「小糸っぽいゴシック」

私には昔からずーっとほしかったフォントがありまして。

このフォントは厄介なことに、今も使われているフォントなのにいくらお金を積もうと変えないんです。


そのフォントというのが たとえばこういうところ に使われているビットマップ(ドット)の24ドットゴシック体。小糸製作所という会社が製作した行き先表示に使われているため、「小糸ゴシック」と勝手に呼んでいます。

関西近辺では221系・223系(一部除く)・225系の前面表示や近鉄のLED表示(特急・一般とも)、南海の側面表示などで見ることができる整ったあのゴシック体です。

ただ完全に業務用のフォントのため、いくら待てども当然出回らないのです。


…というわけで、出回らないものをいくらほしいと叫んでも何も変わりませんので、それっぽいフォントを作っちゃおうと一念発起しドットだけ打っちゃいました。


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8月24日に作業を開始しておよそ2か月。
英数字とひらがな・カタカナ、第一水準の漢字(2965文字)の合計3000文字以上をとりあえず打ち終えました。暇人ここに極まれりです。

灰色地に白字の部分が実際に表示されているドットパターンを使用した箇所、そのほかのオレンジ色の部分が自作文字です。



…といっても一からすべての漢字の字形を考えたわけではありません。実は小糸ゴシックには基になったであろうフォントが存在します。

それが「jiskan24」と言われるワープロ全盛期に開発されたフォントで、これまたよく電車の行き先表示にも使用されています。
223系ほかの側面表示に使用されているあの明朝体フォントもjiskan24(一部改変あり)です。

このjiskan24と小糸ゴシックを重ねてみると

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(上からjiskan24、小糸ゴシック、比較)

このようにほぼドットパターンが一致します。

漢字で試してみても

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(同上)

当然同じフォントではありませんから1ドット単位のずれはあるにしても、偶然とは思えないくらい字形が一致します。

以上から小糸っぽいゴシックの自作文字は、jiskan24をゴシック体風に太らせる形で製作しました。



いつか他の方にお願いして実際にフォントにしたいという願望はあります……が、2か月もかかってしまったため途中で何度も方針がぶれてしまい統一できていない点を直したいのと、まだドット打ちがきれいでない文字があるため直したく、まだ地道に調整をしております。

完成しましたらこちらのブログで報告したいと思っています。もうしばらくお待ちください。


それでは~!
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