▲阪和線 鳳~上野芝間 人身事故 振り替え輸送
SUNTRAS型放送には、運行情報を案内するための放送も存在します。
路線と区間、事由、再開見込み、振り替え輸送がある場合はその旨を流すことができ、繰り返し案内を流すには申し分ない詳細さが魅力です。
ところがこちらの放送はめったに使われません。最終の案内と同じくその都度設定しないと内容が更新されないためです。
わざわざ自動放送を設定するくらいであれば、肉声で流した方が手っ取り早いということもあり、見事なまでに浸透していません。かつて大阪駅には自動放送の設定に長けた方がいらっしゃったようで、遅れが発生した際に遅延情報案内が必ず設定されていた時期がありましたが、現在ではそれもなくなり、天王寺・大正・放出などほんの一握りの駅がたまに設定してくれる程度になりました。
駅員の負担を減らすための自動放送なのですから、遅れの案内も自動で取得して流すことはできないのでしょうか。
自動化された運行情報案内 - 湖西線新システムと合成音声
ご存知のように、アーバンネットワーク圏内で遅れが発生した場合、どの路線の事象であっても全路線すべての駅の発車標に遅れの情報が流れます。
電光掲示板に一斉送信できるのであれば、その情報を受信して自動放送に反映させることも技術的にはできそうなものです。しかし何らかの障害があったのでしょう、現在まで実装されていません。
JR西日本側もこれについては改善する意欲があったようで、2019年に稼働を開始した湖西線の新システムでは、次のような放送が流れるようになりました。
機械合成音声での運行情報案内です。従来の肉声を録音した自動放送では、あらかじめ用意した音声パーツの組み合わせしか案内ができなかったため、案内できる内容に制限がありました。
合成音声であれば文言は自由ですし、スクロール表示と同じ文章を読み上げることで対応させられるため理にかなっています。
湖西線のシステムでは、逐一駅員が設定しなくてもセンターからの運行情報を受信すると自動的に案内放送で流れるようになっています。画期的な進化と言えるでしょう。
拙い発音ですが、今後合成音声の技術が進歩すればより肉声に近い放送を流すことができるようになるでしょう。今はその過渡期です。
もしかしたら近い将来、SUNTRAS型放送がいつか機械合成音声に変わってしまう日が来るかも…?