SUNTRAS型放送と言えば英語放送も有名です。どんな運転変更が行われても対応でき、さらに英語でも案内できるとなれば言うことはありません。
そんなSUNTRAS型放送が初めて導入されたのは西明石~草津間で、2002年のことです。2002年の時点で現在の放送システムが形になっていたというから驚きですよね。
この記事では、英語放送に焦点を当てて詳しく見ていきます。
英語で流せる案内
JR西日本は自動放送に対するこだわりが非常に強く、英語放送にもその色が濃く出ています。
流すことができる案内も多種多様です。ほぼ日本語で流した内容をすべて流すことができるようになっています。
接近予告放送
出発時刻、種別、列車名(列車愛称)、行き先、遅れ、両数、乗車位置、車内設備(自由席・指定席号車)、停車駅、先着案内、変更案内
JR宝塚・東西・学研都市線、阪和線、湖西線のシステムではこれに加えて、途中駅で普通電車と連絡する場合、その旨も流すことができます。
接近放送
文面は固定です。種別や行き先は流しません。
You attention, please. A train will soon be arriving at track ◯. For your safety, please stand behind the (dimpled) yellow line."
「ご案内します。まもなく○番線に電車がまいります。安全のため、黄色い線までお下がりください」
通過電車の場合は、
You attention, please. A train will soon be passing through track ◯. For your safety, please stand behind the (dimpled) yellow line."
「ご案内します。まもなく○番線を電車が通過します。安全のため、黄色い線までお下がりください」
停車中放送
種別、列車名(列車愛称)、行き先
環状・大和路線、JR宝塚・東西・学研都市線、阪和線、湖西線のシステムではこれに加えて、先着案内を放送します。
また、JR宝塚・東西・学研都市線、阪和線、湖西線のシステムでは、優等列車が途中駅で普通電車と連絡する場合、その旨も流すことができます。
接近放送の英語放送は大阪環状線系統の放送でおよそ12秒、それ以外の路線ではおよそ14秒要します。
言い換えれば、日本語放送が終わってから12~14秒間もメロディが流れない時間が存在するということです。この長さもあって積極的に使用している駅は少ないのが玉に瑕。
試験的に使ってみて、問題がなければ積極的に活用してほしいと思います。
英語放送が流れる条件とは?
主要駅ではほぼ全駅で使用されていますが、そのほかの駅はと言うと流れていたり流れていなかったり、統一されていません。
たとえば大阪環状線を例に取り上げますと、
天王寺 → ○
寺田町 → ×
桃 谷 → ×
鶴 橋 → △(設定が頻繁に変えられます)
玉 造 → △(快速列車では英語なし)
大阪城公園 → ○
京 橋 → ○
桜ノ宮 → ○
天 満 → ○
大 阪 → ○
福 島 → ○
野 田 → ○
西九条 → ○
弁天町 → ○
大 正 → ○
芦原橋 → ○
今 宮 → ○
新今宮 → ○
○=英語放送あり、×=なし
2020年現在は、このような設定状況となっています。つまり寺田町、桃谷、鶴橋以外の駅に行けば、曲がりなりにも英語放送が聞けるわけです。
乗降客数では常に最下位争いをしている芦原橋や今宮でも英語放送があるのに、安定した利用者数の桃谷や寺田町では英語放送がなかったり、ましてや近鉄線との乗換駅であり利用者も多い鶴橋で英語放送が流れないことがある、というのは不思議な話です。
いったいどういった条件で英語放送を流しているのでしょうか。
実は条件はありません。英語放送は駅の判断で流すか流さないかを決められます。
SUNTRAS型放送が導入されている駅であれば、どの駅でも設定次第で英語放送を流すことができます。つまり駅員さんの気分次第で急に流れだしたり、かと思いきや全く流れなくなったり、変更することができるのです。
実際に大阪環状線 鶴橋駅では当初全く英語放送が流れていなかったのが、
2018年の夏ごろ、突然英語放送を流す設定に変わり、
2か月後くらいに再訪するとまた英語放送が完全になくなり、
それから2か月ほどして訪れると今度は接近予告放送のみ英語放送が復活した、
と思えば2019年9月にはまた流れなくなった
…と二転三転している例もあります。
同じく大阪環状線の天王寺駅も、たまに英語放送をなくしてみたり、増やしてみたり試行錯誤しているようです。
過去に英語放送が流れていたからといって、その後もずっと英語放送が流れているわけではありません。設定変更には要注意!