大和路線 架線に飛来物が! (…ついたときの取り方)

本日午後5時前に発生したばかりの出来事です。
 
そう、午後5時前。大阪市内では次第に雨が強まり、強い風が吹き始めて数分というところ。
いろいろあって友人のNaraと一緒に、大和路線平野駅東側すぐにある、泥堂踏切を自転車で渡ろうとしていました。
 
風が強かったこともあり、かなり徐行してやってきた踏切前。ふと目に入った「ビニール」はまさかの場所に引っかかっていました…。
 
 
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さてここでクエスチョン!
 
問題の「ビニール」は、いったいどこに引っかかってるでしょうか?
 
 
…がっつり写りこんでいるので、探すのにそう時間はかからないでしょう。
 
右側の真ん中あたりにビニールが引っ掛かってるのが見えると思います。
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ここで普通の人なら「あー、なんか引っかかってんな…。」で終わるでしょう。
 
 
普通じゃない二人が飛来物を見てしまったと。
 
そのあとの行動は決まっています。
 
「「平野駅の駅員に報告しにいこうぜ!」」
意気投合して平野駅の駅員に報告すると、最初は駅員さんも状況が呑み込めない様子。
 
そりゃ急に高校生がずぶぬれになった制服を着て、改札に来たかと思えば「そこの踏切の架線にビニールが引っ掛かってます」と言われれば、当然「…はい?」となるわけで(笑)
 
駅員は大雨の降りしきる中、カメラを持って飛来物の状況を撮影に行ったりと、一気にあわただしくなりました。
 
実は幸いなことにも、ビニールが引っ掛かっている架線は貨物用の線路の架線だったため、該当の線路を通るのは1時間に1本あるかないか程度。
 
最終的には無事に取り除かれたのですが…
 
…一体どうやって取り除くのか。
気になりますよね?
 
高圧電流の流れる架線に触ってしまえば、たちまち人間なんて黒い炭と化してしまいます。
手で触ろうと思えば、いったん大和路線おおさか東線の全列車を止め、電流を止め停電を起こし取り除くほかありません。
 
しかしそんなことをしてしまうと、乗客から苦情の嵐が来るのは明らか。ましてや、旅客には一切関係のない貨物線上の飛来物です。
 
 
じゃあどうやって取り除くの?
 
滅多に「架線から飛来物を取り除く作業」なんて見れませんから、好奇心に身を任せ、作業員さんの到着を待って見学してみました(笑)
 

特集(?) 架線に飛来した邪魔者はこうやって取り除く!

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今回の邪魔者は2匹!
 
「ビニール(泥で非常に汚れている)」と、黄色いひも状のこれまた「ビニール」が付着しています。
 
 
これを見つけたJR西の復旧スペシャリスト。到着し次第、まずはどうするかというと…
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状況把握→釘バット黄色の棒(先端にひっかけるための設備あり)を取り出して、早くも取り除く準備に取り掛かります。
 
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ちなみに←のものが「限りなく釘バットに近い何か」の先端の画像です。
 
 
やっぱ先端だけ見ると釘バットだよな(((
 
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この「黄色い棒」、実は…如意棒のように架線の高さまで伸びるのです。
 
さすがに営業列車通過中に作業を行うわけにはいきませんから、2本の列車通過中にどんどん伸ばしていきます。
 
時間の有効活用というやつですね((
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…って13M運用のオレンジ区快!
 
飛来物とコラボ…させるつもりが、作業着の鮮やかなオレンジとコラボしちゃってますね(笑)
 
 
列車の通過も終わり、ついに作業開始です!
 


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まずは高さ調節から。
 
架線に届かないと返って手間取りますから、点検も怠りません。
 
 
 
ここからは10秒もかからないほど一瞬の流れ作業です。
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見事な職人技で、近接する2本の架線間にすばやく挿入!
 
 
 
 
ちょっとの操作ミスで架線に触れてしまうと大変なことになりますから、慎重に邪魔者に絡みつけて…
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鮮やかな手さばきで線路脇へ!
 
 
こういった「飛来物が付着した場合の取り除き方」も、日々訓練しているのでしょうね~!
 
わずか10秒間の取り除き作業でしたが、貴重なものを見せていただきました。
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邪魔者排除後は、きれいさっぱり障害のなくなった架線の撮影や、邪魔者の退場を終わらせ、すぐに車で撤収されました。
 
 
 
このようにして、日本の鉄道の安全は日々守られてるんですね~。
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…にしても、「架線から障害物を取り除く」ためにこのような棒が用意されてるとは…。
 
てっきり「拾得器」のようなマジックハンドが出てくるかと思いきや、でてきたのは名前かもわからない「釘バット付き如意棒」。
 
構造も考えられていますねぇ…。
 
作業されていた5,6名の方、お疲れ様でした。また、貴重なものを見させていただき、ありがとうございました!
 
 
それでは~
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