉄が栄華を誇っていた頃の雰囲気そのままです。

案内は「ございます」の丁寧語が中心、警告も「白線の内側」と今まさに絶滅危惧種となりつつある案内がそのまま残っています。

これほど完璧な状態で残っているものも大変珍しく、放送の重要文化財にしてもいいくらいの逸品です。

昭和レトロを体現しつつも、案内の面ではまったく見劣りしないその高品質…たまりませんね(*´ω`*)


それでは放送の特徴をまとめて見たいと思います。ネタバレも多めですので、まずは一度お聞きになってからどうぞ。

放送の特徴

この駅の放送の特徴は何と言っても、南大阪線形式の旧型放送がそのまま残っていることです。

あべの橋行き各駅停車の放送がわかりやすいかと思いますが

接近放送「あべの橋行きがまいります」

到着放送「あべの橋行きでございます」

発車放送「あべの橋行き【各駅停車】が発車します」

と発車放送時のみ種別が入る点は、まさによく的を捉えていると言えるでしょう。

同様の現象は橿原神宮前や河内天美といった駅でも見ることができます。(ただし上りの各駅停車のみ)

細かいこだわりが関西私鉄の流儀

他にもこだわりは数多く存在しますが、その中でも近鉄が長らくこだわってきたポイントがここ!

当駅に停車する電車の接近時は「危険ですから白線の内側でお待ちください」、通過する場合は「危険ですから白線の内側へお下がりください」とキッチリしっかり使い分けるのが近鉄流です。

これは簡易接近放送でも用いられていた手法でしたが、惜しくも「黄色い線」に変わると同時に消えつつあります。

ちなみに地下鉄御堂筋線、中央線でも同様の使い分けが行われております。

後から追加されたパーツ

ほとんど完璧な状態で残っているとはいえ、やはり生き長らえるには多少の代償がつきもの。

この駅の放送では二か所、放送の追加が行われています。


まずはマナー啓発放送の追加。退避線側への列車接近時には、接近放送の前に「当駅改札内喫煙コーナーを除き、終日禁煙となっております。喫煙コーナー以外ではタバコをお吸いにならないよう、お客様のご協力をお願いします」と決まって一文が流れます。

声の違いから「あ、ここは後から追加されてるな」と感じた方も多いはず。


もう一か所が古市での連絡案内のうち、橿原神宮前行きの区間急行に連絡する場合です。

さすがに区間急行への連絡は想定外だったのか、この部分だけ低音の効いた後期のパーツが入っています。

ただほぼ違和感はありません。元から入っていたと言われてもわからないくらいです。


ちなみにこの駅の放送は、残念ながら切り離しの案内ができません。

たとえ古市で切り離しがあろうとも何も言いませんのでご注意くださいませ。

待ち合わせの案内

河内松原駅では待避線に電車が到着したのち、通過線側への電車の入線までに時間がある場合に限り、発車待ちを行う旨を放送します。動画中では一回のみ収録できました。

いちおうあべの橋行きでも時間に余裕があれば流れることは確認しております。
22時台か23時台に1回だけ流れていました…が、再収録の予定はないです…m(_ _)m

またこちらはPL臨の際に確認したことですが、この駅の放送には通過待ちの案内も入っておりまして、通過待ちをしてかつ準急の発車待ちをする場合には
「2番線を電車が通過します。しばらくお待ちください。2番線から富田林行き準急が先に発車いたします。しばらくお待ちください」
と流れます。

ここと古市だけの名物

意外や意外、近鉄全線を見てもここと古市でしか聞けないものが存在します。それが特殊な上り通過メロディ。

通常は透き通った電子音が2音交互に3回鳴るのみですが、ここと古市駅のみ少し籠った電子ピアノのような電子音が鳴るようになっています。

下り通過メロディは他駅と遜色がないのに、なぜ上りだけこれほどはっきりと差が出ているのやら…不思議ですね。


以上、河内松原駅の放送についてでした。

それでは~!


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