今回は生駒線の車内放送をご紹介いたします。
この路線では全列車がワンマン運転を行っており、車掌の乗務がないことから多言語案内放送の導入対象外となっているため、旧来の放送が残っている点が特徴です。
それではさらに詳しくその特徴を見ていきましょう。
乗り換えバイオレンス
「近鉄の乗り換えターミナルと言えば」。
でも実はこの路線の起点となる生駒駅もなかなか乗り換えターミナルとして重要な役割を果たしているんです。
ということはそれだけ乗り換え案内も多く、方面の案内が大雑把すぎることで名高い近鉄では異例の…
①大阪難波
②尼崎
③神戸三宮
④奈良
⑤新石切
⑥大阪港
…8駅仕立てで流されています。
生駒線からの電車ではケーブル線の案内がないにも関わらずこの量です。(いい意味で)常軌を逸脱しています。
到着時にはこれにのりばの案内まで付いてくるため、その様子はカオスそのもの。理解しようとしたら負けです…( ˘ω˘ )
「お出口」を案内する基準
一見不規則に見える流れ方ですがこれは、開扉方向が逆転する駅でのみ「お出口」を流しているためこのように不規則に見えるのです。
連続する場合に開扉方向を省略するのは、2014年ごろまで使用されていた肉声放送のマニュアルと同じです。
近鉄では相対式の途中駅が多いため、逐一左側と言わなくてもいいだろうという根端だったのか、今のようにくどく流すことはなく、特に各駅停車では始発駅の次でながしたらあとは知らんぷりが普通で、なおかつ当時は「お出口は〜側です」の言い回しでした。
大きな更新が滅多に行われないため、現存しない案内マニュアルの名残が今も残っています。
バスへの乗り換え案内
国内の鉄道では基本的に、対鉄道の案内は多くても対他の交通機関の案内は少ないのが一般です。
近鉄でもそれが普通ですが、この生駒線に限っては珍しく系列会社の近鉄バスへの乗り換え案内が盛んで、生駒線では東山で「近大奈良病院」への案内が、信貴山口ではその名の通り「信貴山」への乗換案内が行われます。
鉄道輸送は大規模ですと有利ですが、小規模の需要ではどうしても手が届きづらい欠点が否めませんから、そうなるとバスなどの交通機関が幅を効かせる出番です。
しかしせっかくその理想像を築いていたとしても、案内がなければ乗客に知ってもらうことができません。
その点でこの放送はかなり的を得たかゆいところを突いていると言えるでしょう。
地域密着型の運営モデルとして全国に広まってほしいですね…(*´∀`*)
機会があればぜひ乗車してみてくださいませ。
…私も機会があれば「東山行き」を収録にまた伺います。
それでは~!