新快速、
毎ダイヤ改正で導入線区が増えているタブレット端末(iPad)を活用した車内自動放送ですが、仕様や放送文がどのように変化してきたのかをまとめておきたいと思い、備忘録として記事を作成しました。時系列を追って書いていきます。
新快速に初導入(2017年春)
タブレット端末を用いた自動放送が初めて導入されたのは新快速でした。
音声を直接入力するためのプラグも当初は用意されておらず、iPadを放送マイクに当て続けないと流せない欠陥仕様だったため、扱う車掌さんはほとんどおらず。さらに始発駅停車中の放送もありませんでした。
ちなみに今は自動放送を流す車掌さんこと増えたものの、タブレット端末と放送装置をつなぐプラグが整備されている車両は依然少ないままで、クリアな音声を狙う場合は整備済みの車両に当たるまで粘る必要があります。
・プラグが整備されている編成で録音した例
「カムカムおじさん」が話題となり、無くならない関空/紀州路快速の誤乗対策を迫られたJR西日本が導入したのが関空/紀州路快速のタブレット放送です。JR西日本初の4ヶ国語案内を採用し、大きく歴史が動いた出来事でもあります。
現在でも日中は半数以上の列車でタブレット放送が活用されています。
・普通電車等にも導入
その路線のフラッグシップ的な種別のみではなく、普通・区間快速・快速用の放送も用意されました。
・4ヶ国語放送が標準となる
京都停車中の放送は当然のように4ヶ国語放送、そのほか観光地最寄りの稲荷、嵯峨嵐山到着前も4ヶ国語放送が採用されるなど、中国語・韓国語の案内も積極的に組み込むように。
・声優変更
日本語、英語放送は一貫して同じ声優を起用していますが、中国語と韓国語の声優はこれを機に変更されています。しかも既存の放送パーツは新録せずそのまま使っているため、放送によって声が変わるぎこちない放送になっちゃいました。
・他言語放送時の駅名読み上げ回数変更
新快速、関空/紀州路快速では発車後や到着前の放送において次の駅を流す際、英語・中国語・韓国語放送でも日本語放送に倣って駅名を2回読み上げていましたが、この2路線に導入された放送では1回しか読まないようになっていました。
導入されたひと月後に駅ナンバリングの導入が決まっており、短期間で放送を更新しなければいけなかったため、スムーズにナンバリングを組み込めるよう最初から1回しか読まないようになっていたようです。
ちなみに奈良線の自動放送は当初、稲荷に臨時停車するみやこ路快速の放送を用意していなかったという重大な欠陥を抱えていたため、みやこ路快速では肝心の観光客が多い時期にまったく使い物にならないという代物でした。
稲荷臨時停車の放送は2019年のダイヤ改正から音声が用意されています。
■駅ナンバリング導入(2018年改正)
新放送は英語放送で駅名を2回読み上げていた路線でも1回しか読まず、駅名に続けてナンバリングを流す形に変わりました。
ただ
・駅名を2回読み上げる音源(旧放送)
・駅名1回とナンバリングを読む音源(新放送)
どちらを流すかは車掌さんが選べたため、ナンバリング導入後も旧放送を流すことができました。最近は聞かなくなりましたが今でも流すこと自体は可能なはずです。
・新大阪駅の乗り換え案内変更
・京都駅の乗り換え案内変更(内容が簡素化され、のりばを言わないように変更)
など、一部の放送が変更されました。
なお4ヶ国語での案内は用意されていません。
■大和路快速にも導入(2019年改正)
そのほか豆知識
補助パーツ 先着案内・連絡案内
滅多に使用する車掌さんはいませんが、タブレット放送の内容は車掌が一言も話さなくても大丈夫なくらいまでかなり充実しているようで、先着案内や連絡案内(快速→普通など)も収録されているようです。
・近江八幡で普通に連絡
などの補助案内を確認しています。
補助パーツ 「手を放す」か「離れる」か
「ドアから離れてお待ちください」
「ドアから手を放してお待ちください」
謎多き補助パーツでもかなり謎なのがこれ。「ドアに触れるな」という旨を表す放送が2種類存在します。こちらの放送は英語も用意されているみたいです。
Hozukyo or ほづきょー
The next stop is ほづきょう(棒).
We will soon be making a brief stop at Hozukyo.
嵯峨野線 保津峡駅の案内放送は、どういうわけか次駅案内のみ駅名の読み方が棒読みになります。到着放送は他の駅と同じく英語(っぽい)読みのため、どうしてそこだけ日本語読みを採用したのかが非常に疑問です。本来使う予定ではなかった音声が組み込まれているのでしょうか。