名鉄瀬戸線固有の放送

6本目は名鉄瀬戸線ターミナル駅栄町駅の放送集でございます。

瀬戸線名古屋市の中心街 栄の地下にひっそりと佇む栄町駅から、愛環瀬戸市駅を経由し尾張瀬戸駅までを結ぶ、名鉄の他路線からは完全に分離された珍しい路線です。

前身である瀬戸電気鉄道にちなんで「瀬戸電」の愛称で呼ばれることも多いとか。


大手私鉄では不思議なもので、本線系統から分離された飛び地のような支線はほぼ必ずといっていいほど、何かしら案内設備の面で独自の進化を遂げるものです。

他社線で例をあげますと近鉄南大阪線などが該当しますでしょうか。

同じく色の濃いことで有名な名鉄瀬戸線は、はたしてどういった放送の進化を遂げたのか。その一端を見てみましょう。


▶︎Caution!! 音量に十分ご注意ください◀︎

発車ベル音がかなり大きな音量で流れるため、全体的に低めに設定しております。


お聞きの通り放送はかなり音質が悪いうえ、方面別の男女分けが適用されているようで女声しか用意されていません。(瀬戸線では瀬戸市方面行きが女声です)

文言の根幹自体は名鉄の標準的な様式を守っており、おなじみの文句「まもなく◯番線に電車がまいります。黄色い線までおさがりください」から始まります。

特殊なのがここからで、続けて発車の順序(以下「発順」と略します)を流してから行き先、種別の順に放送します。
ここで注目すべきが発順を流すというところでしょうか。

発順案内はかなり簡潔なもので、「折り返し先発の」「折り返し次発の」といった情報が流されます。
終点なので折り返すのは当然なのですが、入ってきた方向に出発するというのを強調しているのでしょう。

本線系統にも発順を流す駅は少なからず存在しますが、発車1分前の予告放送で流されるもののみで、具体的な順番をこのタイミングで流す駅は一切ありません。


発順を流す点を除けば、それ以外は本線で言う所の「旧放送」に当てはまるものですね。

音質的にも年代物ということが伺えます。


停車駅は普通を除いて原則終点まで流されます。急行も尾張瀬戸駅まで淡々と、異例の11駅を流し続けます。

この駅数も素晴らしいのですが、さらにここで特記すべきが準急の停車駅案内。
栄町駅では本線系統では聞くことができない「小幡から“各駅に停まります”」という表現が用いられています。

本線系統ではしれっと順に1個ずつ流すため、路線図が頭にないと各停であることも分かりませんが、一方こちらは急行運転がどこまでかをキチンと明確にしてくれる優しい世界です。親切設計極まりない(*´ω`*)


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また瀬戸線には種別変更を行う電車は存在せず、さらに「追い越し」「退避」「緩急接続」といった概念がないため先着案内もありません。

発車標には「先発列車がすべて終着駅まで先に到着します」と注釈が掛かっています。


続いて到着放送ですが、こちらも本線系統とは異なり駅名連呼はありません。

「毎度ご乗車ありがとうございます。お忘れ物のないようにお降りください。
ご乗車の皆様は降りられますお客様が済みますまで、そのまましばらくお待ちください。」

…とだけ流されます。おそらく非営業列車を除き全て共通です。


停車中放送は発車の30秒ほど前“に終わるように”流れますので、発車予告放送と言っても差し支えはないでしょう。

停車駅はこの時にも流されます。


発車放送は「◯番線から電車が発車します」とだけ流れる名鉄の典型的なものです。

発車放送時には発車ベル音が放送と同じスピーカーから流れますが、放送を搔き消すくらいの大音量で流れるため音量調節がかなり難しいです。気づいた時にはすでに遅し。音割れを起こしています。

収録に際し

先述の通り発車ベル音で音割れして使えなくならないよう、注意が必要です。

ホームの中ほどはかなり混雑します。また終端側は構造上かなり目立ちます。
進行方向、大曽根方のホーム端がおすすめです。

放送はのりば別です。異なるのりばの放送は流れませんのでご安心ください。


以上、栄町駅の放送でした。

それでは〜!


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