長らく英語放送を流さず日本語放送のみにこだわってきましたが、2019年9月末よりついに英語放送を使用開始しました。
SUNTRAS型放送の英語放送
SUNTRAS型放送では、接近予告放送・接近放送・出発放送の3つの放送で英語案内を流すことができます。
ただ「流せる」のと実際に流すかどうかは別問題です。
英語放送を流している駅でも多くの駅が接近予告放送と停車中放送のみで流すように限定しています。
理由は単純で、英語放送の接近放送は日本語放送に続いて流れるのですが、
"Your attention, please.
「ご案内します」
A train will soon be arriving at track ◯.
「まもなく◯番線に電車がまいります」
For your safety, please stand behind the yellow line."
「安全のため、黄色い線までお下がりください」
特に種別、行き先や停車駅を案内するわけでもないなんです。
ほとんど「黄色い線までお下がりください」と注意喚起するためだけの放送で、非常に単純な内容なのですがだいたい全部で11秒要します。日本語放送のあとに11秒間もメロディが流れない時間が生じるということです。放送開始のセンサーからホームまでの距離が短い場合、あまり流すのに適していません。
これもあって英語の接近放送は、桜島〜西九条〜京橋間の一部駅や奈良駅・木津駅など外国人の利用、乗り換えが集中している駅限定で使用されている状況です。
ところが……
英語放送をフルで使用開始
なんと久宝寺駅、接近予告・接近・停車中放送すべてで英語放送を流すように設定が変わりました。
これまで日本語しか流してこなかったのですから、非常に大きな転換です。
さっそく聞いていきましょう。
△区間快速 加茂・五条行き
接近予告放送~出発まで一連で放送する例です。ちなみに今回の英語放送導入により、久宝寺駅は大和路線の上り快速列車が男声の英語放送で流れる数少ない駅に昇格しました。
乗換の都合で外国の方の利用が少なからずある久宝寺駅でなぜこれまで英語放送が使用されてこなかったのか。ようやく時代に追いついたという印象があります。
…ところが、です。この設定変更である問題が生じてしまったのりばがあります。
おおさか東線 始発電車の接近
おおさか東線の当駅始発列車が発着する3番のりばです。
引上げ線で待機している始発の電車がホームからでも普通に見えています。あの近距離から入線してホームに入るわけですから……こうなります。
なんと接近放送が流れきらない、という。メロディが1音も流れず「3番のりばに到着の電車は~」と到着放送が流れ始めてしまいます。
回送列車の接近でおもこの調子です。メロディが流れたとしても1コーラス流すのが精いっぱいという状況であり、改善の余地があると言えます。
改善案 ~奈良駅を参考に~
奈良駅で実際に行われている対策を参考に改善方法を見てみたいと思います。
奈良駅ではかなり前から英語接近放送を使用しており、すべての乗り場で聞くことができます。
ただしすべての列車に対して流れるわけではありません。
引上げ線から入線する電車などでは英語の接近放送が流れないように設定されています。
この経路で接近する電車ではこう、特定の経路から進入する電車ではこう、と言った形で設定できるらしく、奈良駅ではそれを最大限活用しています。
久宝寺駅でも同様におおさか東線の電車については英語接近なし、それ以外の列車では英語接近あり、と言う形にすれば解決することができるでしょう。
一辺倒に「全のりば消しました」ではなく、活用できるのりばでは活用し、流すことで危険が生じる列車では省く、のような柔軟な活用を期待したいところです。
というわけでとり急ぎ、久宝寺駅の英語放送使用開始の件についてまとめておきました。
設定が変わる可能性が高い放送ですので、記録したい方はお早めに。