みなさまこんばんは。先日投稿させていただきました323系の車内表示再現の方はもうご覧になられましたでしょうか?
早くも3,000再生を突破し大変ご好評をいただいておりますが、今回はこの再現動画の裏側をご紹介しようかと。
どのようにしてあの再現動画ができあがったのか、その工程をさらっと振り返ってみます(*´ω`*)
資料入手
様々な「使いやすい」を突き詰めた工夫が見られますが、それは表示面でも同じこと。
この車両ではJR西日本初となるドアや出口の案内が開始されたり、ループラインにちなんで円を描いた路線図が表示されたり、さらに各駅ごとに設定されているデザインが背景に表示されたり等、あの手この手で飽きがこない表示を追求しています。「見て楽しむ」工夫が凝らされているのです。
その分大事なのはいかに首尾よく素材を集めるか。卓上でどうこうしていても何も始まりはしません。
また同様にマナー啓発もイラスト満載で表示されるのですが、これがのりかえのある駅では滅多に表示されないというなかなかの難敵。非常に厳しい試合を強いられました。
集めるのにおすすめの区間はありません。ただ乗る機会を増やして出るのを待つだけです。
レイアウト制作
続けて大まかなレイアウト制作です。実物の動画と比べて「あれ?雰囲気が違うぞ」と感じた皆様、その通りです。
環状線周回電車を再現してるからと言う点だけではなく、仮組みの時点では文字の大きさが合わなかったり色合いが異なったりなど、実物との差異が非常に目立ちました。
半透明にした素材を透かして円の大きさを合わせたりしたのはいい思い出です…。まあ最終的にどうしても揃わせると見栄えが悪くなるということで、少しだけ実物より長めにしたんですけどね( ˘ω˘ )
この行き先表示を作りたいがために取りやめに。
2,3件ほど「環状線を回るほうも作ってほしい」というご要望はいただいておりますが、再現する計画はございませんのであしからず。
文字の打ち込み
ここまでくれば大詰め、あとはテキストの挿入です。今回は実物に出来る限り寄せるためフォントにはかなりこだわっています。
文字入力の折にはGoogle大先生に大変お世話になりました。
まず和文フォントですが、こちらは実物と同じくかの有名な「新ゴ」を、英数字には「Frutiger」を用いました。ただしFrutigerには長音記号の付いた文字(Ōやōなど)が登録されていませんので、そこは別フォントで補っています。
中韓表記については使用されているフォントがわからなかったためそれぞれ(先日購入したフォントパックにもれなく付いてきた)「DFHei-GB」、「DFK-Gothic」を使用。調べていただけばフォントが見つかると思います。
少し中国語簡体字の方は太さに差が見られたり違いがありますが、おおよそ同じということでそのまま使いました。
表示のアラカルト
表示の仕様
323系では24秒で1サイクルとなっており、次のように振り分けがなされています。
8秒 日本語:漢字
4秒 日本語:平仮名
4秒 英語
4秒 中国語(簡体字)
4秒 韓国語
計算すると日本語12秒、他国語12秒で1:1になるようになっています。
本来であれば日本語がずっと表示されていてほしいものですが、ディスプレイの大きさを考慮すると文字が小さすぎて見えなくては意味がありませんからそこは置いておきまして。
表示サイクルは次の通りです。
次駅案内時
第1サイクル:周回表示
第2サイクル:詳細表示
第3サイクル:
・日本語:出口の案内
・他言語:のりかえ案内(乗換がない場合は引き続き出口案内)
次駅接近時には
共通サイクル1(2回)
・日本語:出口の案内
・他言語:のりかえ案内(乗換がない場合はマナー啓発)
共通サイクル2
(次駅案内時に同じ)
停車中には
開扉側
・日本語:出口の案内
・他言語:のりかえ案内(乗換がない場合は引き続き出口案内)
閉扉側
第1サイクル:周回表示
第2サイクル:詳細表示
の順にグルグル回ります。なお桜島行きの桜島到着時、天王寺行きの天王寺到着時にはドアの向きが固定されてないため出口の案内が行われません。この時に限り接近時も出口の案内は行わず、最初から共通サイクル2の方に飛びます。
のりかえ案内がある場合でも信号待ち等で長時間接近状態になった場合にはマナー啓発表示が出されますが、一度しか出くわしたことがないため条件は不明です。
なお他線区で遅延が発生している場合、各サイクルの終わりに遅延情報が表示されます。
本編では意味もなく阪和線に犠牲になっていただきました( ˘ω˘ )
マナー啓発表示
マナー啓発表示は放送と同じく以下の4種類を確認しています。
・非常ボタンと取り扱いに関するもの
・優先座席について
・車内での犯罪行為を見かけた場合の通報先(225系や321系などと共通の表示のため関西2府4県の警察が表示されています)
・携帯電話など聴覚面での迷惑行為について啓発するもの
先述の通りこれが大変厄介で、マナー啓発放送と連動しておらず4種類からランダムに表示されるため、いつ表示されるかわからないという代物なのです。
なお一度どれかが表示されると同一駅では2サイクル間その案内のみ表示されますが、3サイクル(?)以上になると別の2種類に変わります。
出口案内
出口の案内は見た目の割に作りは簡素です。
アイコンは1両あたり2つまで入る大きさになっています。
再現した区間で確認できたアイコンはご覧の通り。
意外にも10種類近く存在し、簡素な上下のエスカレーターや階段に加え階段とエスカレーターのくっついたものや、ホームに向かって垂直に接する階段(京橋駅)、ホームと直結している改札(鶴橋駅)など特定の1駅でしか使われていないものも数点存在したり。力の入れようが伺えます。
改札口が2箇所以上存在する場合には出口ごとの階段の位置と乗換に便利な改札まで案内されます。
大阪駅規模になるともうどこがどこにつながっているのかわからなくなってしまいますが、寺田町のようなパターンだとその特徴が見やすいかと。
なお出口によって乗換経路が異なる場合はその旨も表示されます。
大阪駅ではすべての乗り換え口から少なくとも自社線へは乗り換えができるため、出口を案内するフェーズでのりかえの案内は行われていません。
以上、323系の表示の特徴と再現の裏側でした。
Twitterでフォローさせていただいている方に関東のE233系車内表示を中心に、車内表示を再現されているむさしのチャンネル様がいらっしゃいますが、はたしてあの長さの動画を作るとなるとどれほどの時間がかかるかと思うと…想像したくもないです()
おそらくもう二度としません。一回きりの本気の再現になると思います。…きっとです。
それでは~!