実はSUNTRAS放送は最終電車の案内を流すことができる、というのはご存知でしょうか。
最終案内の放送文は、導入されているシステムごとに内容が異なります。
路線ごとの終車を案内する放送
最初期に導入されたJR神戸線・京都線・琵琶湖線システムには、行き先ごとに最終電車を案内する放送は実装されていません。代わりに路線名で案内する最終案内が用意されています。
▲路線名での最終案内
本日の【路線名】線、最終電車となります。
英語放送もありません。
行き先別の終車を案内する放送
大阪環状線系統のシステムからは、行き先ごとに最終案内を流すことができるようになりました。
▲天王寺駅の例。
この電車は、【行き先】行きの最終列車です。
大阪環状線・大和路線・ゆめ咲線・おおさか東線のシステムでは、英語放送はありません。
▲北新地駅の例。
【行き先】行きの最終電車です。お乗り遅れのないようにご注意ください。
This is the last train bound for【行き先】.
▲途中の主要駅も案内している例
【途中駅】【行き先】方面の最終電車です。お乗り遅れのないようにご注意ください。
This is the last train bound for【途中駅】【行き先】.
このように、行き先別の最終案内を付帯させることができます。
JR宝塚線・東西線・学研都市線以降のシステムでは英語放送が実装されました。また、その方面の最終電車で途中の主要駅も案内したい場合には、複数駅を最終電車の経由地として案内するための構文が用意されています。
さらに、東西線系統以降のシステムでは、特定の種別の最終であることを案内したい場合などには、種別が組み込まれた最終案内も用意されています。
▲最終案内で種別を案内する例
【種別】【行き先】方面の最終電車です。お乗り遅れのないようにご注意ください。
This is the last【種別】bound for【行き先】.
最終案内の罠
最終案内はぜんぶ用意されているだけで、勝手に放送システムが気を利かせて流してくれるわけではなく、各駅で案内を設定しないと流れません。
また、最終案内には致命的な欠陥があります。自動で設定される案内ではないため、現在の運行状況に合わせて内容が更新されません。その列車にどのような運転変更が行われようが、設定を変えない限り最終案内が流れてしまいます。行き先が変更されていたとしても、です。
実際に北新地駅では、次のような誤放送が流れてしまったことがあります。
おおさか東線延伸に伴う工事のため京橋〜放出間が運休となり、尼崎方面から来る電車がすべて京橋行きとなったこの日、
いつもの設定をそのままにしてしまった結果、「木津行き最終電車」の区間快速・京橋行きが誕生してしまいました。
このような欠陥を抱えているため、わざわざ設定していない駅が大多数を占めます。