河内天美行き最終電車 運転取りやめのまま廃止へ

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河内天美行き ―― それは一日の終わりに2本だけ走る、地元民にのみ乗ることが許された列車。

 

あべの橋から最も近い車庫がある、河内天美駅まで運転される入庫を兼ねた列車です。近くにはネットカフェなどの夜を明かすことができる店が何一つありません。したがって、事前に車で乗り付けておくなどしておかないと、始発まで駅前で待たされることになります。

 

南大阪線の一日は、終電限定の行き先である河内天美行きで幕を下ろすのが当たり前、だと思っていました

 

 

コロナ禍で鉄道の利用者数は大きく落ち込み、各社一斉にダイヤの在り方を見直し、これまでにないスピードで減便、効率化に傾き始めた今年。

大幅な赤字で決算を迎えた近鉄は、少しでも下げ幅を小さくするため、そして都合よく政府・自治体から終電繰り上げの要請が出たのでそれに従う形で、大阪・奈良・京都府県内の路線で終電の繰り上げを実施しました。これが4月26日。

 

https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/kuninadoyousei.pdf

(一部列車運休のお知らせ 4月26日発表)

 

南大阪線の終電であった河内天美行き各駅停車は、4月28日の運転をもって、緊急事態宣言が解除されるまで小休止に入ったわけです。ところが。

 

 

https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/daiyahenkou.pdf

(ダイヤ変更のお知らせ 5月12日発表)

 

事態が急変したのは、それからまもなくのことでした。

 

5月12日、近鉄は7月2日に終電繰り上げと列車の減便を主に添えたダイヤ変更を行うと発表しました。このダイヤ変更で河内天美行き最終電車は完全にダイヤから消滅し、現行の古市行き最終が下りの最終電車となります。

終電車が20分以上繰り上げられる形となり、沿線民の私としてもかなり大きなダメージです。

 

緊急事態宣言がまさか延長されて2か月以上も長引くとは思いもしませんでしたので、この時の私は「運転が再開されたら、お別れに乗り通そうかな」くらいで考えていたんですよ。甘かったです。

 

 

https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/keizokusaishuu.pdf

(終電繰り上げ延長のお知らせ 5月31日発表)

 

緊急事態宣言が解除される・されないにかかわらず、終電繰り上げをダイヤ変更までこのまま延長するというお達しが出ました。これにより、大阪阿部野橋発河内天美行きの最終電車は、4月28日の運転がラストランとなりました。

 

これまで何度も趣味や飲み帰りにお世話になった列車であるだけに、最期を見送ることができないのは非常に残念です。今までありがとう、お疲れさまでした。

 

ダイヤ変更後、大阪阿部野橋発河内天美行きは別の時間帯に誕生することで生きながらえるのか、それともこのまま姿を消すのか。ダイヤ変更実施まで1か月を切りました。河内天美行きの運命やいかに!

 

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で、こういうことが万が一にも起こったときに困らないよう、河内天美行き関連の放送はすべて録音してあります。

 

やっぱり、普段から記録しておくのって大切ですね。久しぶりに放送関係では悔いなく見送ることができます。

 

 

▲車内放送。最寄り駅の1つ先まで、ちょっと深夜の脱走劇。

 

▲津田・横田ペア時代の旧放送

 

▲樹・馬場ペアに更新後の放送

 

▲妹尾氏時代の旧放送

 

▲樹リューリ氏に更新後の放送。あべの橋駅では最終案内が流れないため、「河内天美行きの最終です」と流れるのはこの駅が唯一でした。

 

▲当駅止まりの到着放送は、終電発車後の入線となるため、録りづらい放送でした。終電後に居座るのも何なので、終夜運転の日を狙って録音したのも今となっては思い出です。

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