宮津行き急行と宮津行き各駅停車

今回ご紹介するのは、京都線の割と陰が薄いレア行き先、「宮津行き」の車内放送です。
 
 
まずは「宮津行き」についてご説明いたします。
 
近鉄宮津駅は新田辺から西大寺方に3駅進んだところに存在します。待避設備を有し、また車庫を併設する駅で本来は各駅停車のみが停車します。
 
ただし例外となる電車があります。それが「宮津行き急行」です。
 
 
朝ラッシュの終わりには車庫への返却を兼ねた電車を設定する必要がありますが、これらの回送を設定するとちょうど同志社大学の授業開始時刻、9時のちょっと前に興戸駅に差し掛かるため、便宜を図るため二本だけ「宮津行き急行」が設定されています。
 
これらの電車は興戸駅への学生輸送が主な目的ですから、新田辺より先の各駅、興戸三山木宮津の本来は急行が通過する駅にも特別停車を行います。
 
 
そしてその急行の前後に設定されているのが「宮津行き各駅停車」です。
 
宮津行き各駅停車は平日二本だけ設定されています。先述のように同志社大への学生を輸送するのが最大の目的ですから、どちらも授業開始時間に合わせて興戸駅に着くように設定されています。
 
 
これよりも録音が難しい「新田辺行き急行」も存在しますが、そちらは置いておきまして。
 
朝にしか設定されていない点、また宮津行き各駅停車に関しては平日にしか走らない点から、録音が難しい両列車。
 
今回は二つまとめて投稿いたしました。是非ご覧ください。
 
 


宮津行き急行

宮津行き急行は折り返し時間が短かったため、始発案内は収録できておりません。
 
京都駅と奈良駅では、満足な折り返し時間がないにもかかわらず乗務員を来た電車で帰らせるため、時間不足で始発案内を挟めない事がしょっちゅうです。
 
何とかこの辺りは改善をして欲しいところではあります。
 
 
停車駅は「新田辺から先の各駅」
 
この宮津行き急行は先述のように興戸駅への輸送が主になっています。
 
ですから駅放送は「興戸」を強調するため「…大久保、新田辺、興戸三山木に停まります」と流すようになっていますが、車内放送ではその意図が汲み取られなかったのか、「新田辺から先の各駅」でまとめられています。
 
駅放送で聞いただろうから良いだろうという形でしょうか。
 

宮津行き各駅停車

今回は貴重な2本のうち、10時台に運転されるほうで収録しました。この宮津行き各駅停車は新田辺始発で運転されます。両数は4両編成です。
 
同志社大の休講日に収録しましたので、雑音も少なくいい具合に録れているかと思います。
 
非常に短い区間の運転ですが、始発案内から宮津到着時の放送まですべて2ヶ国語で放送をされていました。
 
また携帯電話に関する啓発も入っているなど、なかなか詳しい案内になっています。
 

新田辺到着時の急行の放送について

宮津行き急行では通常の急行と停車駅が異なること、また宮津に急行が停まらないことから、新田辺到着時の放送が少し詳しくなっています。
 
具体的には行き先と停車駅(各駅に停まる旨)の放送なのですが、これに少し押さえておかなければならない語句が存在します。
 
この時に流れる放送では「宮津行きです」と行き先こそ流れるものの、種別が消えているのです。
 
もちろんこれだけ各線区で特色があるため路線によりますが、近鉄では優等種別が各駅に停まる区間では種別を省略することがあります。
 
大々的に行われている路線は大阪線の八尾から名張方面行きと、南大阪線藤井寺から古市方面行き、それから各支線ですが、車内放送で省略するのは支線と南大阪線くらいのもの。
 
京都線での省略はかなりの異例です。
 
 
京都線では通常種別の省略は行いませんが、ここでは大阪輸送管轄で一括製作しているのか、停車駅に続きここでも仕様が異なるようです。
 

宮津行き急行と宮津行き各駅停車を比較して

まずは宮津から先の重複しているほんの僅かな区間で結構ですので、この2つの電車をまず聴き比べて見てください。
 
宮津行き各駅停車には通常通り存在するのに、なぜか宮津行き急行では欠損している一点…といいますか、全駅で忘れ去られている案内にお気づきでしょうか。
 
 
そう、みなさまご推測の通り開扉方向の案内です。
 
 
先行導入された奈良線京都線橿原線天理線の各線区のROMでは当初、ホームが固定の駅でも開扉方向は組み込まれていませんでした。
 
それが全路線への拡大を控えた4月、大きく変わります。逐一案内が終わったのを見計らって流すという操作の煩わしさを解消するため、ホームが固定されている駅では「まもなく」の放送にあらかじめ組み込まれるようになりました。
 
もともとない状態に新しく追加したものですから、編集漏れがいくつか存在します。
 
宮津行き急行のこの区間もその1つで、新田辺より先の区間では開扉方向が組み込まれないままとなっているのです。
 
 
同様の編集ミスは他駅でもみられます。例えば西ノ京駅では日中に特別停車する急行に限り、西ノ京到着時の放送で同じように案内の欠けがあります。また竹田でも、かつて京都行きの電車に限り開扉案内が欠けていました。
 
確認できているものはすべて京都線橿原線に固まっているのがなんとも皮肉なところ…。
 

 
以上、宮津行き急行と各駅停車の放送についてご紹介いたしました。
 
目玉としてはやはり「興戸三山木にも停まる」という旨の案内ですが、この点はあまり強調されていないのが残念なところです。
 
しかし案内として過不足はありませんから十分でしょう。強いて言えば開扉方向さえ追加してくれれば…!
 
 
それでは〜!
Written by Yatatetsu ... All Rights Reserved