「近鉄の乗車位置」と聞いて大半の方が思い浮かべるのは、おそらくステッカー式のこういったものだと思います。
少なくとも10年前にはこのタイプが使用され始めていますので、これより前の時代の乗車位置はかなり数を減らしています。
また近鉄は最近になってようやく乗車位置を整備し始めましたので、ステッカータイプが主流になるより前に整備された駅が少ないのも見ることが難しい原因の1つです。
さて、反転フラップといい駅自動放送と言い、よく言えば「レトロ」、悪く言えば旧式のものをずるずる使っている南大阪線。
針中野駅ではステッカータイプより前の乗車位置、直接ペイントするタイプのものがほぼ完品で残っています。
消える前に記録しておこうということで今回見てきました。
JR西日本のペイントタイプにどことなく似たレイアウトのこちらが旧式の乗車目標です。
それぞれ進行方向前側から①、②…⑥の順に並んでいます。
先日、内方線(警告ブロックの内側に整備する通行ブロック)の設置工事が行われ、もしかすると消えるのではないかと危惧していましたが、4月現在も健在です。
2番。丸の中の数字は後から印字されているようで、このように上下、左右にずれている箇所があります。
3番。各数字のうち一番古市寄りの箇所には、優先座席を表す「優」の字も印字されています。
4番。右上に見えるステッカーは4両編成でホームにかかる限界位置を示しています。
5番。こちらも数字がわずかに左下にずれています。割とお仕事が雑。
最後に6番の乗車位置です。
完品に近い状態で残ってはいますが、やはり長い年月をかけて破損しているものも複数存在します。
下り線の6番乗車位置の1つはひび割れで印字が欠けており、また「優」の印字も消えて真っ白になってしまっています。
上りホームにはこんなひどいものもありました。
ホームのひび割れが補修された際に乗車位置まで削ったにもかかわらず、そのままになってしまっています。
また下り線の1~2番の一部には、最初から数字がないものもありました。
この3,4か所以外には数字が印字されているため、なぜここだけ省略されているのかが非常に疑問です。
これらの乗車位置もあとどれほど持つか分かりませんから、記録はお早めに。
ある日突然ステッカーに変わっているかもしれませんよ…?
それでは~。