生駒駅 自動放送概要(2016, 01, 16)

今回は奈良線第二の乗換ターミナル、生駒駅の放送をご紹介いたします。



その長さと規模、地質の軟弱さから屈指の難工事と言われた「生駒トンネル」の奈良側口を出てすぐ、3面6線とケーブル線によって接続されている生駒駅

一日の乗降客数は5万人程度で、近鉄全体で見ても途中駅としては非常に多い部類に入ります。

ただでさえ利用者数だけでも多いうえ、奈良線を軸にけいはんな線生駒線、ケーブル線の計6方面から乗り入れがあるため、乗り換え客で常に駅構内は賑わっています。

奈良線ではこの駅での折り返しは存在せず、奈良方では隣の東生駒駅か、大阪方では東花園で折り返すのが通例となっています。


今回は乗換ターミナルとして名高い生駒駅の放送を、各放送ごとに事細かく解説したいと思います。

けいはんな線

声の主はなんとあのお二方

学研奈良登美ヶ丘延伸を期に東大阪線から「けいはんな線」へと姿を変えたと同時、各駅の放送も装い新たにメロディも華やかなものへと更新されました。

この近鉄らしくない新放送の声の主自体は、何と非常になじみ深い同じみのあのお二方なのです。



女声は馬場尚子氏、男声は樹リューリ氏。

大阪線新放送と全く同じお二方が起用されています。


行き先のみを復唱するところ以外に近鉄らしさを全く感じさせない放送ですが、やはり共通点と言うのは意外なところに潜んでいるものです。

車内放送もかつてのアーバンライナーと同じ津田英治さんですしね(*´∀`*)


おけいはんな線の放送については収録の都合、十和田湖様より音声をお借りいたしました。この場を借りてお礼を申し上げます。

十和田湖様のそのほかの公開音声はこちらから:

方面で変わる乗換案内

すべて同じ声を使っている放送ではありますが、それぞれ各方面別に乗換案内の行われる路線が大きく変化します。

まず奈良線ホームでは


■大阪方面から

新石切、長田、学研奈良登美ヶ丘宝山寺生駒山上、王寺、信貴山方面はお乗り換えです。


■奈良方面から

本町、大阪港、コスモスクエア学研奈良登美ヶ丘宝山寺生駒山上、王寺、信貴山方面はお乗り換えです。


このように方面別で、けいはんな線コスモスクエア行きの案内が変わっています。

これはお察しの通り「どこの物好きが大阪から生駒経由でコスモスクエアへ行くねん」という当然の摂理に従って放送内容を変化させているもので、この辺りの芸の細かさも近鉄らしいですよね…(*´ω`*)


さらにこの近鉄らしくない地名列挙の案内を突き詰めていきますと、次に引っかかるのが上下ともにしっかり刻まれている「宝山寺」でしょう。

生駒は山に囲まれながらも非常に発展していますが、これは古くから「宝山寺」の参道として栄えたこともあってのもの。今でも参拝者は後を絶ちません。

その歴史を物語るように、今も乗換案内には「宝山寺」が刻まれています。


もっと面白いのが「信貴山」も案内されているというところ。

かつて信貴山への足として王寺の1つ手前「信貴山下」駅から「信貴山」駅へと延びるケーブル線が存在しましたが、乗客数の減少から1983年に廃止されバスに転換、今はその用を河内山本から分岐している信貴線に託しています。

ですので、平成になってから導入された現在の新放送導入時に消されててもまったく違和感のない文言…なのですが、今も生駒には信貴山への足だった名残からかこの名が残っています。

歴史を重んじているのか、それとも何か重要な意味があるのか…どちらなのでしょう。



■王寺から

鶴橋、大阪難波方面は4番のりば、奈良、天理、京都方面は3番のりば、本町、大阪港、コスモスクエア方面は2番のりば、学研奈良登美ヶ丘方面は1番のりばからの電車にお乗り換えください。


王寺からの場合には共通でこの放送が流れます。

信貴山はもとより宝山寺方面への案内も消え去っており、地元の方の利用しかないだろうと割り切った考えのご様子で。

その割にはのりばも案内したりと最低限の気配りは忘れません。


駅放送で「ケーブル線にお乗り換えください」という案内も聞いてみたい気はしますが…笑

回送?当駅止め…?

10:47から入っている放送にご注目を。



駅の発車標では「回送」との案内でしたが、どうも回送らしくない案内をしておりまして…。

通例この放送では、回送なら「回送電車がまいります」と名乗りますし、かといって当駅止まりであれば「この電車はこの駅止まり」と明言するようになっています。

しかしお聞きになるとわかる通りそのどちらにも当てはまりません。そして同様の放送を流すものと言えば、大和西大寺駅の入庫電車のみ。

生駒線への送り込み回送接近時にのみ流れるもの…とかでしょうか。


以上、生駒駅の放送についてまとめました。

それでは~!


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