橿原神宮前駅にて流されている自動放送のうち、レアなものを数点録音しに行ったついでに撮影してきたもので、取材日は8月14日です。
今回は、普段はあまり見れない電車もちょっとだけ登場します。
録音してきた放送はこちらです:https://www.youtube.com/watch?v=tcsUe3lCSWY
ソラリーの不思議
未だ現役で活躍し続ける、近鉄のソラリー式発車標。
橿原神宮前駅ではそのソラリー発車標に、面白い更新ミス(?)をしているホームが1つだけあります。
それが橿原線 2,3番線ホーム。
「大和西大寺行き各駅停車」のコマを見てみると、どこが面白いか分かって頂けるかと。
なぜかこのホームでは2番のりばと3番のりばで、一部種別・行先のコマと停車駅のコマに内容が異なるものが存在します。
2番のりばでは「西大寺」、停車駅は「各駅に止まります」のみですが、3番のりばではきちんと「大和」が付けられており、停車駅に先着案内も存在します。
どうしてこのような違いが出てしまったのは不明ですが…一気に交換しなかったのはなぜなのでしょうか(笑)
無番線
番線も与えられてない点からして分かる通り、こちらのホームはほとんど使われません。
唯一使われるタイミングといえば、南大阪線からの団体列車などが停車し、1番線へ停車中の団体列車へ乗り換えを行う際に用いられます。
「…でも本当に滅多に使われないの?」、これだけが疑問でした。
滅多に使われないにしては、いつ見ても錆がとれているのです。
ダイヤにも載らないような、いわゆる「錆取り電車」と言われる隠れた電車が、本当は存在するのではないかと。
…21時27分ごろのことです。
1番線も、2番線も、3番線も、どののりばの自動放送も流れていないタイミングで、突如踏切の警報音が鳴り響きました。
その直後、名前もないホームにやってきたのは…こちらです。
「準急・あべの橋」の幕を出した留置電車。
惜しくも営業運転こそ行っていなかったものの、錆を取るため…かどうかは別として、このホームに入線する電車が存在したのです!
入る電車の存在自体があることはわかっていたものの、こんな夜遅くから早朝にかけて長時間止まっていたとは…逆に驚きです(笑)
一つ疑問も晴れて待合室に籠っていると…22時になろうかという頃、再び警報音が構内に鳴り響きます。
自動放送は…やっぱり流れてない。あれ…デジャヴ(((
ってことはだな。
名前もない番線を確認してみると…?
なんか 増 え て る し。
何とここにきて、二本目の留置電車が来たではありませんか!
続いてきたのは、あべの橋行き急行。翌日の運用に備えてここで留置されるんですね~。
別にこのホームに電車が入線すること自体は珍しいことではなかった…と。
この情景を見てる限り、そういうことになりますね(笑)
前から疑問だった「電車が入らないはずなのに錆がつかない線路」。
ネタを明かせば仮定が誤りで、実際は「電車が入ってた」んですね。
謎の回送
2,3番線で録音もしながらたまに1番線の状態も確認していたところ、21時40分ごろに特急が発車して以来、1番線のソラリーは「回送」と表示するように。
橿原神宮前駅の吉野方には留置線もありますので、別に回送が来ること自体はあり得ない話ではなく、むしろあって当然レベルのものなわけでして、注目すらせずに録音をつづけたり、構内の本屋に本を買いに行ったりして、新田辺行きの入線待ちで若干ゆったりしていたわけですよ。
表示されていたことすら忘れかけていた22時半ごろ、遠くでかすかに「まもなくぅ、1番線にまいります列車はぁ、回送電車でぇ、ございます。ご乗車になれませんのでぇ、ご注意ください。」と聞こえてきまして。
妹尾さんの放送だったため、「ああ、録っときゃよかった…」と後悔していたその時。
予想外の電車が目の前に、ゆっくりゆっくりと入ってきたのです。
…えーと……。 ドチラサマデスカ?
貨 物 電 車 が来ちゃうか…
こちらの電車、「モト90形」という(らしい)事業用の貨物列車で、主に南大阪線からの検査回送列車を五位堂までけん引するのが役目です。
南大阪線沿いには大規模な検査を行える検車庫がないため、4年に1度はこれでけん引して五位堂へ移動させないと、法律上走らせることができません。
ある意味南大阪線を陰ながらに支えているお方がこちらなわけです。
自分も見るのは初めてなもので、浮かれて大量にブレた画像を量産してしまいました…(笑)
するとこの「回送」は普段、存在しないんですね…。
横から見るとこのような構造になっています。
パンタグラフの設置の仕方が特徴的ですね~。
荷台にはもちろん台車も載せられていました。
小走りで先頭へ行き、前からも撮影!
この直後に発車していきました。
後追いでも撮影したものの、判別不可能なレベルまでブレているため控えさせていただきます。
こういう時、本当「運」って大事ですね。
新田辺行き 各駅停車
あまり存在を知られていませんが、終電間際に数本、橿神発の新田辺行きが存在します。
最初の1本目となるこちらの列車のみ、途中で京都行きに接続を行うとかなんとか…。
幕は京都駅でも見れるこちらです。
放送以外はそれほど珍しいこともないので、適当に写真に収めて2,3番線を去りました。
壺阪山行き
今回の目当ての品がこちら、壺阪山行きです。
終電間際という、行くに行けない時間帯に存在しているこちらの列車。
調べてみたところ、別にこれを録ってからでも帰れることがわかりましたので、思い切って撮影へ出ました。
電光掲示板ではこのような案内でした。
表示やソラリーでは種別は書かれていませんが、きちんと自動放送では「各駅停車」が付けられています。
どうせなら種別も表示すればいいと思うのは自分だけでしょうか…?
ワンマン対応していない3両での運転のため、この時間帯にも関わらず3両のツーマンで運転されます。
人件費的な面でも、もうじき廃止されるかもしれませんね…。
ブラウン管式発車標
以前は阿部野橋や大和八木でも用いられていた、ブラウン管テレビを用いた発車標。
最近は見なくなったため、消滅した…かと思いきや、橿原神宮前駅にて残存を確認しました!
追記:大和西大寺のほか、伊勢中川にもまだ残ってるそうです…。意外と残ってました((((
文字の雑さ等からして、先ほど挙げた2駅の物よりも古そうですね…。
設置されている位置からして、取り換えようにも大きさが合わず、放置されているパターンでしょうか…。
先頭車×中間車
その中の中間車におかしな部分があったので、ご紹介します。
へー……
近鉄でもこういうのやってたんだ…。
特急くろしお号でもこういった連結が多客期によく見れますが、近鉄で見るのは初めてかもしれません…。
(おまけ)往復乗車券
近鉄の往復乗車券は少し変わっておりまして、このように有効期限が行きと帰りで異なっています。
JRなどでは合算して有効期限が表示されますが、確かに近鉄など一日でいける路線の場合、片方は「当日限り」で大丈夫ですよね。考えられてます。
以上、橿原神宮前駅での撮影記でした。
それでは~