JR西日本 2023年1月大雪による遅延の記録

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▲25日朝10時に撮影


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▲26日昼前に撮影

 

2023年1月24日夜に日本を襲った記録的寒波により、関西の都市部では京都、滋賀、奈良府県を中心に大雪が発生しました。

この影響で、JR西日本は最大5時間電車を駅と駅の間に停車させて旅客を閉じ込めたうえ、翌日以降も列車の運転がまともに行われず、ようやく正常に電車が流れ始めたのは26日の夕方からとなりました。

 

立ち往生の原因

この一件においては、線路を切り替えるポイントの融雪装置を使用するかどうかの判断を誤り、さらに旅客を降車させて徒歩で最寄り駅まで移動させる決断も躊躇して、結果的に満員電車を5時間放置し、最終的に救急が出動して救護活動が行われ、国交省から指導を受けるという輸送指令の優柔不断さが招いた一連の判断ミスが内外から批判されています。

近隣の他社私鉄は遅れがありつつも立ち往生せず運転出来ていたのは、ポイントの融雪装置を使うか使わなかったかの判断だといわれています。融雪装置はふつう雪が積もる前に使用するものなので、降雪量が規定値未満だからと使用を渋ったJR西日本と、記録的寒波が来るという予報に従ってためらわず使った私鉄各社との差が出たといえるかもしれません。

また路線網も考慮すると、私鉄各社は滋賀県方面に路線網を伸ばしていなかったので、滋賀県内の強風・豪雪の影響を受けることがなかったため運転を継続できたといえるかもしれません。

 

一方、今回列車が立ち往生したエリアの列車について、JR西日本は20時ごろから完全運休することを予定していたものの、それより前の時間に架線に飛来物が付着したことにより列車を一時的に運転見合わせすることが避けられず、この運転見合わせ中に気象庁の予測を上回る降雪があったため、運転を見合わせたまま動けなくなり、結果的に立ち往生することになったという経緯も考慮しないといけません。

 

原因は数多く考えられど端的にまとめると、今回の一件は、人災と天災が最悪の形で重なって引き起こされたわけです。この大きな傷跡はその日の間に片付くことはなく、2日間も糸を引くことになりました。

 

整理できないまま運転再開

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▲2時間以上大幅に遅れた列車ばかりが案内されている発車標。26日昼に撮影


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▲1時間以上遅れの快速が入っているほか、関空紀州路快速が間引かれ混雑による遅延も起きていた環状線。25日昼に撮影

 

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▲ダイヤ乱れの結果、快速・新快速電車がまったく運転されず普通電車のみが表示されている電光掲示板。26日昼に撮影

 

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▲14時になってもお昼前の電車の運転の目処がたっていない様子。遅れ時刻の案内は、車庫を出庫するか始発駅を出発した時刻から算出されるため、出庫するまでは遅れがゼロ分として案内される。

 

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運転再開後も酷い有様でした。朝からまともに運転出来ておらず、昼過ぎから順次運転を再開できるようになったため、昼になっても朝の未出発の電車がずっと電光掲示板に表示され、次から次に電車が出ても、案内に出るのは「遅れ120分以上」ばかり。

 

昼から運転を再開したのなら、朝の電車を全部運休にして昼時分の電車から運転すれば良いように思います。なぜ昼の電車から運転しなかったのか、原因が昼頃にようやく判明します。

 

 


運行管理システムに不具合が発生したため、運転整理をまともにできなかったのが原因でした。まあそら…2日間も延々と電車が遅れられると……パンクしますよね。

今後考えられること

根本的な原因を、異常な自然現象が予想される日に電車を運転したことととらえた場合、今後考えられるJR西日本の動きはただ一つ、想定外が見込まれる日に電車を運転しないです。

 

実際に明日(28日)も朝から電車の運休を示唆しており、このような及び腰の運転はますます増えるような気がします。私鉄のように小さな路線網や組織で動いていないので、並走する私鉄のような柔軟な対応は期待できません。怪しい要素があるときは全部止めて、100パーセント安心できるまで長時間運転を見合わせる、というのが今後の動きになりそうです。

 

どうしても関西の路線網はJRと私鉄が並走しているところが多いので、平行私鉄と比べられることも多いですが、逆になぜ私鉄各社は異常な天候でも運転できるのかを調べてみるのも面白いかもしれませんね。

 

 

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