笠岡行きと、豪渓行きと、時々間引き。

西日本を襲った平成307月豪雨から1週間が経ち、被害が軽かった路線では運転が再開され、少しずつですが復旧は進んでいます。
 
とはいえ今回の災害の傷跡は大きいものです。依然多くの方が避難所生活を余儀なくされており、また鉄道でも復旧の見通しがひと月は経っていない路線も存在するなど甚大な影響が出ています。
 

■笠岡行きと豪渓行き

イメージ 1

さて、山陽線の笠岡〜福山間についてですが、こちらは線路の点検が終了し14日より運転を再開する運びとなりました。
 
また伯備線の総社〜豪渓間も13日より運転が再開されています。普段折り返しとならない駅を運転区間の末端駅に設定したあたり「少しでも便利に使ってもらおう」という心意気を感じます。
 
今回はこれら笠岡行きと豪渓行きを姫路、播州赤穂にて撮影、収録してきました。
 


イメージ 2

笠岡行き、豪渓行きはともに定期ダイヤで設定がない列車です。両駅とも中線があるため折り返せてはいますが、本来折り返しは想定されていません。
 
しかしそこは抜かりないSUNTRASさん。仮にも山陽線上の折り返しができる駅ということは、今日のように20年に1度の頻度だとしても案内をする可能性がある駅です。
 
しっかりと笠岡行きには対応しており、まるで「なぜ出せないと思ったのか」くらいの白々しさで普通に案内を行っていました。
 
 
イメージ 3

ところが問題は「豪渓」行きです。
 
まず読み方が分からない方も多いのではないでしょうか。字面がかっこいいですが読み方も負けず劣らず“ごうけい”と読みます。
 
 
聞き覚えがない方が多いのも当然。豪渓駅伯備線総社駅から1つ先に進んだところにある中線を持つ平凡な途中駅です。もともと折り返しが想定されていた駅ではありません。
 
これはさすがのSUNTRASも完全に想定外だったようで全く対応できていませんでした。豪渓行きでは行き先を表示せず、かつ自動放送も簡易接近放送が流れる状態でした。
 
SUNTRASはほとんどの行き先に対応できる非常に優秀な案内設備です。しかしそこにはやはり限界があり、決して万能なわけではないということを思い知らされました。


イメージ 4

イメージ 5

姫路駅では視覚的な案内は何もありませんでしたが、播州赤穂駅では「行き先無表示は豪渓行き」の案内がありました。

「岡山方面」の文字があればなお良し!です。
 

■「岡山方面」問題

山陽線伯備線方面行きの列車の表示・放送案内をまとめておきたいと思います。
 
・「岡山方面」が付く
 糸崎行き
 三原行き
 備中高梁行き
 新見行き
 
・「岡山方面」が付かない
 笠岡行き ←NEW!!
 福山行き
 広島行き
 下関行き
 
 
SUNTRASでは「経由地を強調する必要がある」場合、もしくは「その駅名が全国的に著名ではない」場合に直近の主要駅を「○○方面」で案内するようになっていますが、笠岡行きではどういうわけかついていませんでした。
 
おそらく通常ダイヤで表示することが無いため作成されなかったのでしょうが、万が一にもこうして使う機会がありますので方面の案内をつけてあげてほしいところです。
 

■間引き運転と各路線の復旧予定について

現在も山陽線伯備線では間引き運転を行っています。先日の記事で少し語りましたが、これは福山―三原間が復旧しておらず、糸崎に留置している車両を使えないためです。
 
今回収録した笠岡行きの1本前に走る備中高梁行きの列車も、伯備線に入る電車の本数を間引くため岡山止まりに変更されていました。
 
明日18日、三原まで復旧した暁にはようやく糸崎に留め置いたままの車両も動かせるようになりますので、山陽線については本数がほぼ通常通りにまで戻るようです。
 
 
山陽線の三原~海田市間についてはやはり土砂崩壊に加えて変電所の水没が重なってしまったのが大きく、復旧は早くとも9月近くになるとのこと。
伯備線の豪渓~上石見間も同様です。
 
そのほか津山線(玉柏~野々口)、姫新線(上月~新見)、因美線(津山~智頭)についても再開まで1か月以上を見込んでいるとのことです。
 
 
一方、因美線の智頭~鳥取方面は18日に復旧予定です。これが復旧すると岡山、関西から智頭急行線、因美線経由で鳥取方面へのアクセスがようやく完全に復旧します。
 
山陰方面へのアクセス路として大いに活躍してほしいところです。


それでは~。
Written by Yatatetsu ... All Rights Reserved