大阪難波止まりの電車の放送で感じたことをつらつらと

近鉄さんが一念発起しておよそ1年、ついに満を持して今月全路線に整備された車内自動放送。

「あ、今日は戸閉予告を英語まで流す人だ」とか、「この車掌さん日本語しか流さない人…」だったりとか。
一喜一憂しつつ、毎朝の通学が非常に楽しくなりました。もうこの辺りから頭のねじがぶっ飛んでいるのは自明だと思いますので、細かいところは省きまして。


この車内放送、割と随所に誤りが存在するんです。

以前別の記事でご紹介した"elderly and disable passengers"などがその一端で、英語に詳しくなくても引っかかるところはところどころ存在するのですが。

今回はその中でも特に異彩を放つ例をご紹介します。
タイトルで分かる通り、大阪難波行きの大阪難波到着時の放送です。

でも本題を始める前にまずはこの件から。

そもそも聞いたことがない?!

この声が大多数を占めるはずです。それもそのはず。

さすが都会ということもあって、ホームの端に立てば隣の駅に停まっている電車が目視できるほど、日本橋大阪難波は非常に隣接しています。

距離にすると、その間たったの0.8km。
同一構内扱いの大和八木ー八木西口を除けば、指折りの短距離を誇ります。

そのわずかな間に
・この電車は次までで
・乗り換え路線も複数案内し
・開扉方向も流す必要がある
ことから、ROM更新で短くなった今でも英語付きではめったに流されることのない、非常に悩ましい区間となっています。


今回は運よく収録できましたので、そちらの方を文章でお読みいただきたいと思います。



ご乗車ありがとうございました。まもなく 大阪難波、難波です。この電車はこの駅までです。地下鉄線、南海電車と、尼崎、神戸三宮方面はお乗り換えです。
お忘れ物の無いようご注意ください。左側の扉が開きます。ご注意ください。近鉄をご利用いただきありがとうございました。

Thank you for taking the Kintetsu Railway. We will soon make a stop at Osaka-Namba, station number A-1. This is the final stop for this train.
Please change here for the subway and Nankai lines, Amagasaki and Kobe-Sannomiya.
The doors on the left side will open. Please be careful. Thank you for taking the Kintetsu Railway.



…これを聞いた瞬間、耳に違和感の塊を覚えたのですが、どうでしょう。
共感してくださる方はいらっしゃいますでしょうか。

まず最初に違和感を感じたところがこちら。

Thank you forはそんなにいらない

困ったことにこちらの放送は、日本語で言った内容は日本語と同じ語順で再度英語放送に、内容を一切省くことなく詰め込むのがルールらしく。

日本語放送でいうところの「ご乗車ありがとうございました」と「近鉄をご利用いただきありがとうございました」にあたる部分がどちらも"Thank you for taking the Kintetsu Railway."に変えられており、サンドウィッチする状態になってしまっています。

放送を長くしてまで感謝して、その代償で長すぎて流せないのなら…せめて1回流せば十分なのではないでしょうか。

We will soon make "a stop"

自明の通り、この電車は大阪難波で確かに「停車」を設けますが、その停車は単なる停車ではなく、後から補われているように"This is the final stop for this train."、つまるところ最後の停車、終着駅なわけです。

ならばここでは本来、京都駅や大阪阿部野橋駅などで用いられているように"We will soon arrive at the final stop Osaka-Namba."(まもなく終着、大阪難波に到着いたします)などが入るべきのはず。

しかし途中駅で「まもなく」と流すのと、まったく同じものを採用しちゃってます。
もう少しこだわってほしかったところ…。


…ちなみにこれは大阪難波のみならず、途中駅止まりとなる電車で「まもなく」しか流れない場合は必ずこれが流れます。
近鉄特急の橿原神宮前到着時の放送もこのパターンでした。

終点ではないと区別したいのはわかりますが、今のままでしたら2文目を聞くまで終着駅だと明言されない状態ですので、できれば改善が欲しいところ( ・ω・)

意味は分かるけど…?

最大のポイントがここ。乗り換え案内の列挙の仕方です。

Please change here for the subway and Nankai lines, Amagasaki and Kobe-Sannomiya.

…(;´・ω・)

やりたいことはわかるんです。文章に起こしたら考える時間もありますし。
ただ放送でこれはなかなか不適当ではないのかなと。

それならば聞き覚えのあるパーツ"trains to"を使って

Please change here for the subway lines, the Nankai lines, and trains to Amagasaki and Kobe-Sannomiya.

等にした方がいいのではないかと感じました。

「地下鉄各線、南海各線と、尼崎、神戸三宮行きの電車はお乗り換えください」
…どうでしょう、こちらの方が伝わりやすいのではないでしょうか。


大阪難波行きの放送を編集していて非常に引っかかった要素でしたので、特に細かく取り上げさせていただきました。

ここまでこと細かく案内する放送も関西では例がなく、なんでしたら近鉄さんが今後台頭する分野となるでしょう。

ぜひともやっつけ仕事で終わらせることなく、隅々までこだわって編集していただきたいものです。


それでは~!

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