SUNTRAS型放送が導入されている線区は次の通りです。
これをある法則に従って並び替えるとこうなります。
北陸線 長浜、米原
琵琶湖線 米原~京都間(全区間)
JR京都線 京都~大阪間(全区間)
JR神戸線 大阪~網干間、相生、播州赤穂、上郡
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大阪環状線 全区間
大和路線 天王寺~奈良間、木津、加茂
JRゆめ咲線 安治川口~桜島間
おおさか東線 久宝寺~高井田中央間
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JR宝塚線 新三田~尼崎間(全区間)
JR東西線 尼崎~京橋間(全区間)
学研都市線 京橋~松井山手間、同志社前、祝園
おおさか東線 放出~新大阪間
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この並び順はそれぞれ、その路線で使用されている放送システムが導入された順番を表しています。
大阪環状線や大和路線に導入されている放送は声が違うことから、一見まったく異なる放送に見えますが、実は上記路線すべての放送が体系的につながっているのです。
導入された順に少しずつ放送案内が変化しています。以下の例をご覧ください。
例1 「JR東西線経由」の列車の案内
変化が大きい放送の例として、まずは次の2つの放送をお聞きください。
▲普通 JR東西線経由 長尾行き @さくら夙川駅(JR神戸線)
次に2番のりばにまいります電車は、10:27発、普通・JR東西線経由長尾行きです。
▲普通 JR東西線経由 四条畷行き @中山寺駅(JR宝塚線)
最初にきいていただいたJR神戸線の例では「次に~まいります電車」と仰々しい文章から始まるのに対し、JR宝塚線の例では一般的な接近予告放送の文章になっていると思います。
これこそがシステムの違いによる放送文の差です。
もっとも初期に導入されたJR神戸・京都・琵琶湖線のシステムでは、経由路線(「JR東西線経由」「湖西線経由」など)がある電車では本線から抜けることを強調するため、放送文の冒頭を特殊なものにかえています。
大阪環状線・大和路線システム以降に導入された放送システムでは、途中で分かれていくことを強調する必要が無いため、経由路線があってもふつうの予告放送で流しています。
他の例も見てみましょう。
例2:種別変更の案内
▲普通(高槻から快速) 姫路方面上郡行き @京都駅(JR京都線)
21:43発、高槻から快速、姫路方面上郡行きは5番のりばから発車します。
(英語放送)This train will be the Rapid Service beyond Takatsuki.
7:42発、高槻から快速となります、普通・大阪行きは、3番のりばから発車します。
(中略)停車駅は、高槻までの各駅と、茨木・新大阪です。
初期に導入されたJR京都線の放送では、現在の種別が何であるかは流しません。
大阪環状線・大和路線システム以降に導入された放送では、「【種別2】となります【種別1】」のように現在の種別も流しようになっています。
たとえば「快速から新快速に変わる」のような場合、現在の種別が流れなければ「何も言われないから乗ってみたら通過駅があった」となる可能性がありますからね。
それと同時に英語放送では種別変更を案内する文言がなくなりました。
これは…なぜでしょう。立派な改悪です。そこは割愛すべきではない個所だと思うのですが…汗
さらにJR宝塚・東西・学研都市線のシステムからは、普通電車であっても種別変更すると通過する駅がある場合には、停車駅の案内も流れるようになりました。普通と案内しているのに停車駅案内が流れる場合があるということです。
まとめると、
これらの進化の系譜をたどると次のようになります。
そうなんです。めっちゃ多いんです。
上の表では、JR神戸・京都・琵琶湖線のシステムを基準(青色)に、それ以降のシステムで変更されている箇所を橙色で示しています。
同じように聞こえる放送でもこれだけの違いがあるんです。非常に奥深い、まさに「沼」のような要素を感じませんか?