環状線・ゆめ咲線 西九条駅の自動放送についてまとめておきます。
放送設定
接近予告放送 英語あり。到着6分前から3分毎
接近放送 英語あり
到着放送 列車案内あり
停車中放送 到着放送から起算して1分後から?分間隔
出発放送 1・4番のりばは押しボタン式、2・3番のりばは自動
列車案内……種別と行き先を案内する放送。「1番のりばに到着の電車は、普通 大阪・京橋方面行きです」といった放送文
西九条駅はとにかく放送の流れ方が特殊です。これはホームの構造をみれば一発で理解できますので、まずは画像で駅構造を確認しましょう。
このように2面3線で、島式ホームが2つあり、真ん中の線路を両側からサンドイッチする形になっています。
なかなか難儀で理解しづらい放送の設定を紐解いていきましょう。
出発放送の流し方が違う
まず出発放送の流し方について。1・4番のりばと2・3番のりばで、出発放送の流し方や流れる条件が異なります。
1, 4番のりばは、車掌のボタン押下で出発放送が流れる押しボタン式。2, 3番のりばは自動で流れる仕組みです。
2, 3番のりばの場合、出発放送の流れる時間を過ぎた場合には、出発放送が流れません。
どっちののりばで放送を流すの?
先述の通り、1つの線路の両側にホームがあるせいで、ややこしい問題が発生しています。
それがどっちののりばで、どういった放送を流すの?という問題です。これは西九条駅の放送を語る上で欠かせません。
まずは接近予告放送から見ていきましょう。2, 3番のりばに入る電車では、どちらの方面へ向かう電車かによって、通常の接近予告放送が流れたり、簡易な放送しか流れなかったりします。
当駅折り返しで桜島方面へ向かう電車では、接近予告放送は2, 3番両側ののりばで流れます。
当駅はゆめ咲線への乗り換え駅ですから、両側ののりばから乗り降りがあるでしょうし、ある意味当然ですよね。
では片側からしか本来乗り降りが生じない列車ではどうでしょう。
桜島から環状線外回りへ抜ける列車の一部は2, 3番線から発車します。
内回りホームの2番のりばから、外回りの電車を待つというのは考えづらいですよね。なので場合、接近予告放送は外回りホームである3番のりばでのみ流れます。
2番のりば側では、次列車に関する案内が一切流れないまま、簡易接近放送が流れて入線することになります。
なお列車到着時、2番のりば側のドアも開くことになるため、誤乗防止の観点から、到着放送が種別・行き先も読み上げる形で流れます。
対して梅田貨物線から環状線内回りに抜ける列車の場合を見てみましょう。
つまるところ内回りの電車が来るわけですから、外回りホームで待っている旅客は本来いないはずです。
ですので、接近予告放送は2番のりば側でのみ流れます。3番のりばでは次列車に関する案内が一切流れないまま、簡易接近放送が流れて入線することになります。
このように、同じ線路に入線する場合でも列車の進行方向により、本質的にどちらのホームの電車なのかが区別されているのです。
これは出発放送にも顕著に現れています。
2・3番のりばに到着した電車は、のりかえの便宜を図るため、特急列車を除いて両側のドアを開けます。両側のドアを開けたあとどちら側のドアから閉めるのかが、列車の進行方向によって変わるんです。それによって出発放送の内容も変わります。
桜島行きの電車では2番のりば(外回りホーム)側のドアを先に閉め、それから3番のりば(内回りホーム)側のドアを閉めます。
なので出発放送は、3番のりば側では「3番のりばから、普通・ユニバーサルシティ方面、桜島行きが発車します」と詳細な放送が、2番のりばでは「2番のりばから列車が発車します。ご注意ください」と流すだけの簡易な出発放送しか流れません。
特急くろしおは2番のりば側のドアしか開けませんので、3番のりば側の出発放送は当然、簡易放送です。
桜島線から直通の京橋行きや天王寺行きは逆の手順で、2番のりば側のドアを先に閉めてから3番のりば側を閉めます。
出発放送も役割が逆転し、2番のりば側で詳細な出発放送が流れます。
これらを表にまとめると次の通りです。
要約すると、2・3番のりばから発着する電車は、厳密にどちらのホーム寄りの電車なのかが決められており、それによってそれぞれの放送の内容が変化するということです。こんなに複雑な設定の駅はJR西日本でもここだけと言えるでしょう。
男女の声の使い分けも変
さらに男女の声の使い分けにも特徴があります。
ふつうJR西日本は、男女の声が1つのホームで重ならないよう、声を交互にあてがいます。1・2・3・4と4つのりばがあれば、1・3番のりばは男声、2・4番のりばは女声…という具合です。
これは、声を分けることで、どののりばの案内が流れているのかを分かりやすくするための工夫であり、様々な鉄道会社で実践されている案内手法です。
この「ふつう」が西九条駅では通用しません。しかも島式ホームしかないのに、です。
外回りホームの1・2番のりばはどちらも男声、内回りホームの3・4番のりばはともに女声放送となっており、どちらのホームでも両側ののりばで同じ声が流れます。
旧放送時代の設定をそのまま引き継いだのでしょうか。思えば英語接近放送を流すという点も、旧放送時代からあったものを引き継いでいますし、そういうところはあえて変えずに旧放送に合わせているのかもしれませんね。