社会人であろうとなかろうと、鉄道ファンを自称する皆様であれば乗車位置にはそれはそれはうるさいでしょう。
それこそ「次の電車が△印だと言われているのに全員そろって○印に並ぶような状況」は特にでございましょう()
さてここで問題の近鉄電車ですが、こちらもさすが関西を代表する私鉄なだけあって乗車位置が整備されている駅自体は多めです。
特急停車駅ですら乗車位置の整備されていない事例は存在するものの、残念ながら乗降者数も遠く5桁(=万)にすら届いてないのでよしとしましょう()
問題はその使い方にあります。
まずはこちらをご覧くださいませ( ・ω・)
こちらは南大阪線の標準的な乗車位置で、ステッカーではなく直接床に印字されているのが特徴です。
乗車位置は○印の3番。
要するに前から順当に数えて3両目に当たるわけなのですが、この番号は南大阪線の各駅停車で最長となる6両を基準に整備されており、5両、4両時にはそれぞれいくつか止まらない位置が発生します。
では乗客はどうやって両数の情報を得、そしてどの乗車位置に並べばいいかを判別するかといえば…
なんと術は一切用意されてございません(´・ω・`)
乗客はもし忠実に乗車位置を活用しようとすれば、自身の勘を頼りに「この時間帯に4両は来ない」とか「次の電車はいつも6両編成だ」と察知し並ぶ必要があります。
となると当然並ぶ人も少なくなるわけで、ホームに散見される通勤客が到着してからばらばらにドアへと押し寄せるわけですから、慢性的な遅延も減らないわけで…。
地元民にしかわからない見分け方
実はまだ番号が振られているのはいい方で、駅によってはこういう中途半端な乗車位置も存在します。
何も書かれていない○印と、「6」とだけかかれた乗車位置。
初見では乗車位置なのかどうかで戸惑いそうなほど簡易的なデザインですが…
いったいこれが何を意味するか、お判りでしょうか…?
実はこちら、それぞれ「6両編成用乗車位置」と「それ以外の両数用乗車位置」で、6両編成とそれ以外の場合で1両分ではなく0.5両分ずらされている駅にてよく使用されています。
当然ながら事前に両数は知らされず、さらに乗車位置はこれ…ですから、車内の混雑と相まって遅延に拍車をかける始末。
ちなみにこれが我が矢田駅の乗車位置事情でございまして…(´・ω・`)
乗車位置の用意されていない電車
極めつけはこちら。なんと乗車位置の整備されている駅でその整備されている乗車位置に止まらない、まるで無法地帯のような駅が存在するんですね(;´・ω・)
で、その駅というのが…大阪線の全駅にあたります。
いったいなぜそんな状況が生まれてしまったのか、理由をご紹介しましょう。
原因となるのがこの車両。
近鉄の通勤車としては一風変わった顔が特徴的な5200系です。
この車両の何がほかの近鉄車と違うかというと…ドア個所の数なんです。
他のどの近鉄車も4ドアであるのに対し、この5200系のみは3ドア。
それゆえ「わざわざ乗車位置を整備するほどでもない」と考えられたのか、3ドア中真ん中の1つに対する乗車位置が整備されずにいます。
この「並んでも乗車していただけない可能性がある」という曖昧性が災いしたのか、あるいは奈良線以外の線区でする気がないかのはさておき。
両数についてはある程度まで自己解決できる面もあります。
今回撮影した鶴橋駅など一部の駅ではご丁寧に線路内に各両数の先頭・最後尾箇所が線路内の案内板に明記されていますので、そちらを参考にされるときちんと並べます。
ただし5200系列だけは本当に曲者で、ダイヤも知らされなければ事前に何の案内もございませんので注意が必要です。
もちろんながら、かの奈良線では非常に多くの駅に発車案内が整備されており、乗車位置も記号と色、それから番号で示されるためこういう問題は起きにくいのですが、それ以外の路線ではたとえ市街地に近くとも「利用客の勘による整列乗車」が大半です。
(特急の場合にはいつも通り両数のみが表示されます)
大阪阿部野橋駅に至っては新放送への更新時に乗車位置案内が自動舗装から消されていますし…()
以上、近鉄の乗車位置事情でした。
仮にも「近畿」の名を背負う大手私鉄でこの状況はかなり問題だと思うのですが…(;´・ω・)
ぜひとも改善をお願いしたいのですが…すぐにではなくてけっこうですので、ラッシュ時だけでもお願いできませんか…?
ちなみに記事内でご紹介した3ドアの5200系ですが。
車両自体はたいへんすばらしいものなんです(●´ω`●)
ただドアの数が少ないのに何の案内もない現状はおかしいだろう…という記事でございました( ・ω・)
それでは~