天王寺駅の優れた手作りサイン集

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環状線の南の玄関口、天王寺駅

この駅では数年前から、1人の駅員さんの趣味と思われる凝られた手作りサイン(野良サイン)が登場しだしました。

現在天王寺駅では、東口(都ホテル側)のリニューアル工事と、そこからつながるこ線橋の耐震工事を行っています。

今回はそちらで作品展のように掲出されている、駅員さん愛がつまった手作りのサインをご紹介したいと思います。

改札前

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改札前には各路線の停車駅とのりばを一覧にした図表が掲示されています。

英語表記が出されている点もさながら、右下に関西空港への案内がしっかりと載せられている点が高得点といえるでしょう。

総合情報版としての役目をしっかり果たしています。

こ線橋

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各のりばにつながる階段にはそれぞれ路線名と方面が記載された、正規のサインに限りなく寄せた手作りサインが設置されています。

初めて見たときは正規サインかと見間違えたほどです。
列車名の書き方も正規のサインに非常に近くなっています。

フォントがWindows付属のものであるという点を除いて、遜色はほとんどないといえるでしょう。


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それを表すかのように、実は同じ個所にこのような仮ののりば案内が設置されていましたが、先ほどの2枚のうちの上の写真を見ていただくとわかる通り、天井部への鉄骨の増設とともに移設されることなく撤去されています。

手作りサインが本家の仮のサイン以上の仕事を果たし、そして撤退に追い込むという逆転現象が発生しているのです。


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というのも、設置されていた仮サイン類はのりばと方面しか書かれていない(路線記号の類が一切かかれていない)粗悪品で、せっかく設定されているラインカラー類がまったく意味をなさないという状態でした。

現在は、鉄骨の増設も行われずラインカラーがないことによる影響が最も少ない、11番のりばへのこの箇所にのみ仮サインが姿を残しています。



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そして階段から上がった正面には、各乗り換えと出口を記した、これまた完成度の高いサインがお出迎え。

こちらもまた正規のサインシステムと同じく、出口の表記は日英中韓の4か国語で行われています。(「東」の字形が異なる東出口のみ、中国語も別個に書かれています)


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実際に設置されているサインシステムと比較すると、そのわかりやすさは一目瞭然。

フォントの都合上、どうしても文字の大きさにばらつきがみられますが、のりばとラインカラーから一目で情報が分かるよう、非常に工夫されています。

阪和線との連絡通路

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阪和線からの連絡通路付近にはこのように、エレベーターの位置のみを記載した案内が存在します。

11番・12番のりばへのエレベーターは画面の左手に見えるものです。正規サインであれば「↖」で済まされそうですが、通路の形状に従ってくねくねと曲がっているあたりが、野良サインにしかできない芸当というところで非常におもしろいですね。





以上、駅員さんの熱がこもった様々な手作りサインをご紹介してきました。


天王寺駅の手作りサインが優秀なところは「既存のサインシステムには極力手を加えない」というところです。

他駅では既存のものにべたべたと貼り付けるせいで、見栄えが悪くなってしまうことが多いものです。

ところが天王寺駅では「既存のサインシステムとは別に用意する」という取り組みを行っています。
情報量は増えるが既存のサインシステムを一切崩さないため、通常のもののよこにより詳しいものがあるという位置づけですから、非常に見やすいのです。

いち利用者として、非常にわかりやすく工夫されてるなと感じます。


ただこのことから、逆にこの手作りサインも永続的なものではないという考えもできます。


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天王寺駅の耐震工事、リニューアル工事は来年春の完成をめどに行われています。

来年の春以降には、上の写真のようにきちんと整備されたサインシステム類が整うわけですから、当然手作りサインの出番は大幅に減ります。

いまのうちに楽しんでおかないと…ですね!



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また耐震工事が終わりましたら、これら旧型サインシステムも一気に撤去が進むものと思われます。

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特に各階段に設置されている内照式の乗り場案内は撤去されるでしょうから、記録はお早めに!


後悔する前に記憶に収めておきましょう。




それでは~!


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