11月から運転されている臨時特急「まほろば」号。時刻表では新大阪ー奈良間ノンストップとなっていますが、実際には途中久宝寺駅で運転停車を行います。
運転停車とは乗務員交代や時間調整のために一時的に駅に止まることを指す鉄道用語です。駅には止まりますが乗客は乗り降りできません。
SUNTRAS型放送には運転停車する列車に対しての特殊な放送が用意されていると聞き、さっそく行ってきました。
久宝寺駅にて
心躍らせながら向かってみると電光掲示板に光る「通過」の文字。これこそが運転停車するまほろば号です。
運転停車は客扱いをしないため乗車することはできません。ということで「通過」と表示するようになっているようです。
ただし接近表示は通過列車とは異なります。
通過列車であれば「電車/列車が通過します」と表示されるところ、運転停車の場合は「列車がまいります」と停車する列車用の表示が出ます。
やってきました、まほろば号。ホームの狭くなっているところで危険行為があったのでしょうか、けたたましい警笛を鳴らしながら入線してきました。
ここでおさらいしましょう。
・電光掲示板の表示は「通過」
・警笛を2発鳴らしながら入線
・見たこともない電車が入ってきた
・カメラを持ったファンが殺到している
・「通過」と表示されている列車がホームの中ほどで停まってしまった
まるで異常事態ですね。一般の方の変な誤解につながっていなければいいのですが。
列車は1分ほど停車したのち定刻に出発していきました。
自動放送
ここからは自動放送に焦点を当ててみていきましょう。まずは通常の通過列車の放送をお聞きください。
次に ○番のりばを 列車が通過します。ご注意ください。
May I have your attention, please. A train will be passing through track ○. Please be careful.
まもなく ○番のりばを 列車が通過します。危ないですから黄色い点字ブロックまでお下がりください。
○番のりばを 列車が通過します。ご注意ください。列車が通過します。ご注意ください。
Your attention, please. A train will soon be passing through track ○. For your safety, please stand behind the yellow line.
こちらが通過列車の接近予告放送及び接近放送です。内容は最小限に絞られていることが分かります。
続いて今回収録しました運転停車する「通過」列車の放送をお聞きいただきましょう。
次に ○番のりばに 列車がまいります。お乗りにならないように願います。ご注意ください。
May I have your attention, please. This train will be arriving at track ○. Passengers may not board this train. Please be careful.
まもなく ○番のりばに 列車がまいります。危ないですから黄色い点字ブロックまでお下がりください。
○番のりばに 列車がまいります。お乗りにならないように願います。ご注意ください。列車がまいります。ご注意ください。
Your attention, please. A train will soon be arriving at track ○. For your safety, please stand behind the yellow line.
○番のりばから 列車が発車します。ご注意ください。
通過ではなく止まることを暗に示している文面ですね。英語の接近放送もきちんと通過用の"passing through"ではなく停車の場合に流れる"arriving at"に変わっている点にうも注目です。
また運転停車する列車では出発放送も流れます。地味ですが「列車が発車します」という放送パーツは、両側にホームが面しているのりばやこういった場合にしか収録できない割とレアな放送パーツとなっています。
遅れていると流れないという運も絡む条件ゆえ、私はおそらく二度とチャレンジしないと思いますが、まだ録られていない方は挑戦されてみてはいかがでしょうか。必ず録ることができる「まほろば」号運転期間中がおすすめです。
これでまほろば関連で必ず録らなければいけない放送は録音し終えたかな、というところです。9年ぶりの復活、特と堪能させていただきました。