2020年になりました。新年あけましておめでとうございます!
皆様にとって素敵な一年となりますよう心からお祈り申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年一発目の動画は皆様に「福」が訪れますよう、駅名に福が付く福知山駅の放送をお届けいたします。
駅の情報
京都府福知山市の中心に位置する駅。JRと京都丹後鉄道で共同使用しており、JRは3面5線、丹鉄は1面2線を有します。
この記事ではJR線ホームの放送について記録しています。
基礎情報
当駅オリジナルの詳細型放送が導入されています。
接近予告放送、接近放送、停車中放送、出発放送が流れるかなり整った放送です。
これだけ規模が大きい主要駅であるにも関わらず2019年12月時点でもメロディは導入されていません。接近放送は4点チャイムに始まりベル音で終わります。
なお接近予告放送は普通・快速(丹波路快速を除く)では流れません。
また、丹波路快速を含めたすべての普通列車で停車駅案内が流れませんので、山陰線、舞鶴線の特に利用者が少ない駅を通過する「快速」でも停車駅に関する放送はありませんでした。
出発放送とは別に出発ベルも導入されています。
「促進ベル」と書かれたボタンを押すと10秒間(一部ボタンは15秒間)ベル音がなる仕組みで、自動放送と同じスピーカーから流れます。
出発ベルの操作は基本的には車掌が、ワンマン列車の場合は運転士が行います。
2両ワンマンの場合、2両用のボタンが階段の近くに設置されており、運転士はボタンを押すついでに階段に駆け込み乗車の旅客がいないかを確認していました。うまくできていますね。
ホーム中ほどにある待合室内のスピーカーからも放送は流れます(一部流れないのりばあり)ので、密着録音することが可能です。
京都方のスピーカーが男声(2, 4番のりば)、豊岡方のスピーカーが女声(1, 3番線)です。
ただし各方面からの列車がまとまって到着しては出ていくダイヤのため、待合室の利用が集中する時間帯がありますのでおすすめはできません。
放送が流れるタイミング
接近放送は到着直前に、出発放送は出発の直前にそれぞれ流れますので割愛して、この節では接近予告放送と停車中放送が流れるタイミングについてわかる範囲で記録しておきます。
どちらの放送も1回目の放送から3分間隔で流れます。
接近予告放送は出発の20分前に1回目の放送が流れます。上にも書いた通り先発の列車が在線していようがいまいが、時間になったら流れます。
SUNTRAS型放送と異なり入線時刻の何分前ではなく出発時刻の何分前で決まっていますので、お間違い無いようご注意を。
停車中放送は到着(ベルがなり終わった時間)から起算して2分20~30秒後から流れているようです。列車により1回目の放送時間が違うので、ベルが鳴りやんだ時間から2分半を目安として狙いましょう。
特急列車の乗車口案内
福知山駅の放送と言えば特急列車の乗車口案内は外せません。
頭上に掲示されたこれらの乗車札をこれでもかというくらい丁寧に案内します。
きのさき1号の例
列車は4両でまいります。吊り下げ札赤色の、1号車札から4号車札でお待ちください。
1号車グリーン席は、吊り下げ札赤色の1号車札、
1号車指定席と、2号車指定席は、吊り下げ札赤色の2号車札、
3号車自由席は、吊り下げ札赤色の3号車札、
4号車自由席は、吊り下げ札赤色の4号車札でお待ちください。
号車ごとにどこに並べばいいかを別々に誘導する珍しい形態をとっています。
この案内、確かに分かりやすくはあるのですが非効率的と言えなくもない案内文ですよね。特に7両編成の時にはこれが永遠と7両分続くので、途中で冗長に感じてしまいます。
福知山駅の特急乗車口案内をコンパクトにまとめてみました。 pic.twitter.com/7fp9Xx8xfl
— やたてつ (@yyyy_yatatetsu) 2019年12月25日
このような文面でもよさそうなものですが。
なぜこのような案内をとっているのか、過去の放送を参照してみましょう。
2013年ごろに現在の形態の案内に変更されるまでは次のような案内でした。
列車は4両でまいります。吊り下げ札2番から5番でお待ちください。
1号車グリーン席は、吊り下げ札2番の足元青色ライン、
2号車指定席は、吊り下げ札3番の足元青色ライン、
3号車自由席は、吊り下げ札4番の足元青色ライン、
4号車自由席は、吊り下げ札5番の足元青色ラインでお待ちください。
2013年の変更以前は吊り下げ札の番号と足元のラインの色で案内していましたので、「何号車は何番、何号車だと何番」と案内するため、号車ごとに個々に案内する形式をとっていたようです。当時の放送の流れを汲んでいると思えばこのような案内になった理由が納得できます。
現在も1号車が半室グリーン車の場合、1号車の普通車指定席を取っている旅客を2号車の乗車口に誘導するのに一役買っているため、今後とも大きく案内が変わることはなさそうですね。
補足:色の区別について
・両数
・電車車両 or 気動車
・電車車両の場合、ドア位置(3号車のドア枚数)
以上の要素で色が分かれており全部で7色用意されています。
特に少ないのが「こうのとり」の黄色、「はしだて」の白/緑色です。特に「はしだて」の場合、繁忙期は必ず4両で運転されるため緑色がまったく流れない期間があります。注意してください。
ベル・チャイム音の既聴感
福知山駅では
・接近放送のはじめ
・出発放送のはじめ
に4点チャイムが、
接近放送ではベル音が、そして出発放送でも乗務員の操作で出発ベルが鳴ります。
この接近放送の前後に流れるベル・チャイム音、実際には初めて聞く音なのにどういうわけか懐かしさを覚えたので、思い当たる節と比較する動画を作ってみました。
ところで。福知山駅のチャイムと接近ベル類、聞き覚えがあると思ったらこういうことのようです。 pic.twitter.com/z8WV7ZVsEs
— やたてつ (@yyyy_yatatetsu) 2019年12月25日
JR京都線で使われていた4点チャイム、ベル音。
同じ音が使いまわされているようです。
にしても京都線のチャイム・ベルがまさかこんなところで生き残っていたとは。
矛盾した電車と列車の使い分け
この駅の放送も「電車」と「列車」を車種によって使い分ける放送が導入されています。
ここでJR西日本の「電車」と「列車」の使い分けをおさらいしておきましょう。
JR西日本の自動放送で「電車」と案内されるのは電車で運転される普通、快速列車のみで、それ以外の特急列車や気動車で運転される電車はすべて「列車」です。
この区別が全く守られていないのが福知山駅の放送の面白いところです。
福知山駅の放送は「電車」もしくは「列車」の表現が出てくるのは
・接近予告放送の両数案内「電車/列車は◯両でまいります」
・停車中放送の冒頭「◯番のりばに停車中の電車/列車は」
この2カ所だけです。
それでは各列車でどのように「列車」と「電車」を使い分けているか見ていきましょう。
電車で運転されるきのさき10号
「列車は7両でまいります」「1番のりばに停車中の電車は」
同じく電車で運転されるこうのとり10号
「列車は4両でまいります」「2番のりばに停車中の電車は」
「電車は4両でまいります」「1番のりばに停車中の列車は」
快速・園部行き
(接近予告放送なし)「1番のりばに停車中の電車は」
普通・篠山口行き
(接近予告放送なし)「5番のりばに停車中の電車は」
普通列車系はすべて「電車」で統一されているのに対し、特急は接近予告放送で「列車」と言えば停車中放送で「電車」と言い、予告で「電車」と言えば停車中には「列車」と流す変な設定になっています。
また普通・快速列車では接近予告放送が流れないため、皮肉なことに「電車は○両でまいります」のパーツは気動車で運転される列車でしか流れません。
明らかに設定ミスっぽいですが果たして真相やいかに。
消えた接続案内
かつての福知山駅を知る方ならばこの表示で違和感に気づかれるかもしれませんが、今年に入ってから放送に大きな変化があったようです。
これまでは、篠山口行きの列車では大阪方面の快速に連絡する旨が、園部行きでは京都行きに連絡、東舞鶴行きでは敦賀行きに連絡する旨がそれぞれ放送・表示で案内されていましたが、これが取りやめとなってしまったようです。
手を出すのが遅かったようですね。残念です。
以上、福知山駅の自動放送についてまとめておきました。