これまで8回にわたってヒゲ文字サインをご紹介してきましたが、実はご紹介してきた中には「ヒゲ文字もどき」であってヒゲ文字ではないものも含まれます。
由緒正しき「ヒゲ文字サイン」はたとえばこちらです。
書き始めの位置に山がつけられており豪快さが目につきます。
一方のヒゲ文字っぽいけどヒゲはないヒゲ文字もどきがこちらです。ヒゲ文字特有の縦横比は変わりませんが、特徴的なヒゲが存在しません。
小さい文字によく見られ、裏表でヒゲ文字とヒゲもどきが同居していることもあります。
そして旧サイン、大阪市営地下鉄のサインシステムにつながるわけですが、
実はヒゲ文字から旧サインになる直前に別のサインシステム、「旧々サイン」と呼ぶべきサインが存在していたことが分かっています。
配色などはヒゲ文字サインに通ずるところはあるものの、ヒゲ文字特有の文字の直線感と縦長感を一切感じさせないサインが残っています。
しかもこのサインが残っているのは大阪市営地下鉄直轄の出入り口です。
ヒゲ文字のセオリーともいえる商業施設が管理する通路ではなく、大阪市営地下鉄の手が直接届く出入口にこれが残っているのです。もうこれだけでテンションが上がり放題ですね(?)
裏から見るとこの様子です。ヒゲ文字サインでは「○○方面出口」となっていそうなところですが、旧サインシステムに通ずるところがある黄色一色、出口番号のみ表示というデザイン。
ヒゲ文字から旧サインシステムへの過渡期に設置されたサインらしい特徴です。
駅構内
駅構内にも残り放題です。あって当然のような面構えで今も活躍しています。
千林大宮駅は番外編でご紹介しようと思っている4駅の中で、一番取り替え率が悪い駅です。言い方が悪いですが「そこら辺に転がってる」状態でした。
駅構内
改札を出るとすぐに出てくる白地の「きっぷうりば」。野江内代でもご紹介しましたので詳細は割愛します。
切符売り場から少し離れたところには「のりば」の案内板が。
野江内代駅のものとは縦の長さがそもそもことなるため、別物のように見えます。
出口方面へ進むと元気よく旧々サインがお出迎え。
野江内代と同様に2号出入口は生存状況がよかったため、まずはこちらからご紹介いたします。
2号出入口
野江内代のものと比べて塗装の禿げもほとんどなく、保存状態は良好です。
また2号出入口では裏面も「千林大宮駅」の表記になっており、かつこちらは入口から見えないためナンバリングは張られておらず、「②出入口」のシールもなく、完璧な状態で残っています。
…そんな2号出入口にも「メトロの波」がすぐそこまで迫っていました。1メートル上にメトロのマーク。
もしメトロがコマルマーク全滅を狙っているとすれば終焉の時は近そうです。
1号出入口
1号出入口は商店街に直結しています。
アーケードが当初からあったのか存じませんが、そのおかげもあって風雨が防げ、かつ強い日光も当たらないため状態が非常に良いです。
裏面は黄色地「出口①」表記でした。
3号出入口
駐輪場に直結している3号出入口では千林大宮駅の出入り口で唯一、旧サインシステムへの変更が済んでいました。
ここにも迫るメトロ化の波。唯一まともな出入口が普通の出入り口になる日も近いでしょうか。
4号出入口
さすがに1駅に3件も残ってしまっていると保存状態コンテストをするしかなくなってきますが、こちら4号出入口のものは日光が当たる個所ということで色あせがすこし目立ちます。
裏面は1号出入口同様、黄色地の「出口③」表記です。
たとえばこちら。
そもそもフォントが異なりますし、中国語の「乗」がつぶれていますし、韓国語に至ってはアート見たくなっていますし…
このように旧々サイン以外にも見どころが満載ですので、いろいろ楽しまれてはいかがでしょうか。
次回は太子橋今市と守口をご紹介いたします。それでは~!