下手な「再開見込み」が招く混乱

今日はちょっと真面目な話を。

以前にもTwitterで触れたことがあるかと思いますが、ダイヤ乱れ発生時の「運転再開見込み」に関するお話です。

本題に入る前にまずは次の3枚の画像をご覧ください。


イメージ 1
2019/05/11 阪和線 人身事故
再開見込みを25分繰り下げ

→実際に再開したのは00:32
(当初の見込み時間より+58分


イメージ 2
2019/05/07 学研都市線 人身事故
再開見込みを30分繰り下げ

→実際に再開したのは23:06
(当初の見込み時間より+26分


イメージ 3
本日(05/12) JR神戸線 人身事故
再開見込みを30分繰り下げ

→実際に再開したのは20:29
(当初の見込み時間より+14分
*新快速・特急は21時17分に再開。



以上3枚の画像は、過去1週間(05/05~05/12)の間にアーバンネットワークで起きたすべての人身事故の遅延情報の一部分をスクリーンショットしたものです。

何が言いたいかと言いますと、3件しか起きなかった人身事故のうち、そのすべてで途中から再開予想時刻が30分ずれこんでいるのです。

運転再開時刻がずれすぎではないか

今回物申したいのはこの件です。JR西日本のホームページに掲載される運行情報について、人身事故の場合に限りますが、見込みが甘すぎるのではないかと日々感じます。


この見込みの立て方もおそらくかなり適当なのでしょう。

先ほどの3件を見ていただけるとわかるかと思いますが、事故発生からおおむね1時間後の時刻が見込み時刻として掲載されているかと思います。

多くの事象で30分程度後ろにずれているにもかかわらず。実際には1時間半を要しているケースが多いのに、です。

何度も起こしているわけですから、これを「いや、事故の見込みなんて予想できないしずれることもあるから……」で庇うには無理があるのではないでしょうか。

最初から見込みよりも少し遅い時間を書いてほしい

ここで提案したいのが、最初から本来の見込みよりも少し遅い時刻を見込み時刻として掲載するという手段です。

理想的な事例を同じ会社の違う支社から見つけました。

イメージ 4

今朝、広島支社が発信した運行情報を見てみましょう。

6時45分ごろに可部線で人身事故が発生し、全線で一時運転を見合わせ。
8時30分に再開見込みと一旦公表し、その後8時15分に変更するという案内が掲示されていました。

見ていきたいポイントは2つ。


まず1点は当初の再開見込み時刻について。

6時45分に発生して8時30分に再開見込みですから、1時間45分後には再開できるだろうと見立てています。1時間と想定するアーバンネットワークと比べ非常に余裕がある時間設定です。


そしてもう1点が、長めに想定しておき、現場の状況に合わせて早めるという対応ができている点です。これが理想とする対応ではないかと思います。

再開時刻が繰り下がってしまった場合は、当初の再開見込み時刻のみを確認して「もうする再開するだろう」で来た客に説明する手間が増えます。客のほうも予定を立て直さないといけないため二度手間です。

しかし再開時刻が早まる分にはまったく問題はありません。「ああ、JR神戸線なら15分前から運転再開してますよ」なら悪い気はしないでしょう。


ちなみに可部線が実際に再開したのは8時22分。当初の8時30分という見込みはほぼ完ぺきな想定だったと言えます。





再開見込みが前後するのは仕方がないことです。

ましてや事故というイレギュラーな事象ですから、当然「予想よりもはるかに時間を要した」というケースも起こりうるでしょう。


でもそれは毎回ではないはずです。

3回連続で予想より時間を要しているとなれば、もうそれは予想の立て方がおかしいと言えるのではないでしょうか。

今一度、見込み時刻の公表の仕方について、考えてほしいとも思います。


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