近鉄鶴橋駅 放送更新・接近メロディ追加

ご存知の方も多いとは思いますが、1月24日、近鉄鶴橋駅に新しい接近メロディが導入されました。




事前にホームページ等での告知がなく、突然の導入でしたので非常に驚いています。

新しい取り組みを応援したい気持ちは山々です。しかし今回のメロディ導入には課題が山ほど存在します。

この記事ではメロディの概要と、私が感じた疑問点、改善点を残しておきたいと思います。

接近メロディについて

これまで近鉄は、通過列車の接近時に電子音のメロディを流し、警告を促していましたが、停車する列車の場合は放送案内のみでした。そこで停車する電車に対して追加されたのが今回取り上げたメロディです。

上下線で共通のメロディが採用されています。関西で接近メロディといえば、JR西日本の無駄に神々しいメロディや、Osaka Metroが誇る、一度聞くと耳に残るインパクトの強いメロディなどがあげられますが、それらと比べるとかなりおとなしい曲調です。


メロディが流れる回数は決まってません。おそらく電光掲示板の「電車にご注意ください」という点滅表示同様、放送開始から起算してある一定時間が経過すると止まるようです。

また、今回導入されたメロディは、あくまで停車する電車に対してのものです。通過電車に対しては従来のメロディが流れていました。

メロディ導入に伴う放送の「改悪」

接近メロディ追加に伴う放送更新に伴い、放送にも大きな変更が発生しています。まとめると以下の点が変更されています。


・停車駅、先着案内、最終電車の案内などの雑案内が、特急券の案内を除いてすべて削除

・特急の案内復唱(行き先と種別を繰り返す)が廃止

・3,4番のりばの駅名連呼は残存
(1,2番のりばは元々存在しません)

・肉声放送用マイク起動中も放送が流れるように
(以前は肉声放送が優先され、肉声放送中は自動放送がカットされていました)

・通過列車の接近メロディは変更なし


肉声放送用のワイヤレスマイク起動中に、自動放送が省略されなくなったのは大きな進歩です。おそらくメロディが流れている間に肉声放送を挟んでも、メロディが消えないようにするための変更でしょう。

放送の内容については大きな課題が残ります。簡潔にまとめると、行き先、種別、列車名、特急券の案内以外の情報が全て流れなくなりました。

接近放送で流す情報を限定したという点については、JR西日本の放送更新とも似通っているところはあります。しかしJR西日本は接近放送よりも前に、接近予告放送を流すようにしており、そちらで停車駅や途中駅での連絡など諸案内を流しているのに対し、今回の近鉄の事例では削除するだけ削除し、それを補完する案内が見られません。駅員さんの案内もそもぞもで、人によっては補足を行わない方もいる現状では、あまり良い傾向とは言えないでしょう。

公共交通機関は視覚に不自由がある方も利用されます。弱視といい、ぼんやりとは見えるがはっきりと見えないような方にとって、電光掲示板の文字は読みにくいでしょうから、音声案内は重要な情報源です。もともと流せていたものを代替手段なく削除してしまったという点が、非常に残念といえる放送更新でした。



批判ばかりするというのはよろしいことではありませんので、私なりの改善案を出してみたいと思います。

やはり大きな変更となった雑案内の復活を願いたいところです。ただ一から十まで流せというわけではなくて、必要な情報を取捨選択して復活させてほしいと思います。

近鉄が駅放送で流している雑案内としては

・途中の全停車駅
・途中駅での連絡
・切り離し
・先着案内
・最終電車の案内

の5点があげられます。この中で重要度をつけると、


・主要駅(鶴橋駅からの利用者のおおむね8割が降車する駅)までの停車駅
・切り離し
・先着案内
・最終電車の案内
・主要駅以降の停車駅
・途中駅での連絡

といった具合になってくると思います。優先順位で3つ目まで程度までは流すべきなのではないでしょうか。

停車駅を全部読み上げると、どうしても五十鈴川行き急行のように、停車駅を永遠と読み上げて内容がない放送になってしまいがちですから、どこまで流すかは再考の余地があると思います。

名張までの停車駅は、布施、河内国分、五位堂、大和高田、大和八木、桜井と、桜井から名張までの各駅です」

これくらいコンパクトに収めたほうがわかりやすいのではないかと思います。車内放送では鶴橋発車後と、大和八木発車後で合わせて2回、名張以遠の停車駅が流れる機会がありますから、駅放送で省略しても特段問題はないでしょう。

まだ試験段階?

停車列車用の接近メロディが導入されたのは、今のところ鶴橋駅のみとなっています。

一駅でしか採用されていない点、ホームページに何の告知もない点を考慮すると、おそらくまだ試験運用の段階なのでしょう。

本格的に全駅規模で導入するとなった際、こういった改善点がどのように工夫されるかを期待したいところです。

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