「やたてつ」というネジが数本飛んだ変態を作り出すのに大きく関与した駅が3つ存在します。
2つ目が今川駅。通過待ちをするせいで嫌でも放送を聞かされてきた駅です。中途半端を極めた詳細型放送で、子供心に「これはアリなのか」と非常に考えさせられました。こちらも先日役目を終えて新しい放送に変わっています。
そして3つ目、最寄り駅の矢田です。この矢田駅のみが現役で当時の放送をそのまま残しており、最寄り駅ということもあってかなり愛着がある放送です。
近鉄ではおなじみの通過と停車しか区別できない簡素な簡易放送しか導入されていませんが、これだけでも好奇心の塊だった物心つきたての私を突き動かすには十分な存在でした。
こちらがその放送です。わずか2分の動画ですのでさらっと流し見てくださいまし。
幼い私の好奇心をくすぐったポイントがこちらです。
通過と停車で文面が変わる
なにを当然のことを…とおっしゃるかもしれませんが、変わるのは「まいります」と「通過いたします」だけではないのです。
まもなく2番線に電車がまいります。
危険ですから白線の内側でお待ちください。
まもなく2番線を電車が通過いたします。
危険ですから白線の内側へお下がりください。
ここ!!ここです!!!!
もうこれを発見した日のことは鮮明に覚えています。
通過電車には乗れないから「下がれ」、停車する電車は乗れるから「待て」。
子供のころのこういった発見は記憶にずいぶんと残るもので、今も駅員さんの案内で通過電車に対しお待ちくださいと放送した暁には「通過電車やのに内側で待てってどういうことや」と心の中でツッコミを入れてしまいます。
このような放送はかつて近鉄全線に点在しました。
ちなみに詳細型放送でもこの使い分けを取り入れている駅が数駅存在しまして、、、
河内松原駅では「白線の内側でお待ちください」、「白線の内側へお下がりください」と矢田駅と同じ言い回しが。
藤井寺駅では「白線まで下がってお待ちください」、「白線までお下がりください」で言い分けていました。
そう、現存しないのです。上記の2駅は昨年「黄色い線」に言い回しが変更されています。
残念ながら黄色い線に置き換えられた後のパーツではこの使い分けという概念が存在しないため、停車、通過どちらも「黄色い線までお下がりください」になってしまいます。
この今は亡きかつての関西私鉄特有のこだわり。そういった点でこの放送が残っている駅は非常に貴重といえるでしょう。
以上、矢田駅の放送についてご紹介しました。
今川駅が更新されたのに合わせて「もしかして矢田駅も 黄色い線に更新された簡易放送 が入るのでは?」と焦って収録しましたが、心配はなさそうですね…(´ω`;)
私を20年かけて変態に育てた放送として、末永く頑張ってほしい気持ちがある反面、早く時代に合わせた放送に変えてほしいという気もする複雑な心境です。
更新されるとすると、こういった駅放送はある日突然姿を変えます。その時が来ても後悔しないように、自分のいつもを記録しておくのは非常に大切です。
みなさまも最寄り駅の思い出の放送を記録されてみてはいかがでしょうか…?
それではー!