新祝園駅 自動放送概要(2016,11,02)

京都線のいち急行停車駅である新祝園駅

なんら変哲はない退避設備を持つ駅で、普通と急行の緩急接続や急行の特急退避などが頻繁に行われています。


この駅で使用されている放送は、どちらかといえば冷遇されがちな京都線らしい旧型放送“でございます”。

旧型放送最大の特徴である案内復唱はありませんが丁寧語の案内は健在で、かつ「西大寺」、「八木」といった旧国名を省いたパーツがそのまま残っているため、レトロ感は抜群です。

ここでは新祝園駅の自動放送の特徴をご紹介いたします。



男女声の使い分けは方面別で、上り:京都方面が女声、下りが男声です。
当駅折り返しの電車はありませんので特例もございません。

通過メロディーは収録中、すべて8回固定でしたが、いただいた情報によるとこの駅では出発信号が赤になるまで流れることもあるとか…。


ホームの案内ですが、接近する電車が停車するか通過するかにかかわらず「○番のりば」と案内します。

先着案内は旧放送でも文面が分かれるところですが、この駅では追い越された後のすべての優等列車の停車駅を流すようになっています。

流暢にこだわりすぎて…。

旧放送のパターンは2つにわかれます。

・流暢に流そうと工夫しすぎて声量の弱いタイプ
・パーツの区切りをあえて作っていろんなパターンに応用できるようにしたタイプ

この駅では前者の放送が用いられており、流暢に流そうと工夫されているため確かにつっかかりはなく流れるものの、そのせいで肝心の声色がかなり弱く。

かつアクセントもないので淡々と流れるだけ…という印象です。

同じような傾向は丹波橋駅などにも見られます。


一方後者は説明だけを見ると退化したように見えますが、実はこちらの方が現行の放送にも多く取り入れられている方式なのです。

あえて単語と単語の間を適度に開けることで聞き取りやすくなるように工夫されていまして、たとえば

「3番のりばに / 奈良行き / 急行が / 6両編成で / まいります」

といった場合、斜線の位置で0.2秒程度の無音を設けることで聞き取りやすさを確保しています。

両数後付け

この駅の放送で最大の特徴が両数の言い方。

普通は「京都行き各駅停車が"6両編成で"まいります」と流しますが、この駅では両数の案内を最後に流すようにしています。


この形式の案内は近鉄でも大変珍しいもので、実は現在発見されている例はこの駅と高安駅の2件しかありません。

大阪阿部野橋駅が今年初めに放送更新を食らう前までは同じ形式だったのですが、新放送に変わった今ではこの少々回りくどい案内が廃止されています。


これは他駅の例をみるように切り離しの案内が頻繁に入る駅や、そもそもの切り離しが行われる駅に近鉄の気まぐれで導入される放送なのです。

大して新祝園駅では切り離しなどの要素は皆無。分割・併合はすべて新田辺駅で済ませてしまうためこの駅ではいっさい関係がありません。


はたしてこの形式がなぜ入れられたのか、謎は近鉄のみぞ知るのです…。


以上、新祝園駅の放送概要でした。

それでは~!


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