駅放送というのは大変面白いもので、十年以上稼働していて一度も情報が上がっていない放送や設定がある日、急に流れたり適用されたりします。
今回はSUNTRAS型放送では先例がない設定変更に関するお話です。
仮駅舎に移る際に駅の旅客案内システム機器が取り替えられたようで、駅舎移行を境に放送がわずかに変わりました。
その変わった点というのが…
■再生速度
なんと放送を流すスピードが変わっちゃいました。
古今東西、年に数えきれないほど、大小を問わず放送の設定変更は行われていますが、再生速度が変更されたという事例はほとんどありません。。再生速度を変えるとメロディの音程が変わったり、声が安定しなかったり(*)などあまり利点が無いためです。
*極端な例ですが、再生速度を変えすぎると放送が全て、早口な万引き犯罪者のモザイク音声になります。
まずはどのように変わったかをお聞きください。
*最初の解説部分からしっかりお聞きください。
■「変わった」というより「戻った」
SUNTRAS型放送のうち村山・よしいペアが担当する放送は、当初から再生速度が遅く設定されています。
といってもむちゃくちゃな再生速度で流れているわけではなく、本来より少しだけ遅いおよそ0.98倍速です。
再生速度が遅くなっているため、環状線の放送と同じ音源を用いていたとしても、それとはメロディの音程と速度がずれてしまいます。
■本当に「速くなった」の?
先ほどご紹介した動画にいただいたコメントで、次のようなものがありました。
といったものです。つまり遅いものから本来の速さに戻ったのではなく、本来の速さよりも早くなってしまったのではないかというコメントでした。
これはメロディに注目すると、やはり通常時が遅くなっているものだと解釈することができます。
たとえば京都駅の放送で見てみましょう。音質改善前に使用されていたメロディは、今の放送が導入されるよりも前の放送から流用していました。この音質改善前のメロディもやはり、旧放送のメロディを0.98倍速で再生した時と同じように音程が下がっています。
また阪和線のメロディも同様です。音質改善前に流れていたものでも、今流れている派手派手しい方でも構いませんから、今の放送で使われているメロディを1.02倍速にして再生してみてください。見事に旧システムのころと同じ音程になります。
また多少不確実にはなりますが、放送に注目しても見分けることができます。
村山・よしいペアが担当していた放送はSUNTRAS連動放送に限りません。北陸方面の主要駅で使用されていた、SUNTRAS型放送とことなる放送文の放送を担当していました。
この放送の声は、どちらかといえば今回ご紹介した野崎駅の放送に近いものとなっています。
…といったところから、通常の放送が遅くなっており、野崎駅の放送が本来の再生速度であることがわかります。
■放送関連のトラブルといえば…
放送関連のトラブルといえばもう一件、奇しくも学研都市線関連で発生したものがあります。
それでは~。