しまかぜ号、車内放送

本日をもちまして、私やたてつのチャンネルは開設から5周年を迎えました。
これを記念し、ささやかながら皆様への恩返しということで、今回はかの観光特急「しまかぜ」の車内放送を録音してまいりました!

まずは列車の概要からご紹介いたします。


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「しまかぜ」は2013年より運行を開始した伊勢方面への観光列車です。
目的地への移動手段としてではなく、乗ること自体が目的になる電車をコンセプトに設計されています。

贅沢を楽しむ列車としては値段が手頃で、日帰り旅行に最適な設定だったことから大きな話題となりました。


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車内に通常の座席設定はなく、プレミアムシートと個室のみで構成されています。

車内では沿線名物や季節の品を使った車内販売や、伊勢エビや松阪牛など三重の特産品を使用した軽食を提供しており、こちらも車内で待ち列が形成されるほどの人気です。

近鉄の狙いは的中し、運行開始から四年目を迎える今でも満席で走ることが多く、特に夏休みなど長期休暇の期間にはきっぷの取得がたいへん難しくなっています。


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「しまかぜ」は大阪難波発着便、京都発着便と名古屋発着便が運転されていますが、今回は大阪難波から賢島行きと、その復路を収録してまいりました。

現在近鉄は「しまかぜ」の車内放送とチャイムメロディを収録したCD、「観光特急しまかぜチャイムメロディ」を発売しております。ですので私も収録する予定はまったくなく、いつか観光に乗れたらいいなー程度に考えてました…がしかし。

先般の自動放送導入を受けて「しまかぜ」でもROM更新が行われ、現在は4ヶ国語での案内が流れるようになり、CDのものでは聞けない放送ができてしまったのです。


今回は案内放送にこだわり、すべての自動放送を収録しております。

近鉄の威信をかけた特急の車内放送をお聞きください!



「しまかぜ」はご存知の通り、近鉄の顔ともいうべき観光列車です。通勤列車と異なり収録環境が大きく異なります。話し声などの雑音は入って当然のものです。

そういった環境の割には雑音も少なく、うまく収録できたかなというところです。


「しまかぜ」の感想

今回は放送をデッキで収録したため、乗車時間の大半を座席でゆったりと過ごすことなくデッキで立ち尽くすという、非常に時間とお金と労力の無駄ともいうべきことをしていました。

正直に言います。
たとえあなたが自動放送や車内メロディに関心のある方だとしても、こんなバカみたいなことをせず、純粋に乗車を楽しんだ方が何百倍も楽しめます。確実です。保証します。


空調は絶妙にちょうどいいが追求された快適な温度。

シートは体全身を包み込んでくれるような、「プレミアムシート」の名に劣らないやわらかい座席。

多種多様な地域特産品を活かした車内販売。味もかなり良いと伺うカフェ営業ももちろん見逃せません。


これほどまで乗って全力で楽しめる要素があるのに、車内放送ごときに固執する理由やいかに。

…本当、途中で悲しくなりましたもん(´・ω・`)


「しまかぜ」の放送に対する感想

日英の2ヶ国語、必要がある箇所では中韓を含めた4ヶ国語での案内を完璧にこなしています。

さすがの一言でした。丁寧で過不足ない案内だと思います。

まさか記念乗車証に関する内容まで自動放送に言及させるかと。非常に感心する点が多かったです。

案内放送に定評がある近鉄さんならではの素晴らしい逸品でした。
案内の質については本当に申し分ありません。


ただ実際に乗車してみて、ここは改善して欲しいかなーと1点だけ感じたところを挙げさせていただきます。

しまかぜでは駅停車時にピアノ伴奏の音楽が流れるようになっており、車内の雰囲気を明るく演出し、特別感を引きてるのに一役買っています。
こちらはまったく問題ありません。素晴らしい取り組みだと思います。

しかし駅発車後、そのピアノ伴奏がブツっと途切れて急にアナウンスが流れ始めるようになっているのです。

できればピアノ伴奏をフェードアウトさせるか、何かしらのチャイムメロディ、それこそアテンダントさんの放送の前に流れるショートバージョンの「真珠」を入れるなどして、区別できていたらもっといいかなーと個人的に感じました。

乗り換え案内は一部駅のみに限られています

しまかぜ号では一般車と異なり乗り換え案内が一部のみに限られています。

たとえば大阪難波行きでは鶴橋にてJR環状線の乗換案内が行われますが、賢島行きでは行われません。

また伊勢市でJR線への乗り換えができますがその案内がなかったりなど、一般車や通常の特急との差異は多数認められます。

観光案内について

先ほど一切不満はないと書かせていただきましたが、唯一不満があるとすると観光案内がかなり適当にしか行われないというところです。

車内自動放送で行われる観光案内といえば斎宮駅通過時の斎宮平安の杜のみ、それも日本語のみです。


たとえば伊勢市での外宮最寄り駅案内や鵜方での志摩スペイン村への下車案内、ほか大阪上本町到着時にたまに流れると噂の新歌舞伎座シェラトン都ホテルあべのハルカスへの案内は、せっかく多言語案内に対応している自動放送では一切ありません。

せっかくタブレットに音源のあるものも多いのですから、追加されてみてはいかがでしょう…。

「しまかぜ」をご利用いただき~」が流れる条件

賢島行きでは伊勢市以遠、大阪難波行きでは大和八木以遠の各駅到着時に「近鉄特急しまかぜをご利用いただきありがとうございました。」、「Thank you for taking the Kintetsu Limited Express SHIMAKAZE.」と日英で流れるようになっています。

降車客が多い区間を狙って流すあたり、芸が細かいですよね(*´ω`*)
近鉄さんのこういう細かい配慮、大好きです。

ただし中韓の放送では同様の文言はなく、「即将到达○○」(まもなく~に到着)、「이번 역은 (駅名) 에 도착합니다.」(今度の駅、~に到着します(?))のみが流れます。

また放送のみに注視して実際に乗車してみた感想として、終点駅到着時も割とあっさり終わる印象が。

「またのご利用をお待ち申し上げます」と自動放送で流してもよろしいのではないでしょうか…?

反省点

今回の反省点として1番大きいのが、スピーカーがある席番を把握していなかった点です。


それゆえ全区間の放送を、デッキで無理やり録音させていただいたわけですが、スピーカーのある箇所が当然通路のど真ん中になるため、たとえコードを伸ばして端まで引っ張ったとしてもかなり目立ってしまうんです。

(今回は乗務されていた車掌さんが本当に理解のある方で、放送が流れるタイミングを教えてくださった上で「通路を塞がなければ構わない」と快諾をいただきました)


またデッキのスピーカーは音質もあまりよろしくなく、高音域と低音域に弱いようで音割れがずっと続いているような感じです。

こういう事情もあり「しまかぜ」のデッキでの収録はまったくお勧めできません。あとは客室に戻った際、アテンダントさんにおしぼりを配られる際にもれなく冷たい目でみられるので、Mっ気のある方以外は控えた方がよろしいかと存じます。



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というわけで近々、今度は観光特急を観光目的で再度利用させていただきたいと思います。

今度こそは車内のカフェを利用したいところですね…(*´ω`*)


次の記事では「しまかぜ」の車内放送文を一覧形式にしてご紹介いたします。

それではー!

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