消える"ブログ"

これも悲しかな、鉄道ファンという業界において「ブログを執筆する」という行為自体が衰退してしまった今では、今更何を言っているんだというお話になるのでしょうか。


いまから3,4年以上も昔、まだTwitterというSNSツールが世間ではやり始めた頃、このYahoo!ブログには多くの鉄道ファンの方がいらっしゃいました。

それはもう、一日に何も書かずとも1000人規模で集められる方から、私のような「1日1更新を目指そう!!」みたいな弱小投稿者まで、ありとあらゆる情報や写真、考察の表の発表の投稿場所が主にここ、Yahoo!ブログだったのです。


日常の何気ない一枚を投稿するのもここ。

こだわりの一枚を、いかに苦労して撮影したかと文を添えて投稿するのもここ。

ウソ電を投稿するのもここ。

悲しかな、晒し叩き合う場所もこの場でした。

利用者衰退期にYahoo!ブログ運営があえいでるたった今、「サークル」なる掲示板まがいの投稿ツールを出した際に、鉄道カテゴリが真っ先にサービスを開始したあたりからも、鉄道ファンの急激なブログ離れが進んでいるのが分かるでしょうか。

ここYahoo!ブログは「当時」自慢をするにふさわしい場であり、持論を展開するにはもってこいの場所でした。


しかしどこかで、やはり全員気づくものがあるのでしょう。

まずYahoo!ブログには、ご存知の通りTwitterでできるような「手軽な拡散」性はありません。
もちろん、この閉鎖性が心地よい方には大変すばらしい空間なのですよ?

Twitterを使われてらっしゃる方ならわかるかと思いますが、Twitterには適度な機密性と、おそらく今現在では最も強力であろう拡散性をもっています。

その上でなんと、ファンや同じ思考回路の人とのコミュニケーションも容易い。解釈は任せますが、好きな方を片思いに見つめ応援することも、アカウント、つまりは人格を変えるのもひと手間で。

SNSとして実にすばらしいではありませんか。


またブログというものはいったん作ってしまうと、やはりその数年間の思い出が詰まってしまいなかなか手放しがたく、また移転も難しい物。

心を鬼にしないと他に手を出すことはままならず、そうなると大きく発展することはできず。
ここでほかのブログと連携し、それを"気軽に"部分的に引用し、または転載機能みたいなものがあれば発展したのでしょうか。


いつまでも自分の殻に籠り、記事や画像という看板だけを出し、ふと目に留まって立ち止まった同類を引き込むという、非常に非効率な方法で地道にしか成長できない。

そうなるとやはり新しい「拡散性を持った」「関わりを他と持ちやすい」コミュニケーションツールは誰かが始めると爆発的に感染しまして。

2014年前後を境にこのブログもかなり多くの方が辞められるか、放置モードに移行されてしまい。

Yahoo!ブログに限らず、書き物は拡散するにはあまりに似つかわしくない高い孤立性と、不十分すぎる拡散性が仇になり、そして今も衰退の一歩をたどっているというわけです。

過去にいい記事を残してらっしゃった方の名前をTwitterで検索すると、まったく同じ名前で元気にやってらっしゃるのを見ると、すこし悲しい気持ちになります…かね。


ただこういった画像が一枚もなく、ただどこの誰かもわからない人の愚痴をひたすらに読む、そういった行為が動画と音楽でいくらでもまかなえる現代で流行るはずないんですよね…。

Twitterでつぶやくとなれば「最近ブログやってる人少なくて悲しい」、わずか17文字で要約できる内容です。

これに永遠と何かを付け足し、前後関係を筋道立てて持論に持っていくのがブログというものの編集作業に当たります。

これなしに140文字の拡散性は生まれません。


今の時代はその瞬間が認められればそれでよし、の精神の方が大変多いです。

「AさんがBさんを鈍器で殴って意識不明の重体にさせた」事象"だけで"リツイートといいねが稼げればそれでよく、ここにAさんがBさんによって常日頃から陰湿ないじめにあっていたという過程はどうでもいいのです。

このいかにも非常識的な瞬間が大事なわけで。

少なからず、これでいいのかという疑問を感じるわけですね…。「なぜ」の理由がないまま、いたずらに拡散するだけでいいのかと。

…自分が言うのもなんですが。


普段の記事では前後関係を特に気にするわけでもなく、いたずらに文を長くして記事の尺稼ぎをしている私は、はたして。

「時代の流れに取り残された」内に入るのでしょうか。

もしくは過渡期に居る人間なのでしょうか。


この愚痴と過去回帰だけの駄文の最後に一言だけ。

もう一度、読み手も書き手も、「ブログ」に向き合ってみませんか。


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