京都駅で切り離しをする新快速の放送

下呂行きの収録に行ったところ、下呂行きなんてどっちでもいいくらいの収穫が録れました。

 
 
平日朝ラッシュの一番混み合う時間帯も終わりに差し掛かるころ、京都駅では2本の新快速が切り離しを行います。
 
1本目が8:18発湖西線敦賀行きと8:20発米原行きの併結列車、2本目は8:46発の近江今津行きです。
 
1本目は平日朝にしか設定がない併結列車として非常に有名ですね。ご存知の方も多いでしょう。
 
 
先発列車との間隔も十分あいており録音は容易に見えますが、ご存知の方も多い通り、こういった複雑な案内が必要な列車では、京都駅の自動放送は正常に流れないことが多いのです。予告放送を流さなかったり、接近放送が簡易接近放送になったりがよく発生します。
 
今回はこれら2列車の接近予告放送を偶然フルで収録できましたので、どのような点が他の列車と比べ特殊であるかを見ていきたいと思います。
 

併結新快速

網干始発、前側4両敦賀行きと、後ろ側8両米原行きを併結した新快速です。京都駅で切り離しを行います。
 
2018年のダイヤ改正までは前後が逆で、前側8両が米原行き、後ろ側4両が敦賀行きとなっていました。東海道山陽線の新快速は米原方に4両、姫路方に8両編成で12両となっているのが普通で、この列車のみ編成が逆になっていることから遅延時の扱いが面倒だったのでしょうか、今年から順番が逆になっています。
 

放送文

8時18分発、①新快速・敦賀行き、8時20分発、新快速・米原行きは0番のりばから発車します。
敦賀行きは白色△印の1番から4番、米原行きは白色△印の5番から12番で2列に並んでお待ちください。
 
敦賀行きの停車駅は、②山科大津京比叡山坂本堅田近江舞子近江舞子から敦賀までの各駅です。
米原行きの停車駅は、②山科、大津、石山、南草津草津、守山、野洲近江八幡能登川彦根です。
 
The Special Rapid Service departing at 8:18 bound for Tsuruga and the Special Rapid Service departing at 8:20 bound for Maibara will be leaving from track 0.
 
Boarding locations of the train bound for Tsuruga are indicated by white triangles and numbers 1 through 4. For Maibara: numbers 5 through 12. Please form two lines to board the train.
 
The train bound for Tsuruga will be stopping at Yamashina, Otsukyo, Hieizan-Sakamoto, Katata, and every station between Omi-Maiko and Tsuruga terminal.
 
The train bound for Maibara will be stopping at Yamashina, Otsu, Ishiyama, Minami-Kusatsu, Kusatsu, Moriyama, Yasu, Omihachiman, Notogawa, (③and) Hikone before arriving at Maibara terminal.
 

 
①「湖西線」の案内がどこにもない
通常、別路線経由の列車の予告放送では通常の放送文と違い「次に~に参ります電車は、~発、~です」の構文が用いられます。
通常の放送文と異なる構文で放送を流すことで違和感を持たせ、放送により注目してもらうというのが狙いなようです。
 
ところがこの列車の接近時はなぜか湖西線経由であることが区別されず、放送も通常の列車と同じ文章のままです。
 
これは敦賀行きと米原行きの前後が入れ替わる前から同様でした。
 
 
 
②1回の予告放送で同じ停車駅を2回聞ける
この列車は分岐駅の手前で切り離し作業を行うため、1回の予告放送で「山科」が2回出てきます。
 
解放する駅が分岐駅より手前という電車はそれほど多くなく、かつ分岐駅が停車駅になっている電車は全国でもかなり数が限られるはずです。SUNTRASが案内する列車もおそらくこの列車のみと思います。
 
③and脱落
これも前後が逆になる前から同じで、かつ京都以外の駅でも起きています。なぜかHikoneの前のandが脱落してしまうんです。
 
通常の米原行きの放送では起きていない点も不思議です。
 
 
実はSUNTRASでandが脱落する事例は少なくなく、先着案内でも流す駅名が5つを超えるとandが抜け落ちます。
 
 
永い間プログラムの改修も行われていないようです。ずっとこのミスが残っています。
 
つまるところ「通じればいい」で止まっているのでしょうか。
 

8:46発 新快速・近江今津行き

同じく切り離しを行うのが先ほどの列車のほぼ30分後に設定されている新快速、近江今津行き。琵琶湖線の列車を併結しているわけでもなく、単純に京都で付属編成の切り離しを行う少し珍しい電車です。
 
しかも切り離されるのは後ろ「4両」。8両と4両が逆になっている点からも非常に興味深い設定となっています。
 

放送文

8時46分発、新快速・湖西線 近江今津行きは0番のりばから発車します。
約3分遅れて運転しております。ご迷惑をおかけしますが、しばらくお待ちください。
 
白色△印の1番から8番で2列に並んでお待ちください。
 
停車駅は、山科、大津京比叡山坂本堅田近江舞子近江舞子から近江今津までの各駅です。
 
The Special Rapid Service departing at 8:46 bound for Omi-Imazu will be leaving from track 0.
This train is now operating approximately 3 minutes behind schedule. 
Please be patient. We apologize for any inconvenience.
 
Boarding locations of the train bound for Omi-Imazu are indicated by white triangles and numbers 1 through 8. Please form two lines to board the train.
This train will be stopping at Yamashina, Otsukyo, Hieizan-Sakamoto, Katata, and every station between Omi-Maiko and Omi-Imazu terminal.
 

 
こちらも経由路線なしの電車と同じ構文で放送が作成されています。どうやら切り離しが絡むと作業を行う駅では経由路線が完全無視されるようですね。
 
そのほかは特に変哲も無い切り離しを行う列車の予告案内放送です。
 
切り離し案内時は両数の案内がカットされ、そのまま乗車位置の案内につながるようになっています。
 
遅れの案内が入り余計にぎこちない感じに仕上がっていますね。
 
 
この電車が発車して6分後に新快速の長浜行きが迫っており、今回のように遅れてしまうと後続の列車も遅れてしまいかねません。
 
いつまで存在するかわからないという点で少し不安な列車です。
 

 
以上、京都駅の切り離し案内放送でした。
 
切り離しを行う列車では湖西線経由であることが案内されなくなる等、非常に興味深い特異点も見つかりましたね。
 
こういった変則的な放送に限って流れにくいというのも、興味と収集欲を掻き立てられるポイントの1つです。3度も挑戦した甲斐がありました。
 
 
切り離し関連で再チャレンジしたい放送といえばもう1つ。是非とも今度は到着放送で流れる「只今より電車の切り離し作業を行います」という放送を被りなしで収録したいところです。
 
今のところ流れているのを確認できた駅が京都と米原のみですので、狙うとすれば米原でしょうか。
近々挑戦したいところです。
 
それではー。
 
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