Osaka Metro、車内放送を一新

大阪市営地下鉄から経営移管されてはや4か月、Osaka Metroがついに前時代的だった車内放送にテコ入れを行いました。
 


大阪の地下鉄といえばこの2人!声優はいままで通り秀平真由美さんとウェグミラーあけみさんで変更はありません。

声優は変わらなかった代わりに放送の内容が大幅に変更されています。特に変化が大きかったのは英語放送です。
 
いままで簡潔で少し物足りない感じもあった英語放送は駅発車後に加えて到着時も流れるようになり、また主要駅発車後には行き先も流すようになりました。
 
以下に変更点と放送文を列挙しておきます。
 

■始発案内

始発駅停車中の放送については、日本語放送はこれまで通りですが、英語放送では「まもなく発車します」という旨の英語放送が追加されています。
 
 
「この電車は千里中央行きです。発車までしばらくお待ちください。This trainis bound for Senri-Chuo.
「この電車は千里中央行きです。発車までしばらくお待ちください。This trainis bound for Senri-Chuo. We will be departing soon.
 
 
欲を言えば北大阪急行線のように「天王寺・なんば・梅田方面千里中央行き」と方面の案内も追加されていれば満点でした。
 
 
■次駅・到着案内
先述の通り発車後に加えて到着時にも流れるように変更されました。
また英文は言い切りから丁寧な文に変わったため、従来の放送と同じ情報量しか流さないものでも放送に要する時間がかなり増えています。
 
次駅案内の英文は
“The next station is (駅名), station number 〇〇.”
“The next stop is (駅名), station number 〇〇.”
に変更されました。ただし意味の変化は特にありません。
 
到着案内の英文は
 (駅名). We will be stopping at(駅名), station number 〇〇.”
例:Dobutsuen-mae. We will be stopping at Dobutsuen-mae, station number: M-22."
のような形です。到着案内は南海電車の車内自動放送にかなり寄せた文になっています。
 

■主要駅発車後の次駅案内

従来より日本語放送では英語放送が流されていましたが、英語でも行き先を案内するように改善されています。
 
「本日もOsaka Metroをご利用いただきましてありがとうございます。この電車は千里中央行きです。次は動物園前…(中略)…The next station is Dobutsuen-mae, station number: M-22. (後略)」
「本日もOsaka Metroをご利用いただきましてありがとうございます。この電車は千里中央行きです。次は動物園前です。…(中略)…Thank you for riding with us. This train is bound for Senri-Chuo. The next stop is Dobutsuen-mae, station number: M-22. (後略)」
 
英語放送が次の駅しか案内しないのは私もずっと問題だと思っていた個所でした。
この点が改善されたのは非常に素晴らしいです。今回の更新で一番高評価を与えたいポイントかもしれません。

■「まもなく〇〇」

駅間が短い場合、これまでは早口で流す、文節間の間隔を詰めるなどの工夫が行われてきましたが、他駅同様に次駅放送、到着放送を流す点は頑なに守ってきました。今回の更新からついにその殻が破られて「まもなく〇〇です」とのみ流すパターンも登場しています。
 
「まもなく」スタートの場合には
 
「まもなく〇〇です。〜はお乗り換えです」
→広告放送
→英語放送
 
の順で流れるようになっており、日本語での案内は最初の1回しか流れません。
なお英語放送はこのパターンでのみ
 
(駅名). We will be stopping at (駅名), station number 〇〇.”
ではなく
(駅名). We will soon be arriving at (駅名), station number 〇〇.”
に文章が変わります。「まもなく」しか流さない場合と2度流す場合で到着時の放送が変わる点は近鉄と同じで、こだわりを見せてくれています。
 

■乗り換え案内

堺筋線JR線、阪堺線はのりかえです」
堺筋線JR線、阪堺線は“お”のりかえです」
 
“Please change here for the Sakaisuji, JR, and Hankai lines.”
“Passengers can transfer here to the Sakaisuji Line, JR line, and Hankai Line.”
 
のように変更されています。

英語放送はこれまで簡潔で理想的だったものがわざわざ長く変えられ、改悪されているという印象です。丁寧さに重点を置きすぎて長くなりすぎるのも悩みどころですね。
 
あと動物園前(新今宮)で乗り換えられるJR線は複数あるため”JR linesが正しいです(JR線の案内は天王寺、梅田でも同様に単複のミスがあります)
 

■開扉方向の案内変更

いままでは各駅発車後に「出口は〇〇側です」/「出口は〇〇側に変わります」と流していましたが、今回の更新から各駅発車後の放送では、開扉方向が入れ替わる場合のみ放送に変わりました。(到着時はこれまで通り毎駅で流します)
 
また英語放送でも開扉方向が入れ替わる場合のみ、到着時の放送に開扉方向の案内が付帯するようになりました。


The doors on the left/right side will open. Please be careful of the train doors.”…少し都市地下鉄としては長すぎる気もしますが、いままでなかったものが増えたのはいいことです。
 

 

■より画期的な北大阪急行の新車内自動放送

ここまで5点、Osaka Metroの車内自動放送での変更箇所をまとめましたが、同日に北大阪急行でも車内自動放送が更新されています。
 
到着時の放送がOsaka Metroと全く異なるものでしたので、そちらのみ抜粋してご紹介させていただきます。
 
(駅名). Now stopping at (駅名), station number 〇〇.”
The left/right-side doors will open.
“Please change here for the Osaka Monorail.”(文面は従来通り)
 
仕様的な違いはほとんどありません。(北大阪急行では毎駅ホーム位置が変わるためすべての駅で開扉方向が流れます)
問題は英語放送の質です。
 
簡潔、質素、でも分かる。これまでの流れを引き継ぎ、都市地下鉄として最低限のわかりやすさを保ったまっとうな進歩を遂げていました。完璧です。
 
始発案内では方面を案内しますし、案内放送は日本語、英文ともに文句なし。OsakaMetro以上にOsaka Metroの車内自動放送を使いこなしています。
 

■総括

まとめとしては
 
・英語放送は非常に改善されている
 観光都市を担う都市地下鉄としては十二分な情報量である
 
・日本の英語放送の悪いところも出ている
 型にはめようとしすぎるせいで放送文が長くなる。好ましい省略の仕方でもう少し簡潔にまとめてほしいところ。
 
北大阪急行もいい方向に改善
 本家(御堂筋線)より案内の質が良い。いいところはぜひとも本家も採用してほしい。
 
といったところでしょうか。
 
確かに新放送の質はいいものですが、例えば駅間に対してあまりにも長すぎる放送も存在する等、不備もたくさんあります。今後の更新で改善されることを祈りましょう。
 
それでは~!
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