大阪駅の消えた”ダイヤモンド”

駅の表示というものは常に変更の可能性を秘めています。ソフトの更新、ダイヤの変更、駅員の気分…そういったものである日、急に変わったりします。

今回は駅設備の増設で消えてしまった表示のお話です。



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今回の舞台は大阪駅の電光掲示板です。

すでに無くなった表示ですのでその当時の状況をまとめますと、各方面への列車と旅客が一点に集まるという大阪駅ならではの事情により、この駅の乗車位置はJR西日本が用意したすべての組み合わせがそろっているのではないかと言うくらい、種類が多岐に分かれていました。


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まずはポピュラーな白色○印。4ドアの普通と快速用です。


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白色△印。新快速用です。


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黄色↑印。本線ではよく見かけますね。3ドアの快速用です。


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そして白色↑印。3ドアの普通用です。


このように普通は白色の位置、快速はオレンジ色の乗車位置、そして新快速は△印という棲み分けがなされています。


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なお先述の通りこれらの表示はすべて過去のお話で、現在は種別による色分けを行わない方針となり、記号と数字のみが表示・放送されるようになっています。



そして当時見ることができた乗車位置案内のうち、白色矢印以外の表示がすべてそろった画像がこちらです。


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…おや、3段目に見慣れない記号がありますね。

これが今回ご紹介するひっそりと消えた乗車位置、「◇印」です。

白色◇印

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「◇印」は大阪駅の6番のりばにて、JR神戸線の普通電車とJR宝塚線の普通電車を分けるために整備されていました。

ありそうでみかけない「◇印」という乗車位置。
実はこれ、非常に珍しい設定でした。


なんとこの乗車位置はSUNTRASの管理する圏内で、唯一大阪駅にのみ整備されていた代物だったのです。

つまり唯一使用されていた個所から消えた今、「◇印」という案内はどの駅でも見ることができません。



またさらに特殊なポイントとして、英語放送では"diamonds"(ひし形)というここでしか聞くことができないパーツが流れていた点も珍しいといわれた所以でした。


この同じドア数でも行き先別に乗車位置を分けるという、きちんと機能すれば画期的な方策ですが、しかし実際のところこれはあまり効果がなかったようです。

特に日中は○印と◇印に思い思いに並び、電車が来たらどちらの列も進む…という状況でした。


これを鑑みてかホームドア導入とともに◇印は廃止。○印に統合され、人知れず静かに消えていきました。

番外編 消える乗車位置のお話

記事のはじめに「色で種別分けをしなくなった」と書きましたが、それとは別で、JR西日本の乗車位置案内は稀に色か記号、もしくはその両方が消し飛ぶことがあります。

つぎの画像をご覧ください。


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こちらはまだ色が表示されていた時代に撮影したものですが、5時ちょうど発の普通電車の乗車位置案内が番号だけの歯抜け状態になっており、なんとももどかしい表示がされています。

これは別にこの部分だけLEDの基盤が故障していたわけでもなく、中途半端に仕事をさぼっているわけでもなく、こう言う仕様なのです。もちろん理由があって色と記号を非表示にしています。


なんとSUNTRASさん、その列車に対応する乗車位置(この場合は4ドア用の○印)がない場合は、番号だけを出すように変更できるというかなり臨機応変な対応ができるようになっています。

これに気づいた瞬間、私は心の底からこのシステムは(いい意味で)頭がおかしいと感じました。

乗車位置がないのに出しても並べないというクレームにもきっちり対応できる。さすがのSUNTRASです。



以上、大阪駅に存在したちょっと変わった表示についてご紹介しました。

個人的には「4ドア→四角形→◇印」、「3ドア→三角形→△印」のような頓智のきいた発想で復活を願いたいところですが、そもそも使用例が関西周辺に1つもない状況からの復活は万に一つもないでしょう。


大阪駅で普通電車を待つことがあれば、ホームドアが設置された陰でひっそりと消えた乗車位置にも思いをはせてみてください。

それでは~!

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