京阪電車の“消えた”名物放送

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先週25日、京阪電車からある名物案内放送がなくなったのをご存知でしょうか。

淀屋橋出町柳に行った方なら一度は耳にしたあの放送です。


「特急は車内整理ののち今お並びの乗車位置に入換しますので、そのままお待ちください」


乗車位置の前に停まってしまうと降車客と導線が重なってしまうということ、また座席転換を兼ねて長らく行われてきたもので、春の行楽シーズンには「まだご乗車にならないでくださーい!!」と構内放送で怒られる不慣れな乗客を見るのも風物詩となっていました…が。

この導線が重なることが大して問題ではないとなったのか、折り返し時間の短さが災いしたのか、それとも今度導入される「京阪プレミアムカー」の車内清掃中に入れ換えを行うと危ないとなったのか…25日付で二段階停車が廃止となりました。


もちろんこれを案内する駅自動放送も存在しました。

出町柳駅は車内放送と同じ音源ですので希少性が薄いですが、淀屋橋駅では初代京阪特急車内放送を務められた大伴英嗣さん吹込みの放送が残っており、また駅員さんのボタン操作がないと流れないという非常に収録が難しい案件となっていました。

今回は廃止の前日に出向いて収録してまいりましたので、ぜひぜひお聞きくださいませ。



昨年3月ごろに一度放送更新を挟んでおり、日本語放送での声の主は大伴英嗣氏のまま変わっていませんが、そのあとに大阪市営地下鉄の駅構内男声英語放送でおなじみ、ピーター・フィンケ氏吹込みの英語案内放送が加わっています。

放送文は以下の通りです。


降りる方が済みますと扉を閉め、車内整理ののち今お並びの乗車位置に入換しますので、そのままお待ちください。

Your attention, please.
After all passengers have left the train, the doors will be closed to organize the inside of the cars.
The train will then move forward to the normal stopping points.
Please kindly wait for a few moments until the train is ready to board.

「車内整備」ではなく「車内整理」と言い張る当たりが「転換しかしないぞ」という意思の表れっぽくて個人的には好きなのですが、それはさておき。


「お知らせいたします。
すべての乗客がお降りになりましたら、車内の整理を行うためドアを閉めます。
そののち電車は通常の停車位置(乗車位置?)まで前進します。
ご乗車の準備が整うまで今しばらくお待ちください」

日本語が一文なのに対し、英語はなんと長々と四文に分けてそのまま直訳しています。
(ただし最初のアテンション~はおそらく、単なる「今から英語放送始めるぞ宣言」なのでむしろ高評価としまして)


もう少し手っ取り早く、

Your attention, please.
The train will move to the boarding locations when it is ready to board.
Please wait on the platform momentairely.
([]内は放送分からそのまま抜き出し)

「お知らせします。この電車は乗車の準備ができたら乗車位置に移動します。ホームでしばらくお待ちください。」

とかではダメだったのでしょうか…( ・ω・)


あともう一か所引っかかるのが「stopping points」と言う表現です。

最初はpoint、単数形で「停車位置」と言ってるのかと思いましたが、聞けば聞くほどどうも複数形のsが入っている。…となると「乗車位置」と言いたいのかなぁ……と。

乗車位置はBoarding pointやBoarding position、もしくはBoarding locationなどと言うのですが、いずれにせよstopping(停まるための)ではなくboarding(乗るための)と言うと共通しているのです。…なくなっちゃった放送に文句を言っても仕方ないですけどね(*´∀`*)


以上、淀屋橋駅の消えた構内放送についての記事でした。

今後は駅の方は肉声案内のみで、車内の方だけ自動放送にする…とかで補うのでしょうか。この辺りも気になります。


それでは~!

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