【マナー啓発放送4本】急行 国際会館行き 車内放送

日中毎時1本程度と、他社と直通運転をしている割には大変少ない本数しか設定されていない烏丸線との急行。

かつては毎時2本設定されていた時代もあったようですが、それも今は昔。近鉄全体で減便の傾向にあるため、多少はやむを得ないものもあるかもしれません。


さてこの国際会館行き、はたして何が厄介かと言うと、この電車も同じく京都駅に行くのです。…ただし地下鉄の京都駅に。

つまり同じ京都駅に行くとはいえ、地下鉄に直通する点から別料金が必要になって来るわけですから、駅放送でもしきりに近鉄京都に行かない旨を案内しています。…ということは車内放送も……?

というわけで今回、近鉄車での運用を狙って録音してみました。



正直、期待していたほど過剰な案内はありませんでした。元が丁寧を極めた案内ゆえ、付け足された部分が少ないように感じるだけかもしれませんが…(


「地下鉄は別料金だ」と英語で案内があってもいいものですが、唯一「地下鉄線経由」という案内があるくらいです。

You need a ticket for the subway line to take this train beyond Takeda.

こんな感じか、もしくは「必要である」を表す「need」を難しくして、個人的に大好きな「must be with」といった表現にしてみるとか…この辺りで地下鉄線には地下鉄のきっぷが必要だとも言って欲しいところです。


竹田駅手前ではそれほどあーだこーだと言うわけではなく、近鉄京都に行かないとさらっと宣言し、かつ地下鉄線は別料金だということがまとめられており、こちらは駅間の短い間に必要な情報を詰め込む、簡潔でいい放送だなーと個人的に感じました。

注目ポイント

注目すべき点としては新大宮発車後の平城宮跡の案内や、多種多様なマナー啓発案内が入っている点でしょう。

特にマナー啓発案内については車掌さん次第で流れるものですので、運に恵まれない場合には携帯電話の案内以外流れない場合もあり注意が必要です。

以下にマナー啓発放送それぞれの案内を載せておきます。なお携帯電話の啓蒙については流れる頻度も多く、以前別記事で紹介したため割愛させていただきます。

危険物の持ち込み禁止について(高の原発車後)

お客様にお願いいたします。駅や車内への危険品の持ち込みは禁止されています。不審物や不審な行為にお気づきの場合は、乗務員や駅係員までお知らせください。

Bringing dangerous articles into stations and trains is prohibited. If you notice a suspicious article or behavior, please let a crew member or station attendant know.


伊勢志摩サミット開催時期にはよく聞けたというこちらの放送も、いまではほとんど流れません。

英語での案内もしっかりと収録できた点がなかなか良かったかなーと(*´ω`*)

危険物の「物」を表す単語が、itemsではなくarticlesと若干重々しい単語になっているところ、let 人 knowで使役動詞を使っているところなどがなかなかポイント高めです。

座席のゆずり合いについて(新田辺発車後)

お客様にお願いいたします。座席はおたがい譲り合って一人でも多くかけられますよう、またお年寄りや体の不自由なお客様に座席をおゆずりくださいますよう、ご協力をお願いいたします。

Please sit close to each other so that asmany passengers as possible can be seated. And please be prepared to give up your seat to elderly and disable passengers. Thank you.
(赤字個所が動画では誤ってclosedとなっています)


日本独自の表現「ゆずりあい」をどう訳すか。こちらは「互いに詰めて座るように」と訳しています。なかなかお目が高い。…のですが、一つ問題が。

日本語では「お年寄りや身体の不自由なお客様」とおきまりの定型句が持ってこられていますが、対して英語ではelderly and disable passengers、つまり「お年を召していて、そして身体の不自由な方」とかなり限定的になってしまっています。

本来ここには「or」が入り「お年を召しているか、身体の不自由な」になるべきところが…惜しい!

優先座席の案内

お客様にお願いいたします。各車両の一番後ろに優先座席を設けています。
優先座席ではお年寄りや体の不自由な方、妊娠されている方に座席をおゆずりください。ご協力をお願いいたします。

This train has priority seats reserved for elderly and disable passengers and expected mothers at the back of each car. Thank you.


この放送のポイントはただ一つ、優先座席の位置によって放送が変わるところでしょう。前か後ろで使い分けがなせるというのは、なかなか画期的なもので。

近鉄さんらしいこだわりです(*´ω`*)


こんな感じで3点、目新しいマナー啓発を収録できたので取り上げてみました。

他にも駆け込み乗車を抑止する啓蒙、塗れた傘をたたむように指示するものや、混雑時にバッグを前に回すよう促すものなど多数ありますが、流さない乗務員さんが大半と言うのは悲しいところ…。広まってほしいところです。


さて3月も明日で終わりますが、実は本日3月30日は奈良方面で通勤種別の車内自動放送が使用開始されてから、ちょうど1年を迎える日だったりします。

大阪線南大阪線名古屋線ほかの車内自動放送もそろそろ始まっておかしくない時期ですが、はてさていったいいつ始まるのでしょう…非常に待ち遠しいですね。できれば「矢田」を四か国語でいち早く録りたいところです。


それでは~!


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